はじめに

最近では健康や美容にナッツの名前が良く出てくるようになりました。
ナッツは香ばしくあとを呼ぶ美味しさがありますが、イメージ的には「高カロリー」、「ニキビ」などと体型やお肌重視の方にとっては、ややマイナスイメージですね。
しかし、ナッツこそが身体のバランスをとってくれる食品なんです。
ナッツの性質を知ることで、ナッツを上手に摂りいれ、身体の機能改善を図ってみてはいかがでしょうか。

ナッツの栄養素に驚き!

ナッツの種類もたくさんありますが、実は「ナッツ」という物も大きく分類されたうちの一つなのです。
固い殻などに覆われている果実や種をひとまとめに種実類と呼んでいます。そのうちの木の実部分が「ナッツ」なのです。

ナッツは自然に収穫できるものなので、昔から保存食として利用されていました。
穀物の代わりの栄養分だったのです。

ではナッツの栄誉素とはどんなものなのか見てみましょう。
ナッツの栄養素は種類によっても違いますが、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが詰め込まれています。しかし半分以上は脂肪です。

これを聞いてがっかりした人もいるかもしれませんが、この脂肪こそがカギを握ります。
脂肪は飽和脂肪酸と飽和脂肪酸にわかれます。ナッツは「不飽和脂肪酸」です。
また不飽和脂肪酸を分類したうちの「オメガ3」「オメガ6」を含んでいます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い

【飽和脂肪酸】
体内に蓄積しエネルギー源となります
燃えるための温度が高いため体内で残ってしまい、血液をドロドロにするという弱点があります

【不飽和脂肪酸】
燃える温度が低いため、体内に残りにくい。
血液のコレステロールを減らす効果も備えています

不飽和脂肪酸の「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」

【オメガ3】
血液中の脂質の量を減らす働きです
血小板の働きを一部おさえて、血液をサラサラにします

【オメガ6】
細胞膜を正常に保ったり、外部からの敵の侵入に対して炎症を起こします
摂り過ぎるとコレステロールを上げてしまいます

ナッツの種類も効果もこんなにある!

アーモンド

ビタミンEが豊富に含まれていますので、抗酸化作用で「体のサビ」から細胞を守ります。
血行を良くするので冷え性の改善、食物繊維もプラスされて便秘改善が期待できます。
また、肌にとっても最高の効果をもたらし、シミやしわの防止、潤いを与えることがわかっています。

くるみ

質の良い脂肪とタンパク質を豊富に含んでいます。
青魚が持っているドコサヘキサ酸とエイコサペンタン酸がありますが、くるみのオメガ3が体内でこの酸に変化します。
青魚の効能でよく知られる、脳の回転が良くなる、動脈硬化を抑制し脳血管疾患や心臓病の予防ともなります。
またアーモンドと比べても食物繊維が多いので、整腸作用に長けています。

マカダミアナッツ

「パルミトオレイン酸」を含んでいますので、血管を丈夫にして脳血管などの出血を防ぎ脳卒中の予防にもなります。
また酸化されにくい性質ですので、美容効果には最適で皮膚の老化を防ぎ、肌の潤いを保持してくれます。

ピスタチオ

「フィトステロール」という栄養素を含んでいますから、血液にコレステロールをため込まずに外へ排泄します。
またカリウムというミネラルが豊富なので、ナトリウムの排泄を促し高血圧を予防します。

カシューナッツ

脂質のほかにビタミンB1を含み、その効果として疲労を回復してくれます。
またミネラル(亜鉛やマグネシウムなど)も豊富で、脱毛防止や、むくみ防止にも多く貢献します。

ピーカンナッツ

脂質が70%を超えて、ほかのナッツと比べるとダントツに脂質が高いナッツです。
しかし抗酸化作用があるビタミンEの量も多いためアンチエイジングには最適です。
また鉄分や亜鉛も多いので、赤血球の生成に関与し鉄欠乏性貧血の予防や改善に役立つことになります。

食べ過ぎの結果は悪影響のみ

食べ過ぎの境界線

ナッツの栄養価や効能は素晴らしいのですが、食べ過ぎてしまうと違う部分で悪影響が勃発します。
一日の摂取量として適量は約100kcal、25gくらいに相当します。

・アーモンドでは25粒程度
・ピスタチオなら45粒程度
・クルミなら6~7粒程度
・カシューナッツ20粒程度

ナッツの脂肪は不飽和脂肪酸のオメガ3とオメガ6は、バランスを崩すとお互いの効能を阻害してしまう性質があります。
バランスが調和されるのは【オメガ3:オメガ6=1:2】です。

食べ過ぎによって生じる症状

▪高脂肪による体重増加
▪消化できずに腸内で水分と脂肪に分かれてしまい下痢を起こす
▪脂肪分が皮膚の脂質を増やしてニキビが増加
▪口腔内や唇が腫れる、または嘔吐などの症状や、アレルギーを起こす人がいる

まとめ

ナッツはおやつとしても料理の具材としても評価される食べ物です。それに体にとってこれだけ良いものだと理解できると、更に評価が高まるかもしれませんね。
しかし、ナッツだけではなく、全ての食べ物に食べ過ぎて良いものはありません。何かしら支障は出るものです。
自分が求める効能に沿ったナッツを選択し、食べ過ぎとならない適量を摂取できることがナッツの上手な食べ方です。
ナッツの摂取加減をコントロールしながら、健康のコントロールもしていきましょう。

監修

・救急医、内科医 増田 陽子

・救急医、内科医 増田 陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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