目の疲れの原因

一般に目と言われる眼球は『眼窩(がんか)』と呼ばれる頭蓋骨の一部のくぼみに位置しています。そのくぼみに位置しながら、しっかりと視線を動かせるようにするために、眼球は6つの筋肉で支えられています。
6つの筋肉を総称して『外眼筋』と言い、これらの筋肉が疲労している状態が、疲れ目の状態と言えるでしょう。

また、『水晶体』と呼ばれる目のレンズのピントを合わせる際に使われる『毛様体筋』の疲労も、疲れ目に関係していると考えられるでしょう。

パソコンやスマートフォンを見ている際に起こしやすのが疲れ目です。長時間同じ姿勢で同じ画面を凝視し続けていると、眼球を支えている外眼筋やピントを合わせる毛様体筋が常に張り詰めた状態になってしまいます。
これが続くと、目への負担が積み重なり、目の疲れという症状になって現われてくるのです。

目の疲れに効くツボ

目の疲れに効くと言われるツボは複数あります。
お風呂の浴槽にゆっくりと浸かっている時や、就寝前にソファやベッドでくつろいでいる時などにツボ押しを行うとより効果的でしょう。
誰にでも簡単に取り組めるので、目の疲れが気になる方は、ぜひツボの位置を確認して試してみましょう。

晴明(せいめい)

左右の目頭のくぼみ、鼻の付け根の両脇に位置します。
両手の人差し指で、左右から鼻の付け根を挟むように押します。
リラックスするために、目は閉じたまま行うと良いでしょう。

攅竹(さんちく)

眉頭の内側の少し窪んでいる部分にあります。
両親指で下から少し上方向へ押し上げるようにして刺激すると良いでしょう。

太陽(たいよう)

両側のこめかみのやや下、少し窪んだところに位置します。
指の腹で少しずつ圧をかけながら押してみましょう。
目の疲れだけでなく、頭痛にも効果的です。

風池(ふうち)

左右の首のスジに左右それぞれ手を当てます。そのまま髪の生え際に沿って外側に指をなぞり、一番窪んでいる部分にあります。
両手の親指でゆっくりと強めに圧をかけてみましょう。
疲れ目だけでなく、肩凝りや頭痛にも効くツボとして知られています。

目の疲れに効くマッサージのやり方

目の周りをマッサージでほぐし、血行を良くすることで疲れ目の改善が期待できます。
目の周辺はデリケートな部分なので、優しいタッチで、眼球に決して圧をかけないよう注意して行いましょう。

目の下のマッサージ

目の下の骨周辺、目のクマができる部分のマッサージは、両手の人差し指、中指、薬指の3本を使って軽くタッピングするようにほぐすと、程よい刺激になります。
目頭の方から目尻の方までまんべんなく、タップしてみましょう。

目頭のマッサージ

前述した睛明のツボがある辺りを、ゆっくりと優しく圧迫しながらマッサージをします。
目が疲れると無意識的にこの部位を押してしまう人も多いと思いますが、強く押しすぎないよう気を付けましょう。

目の体操

眼球を支える外眼筋をほぐすには、目の体操が効果的です。
目を上下に動かしたり、目をぐるりと回したりしてみましょう。
スマートフォンなどの近くの画面を長時間見ている場合は、少し遠くの方を見るようにして目を動かすと、毛様体筋をほぐすことにもなります。

肩・首・頭部のマッサージ

目の疲れと同時に起こりやすいのが肩凝りや首凝り、頭痛といった症状です。
肩や首、頭部の筋肉をマッサージしてほぐすことで、目の疲れも緩和されることがあります。
自分で行いにくい場合には家族などにやってもらったり、リラクゼーションサロンを利用したりするのも良いでしょう。

おわりに

目の疲れの原因、疲れ目に効くツボやマッサージ方法について解説しました。
考えられる対処方法はたくさんありますが、試してみて自分が心地よいと感じる方法が自分に合っている方法だと思います。
簡単なことから実践して、日頃頑張っている自分の目をいたわってあげましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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