腰痛ベルト(コルセット)とは

重い荷物を持ったときに腰に痛みが走る、長時間のデスクワーク後に立ち上がると腰が思く感じるなどの経験はありませんか?
腰痛の多くは腰への負担が原因で起こります。腰が曲がって負担がかかっていたり、筋肉を痛めて炎症が起こっていたりすることもあります。

そこで役立つのが腰痛ベルト(コルセット)です。腰痛ベルトは骨盤を正しい位置に固定し、腰痛の原因になる骨盤のズレを正す役割を果たしてくれます。

種類はゴム製のものやプラスチック製のものなど多種多様です。
整形外科などで提供される腰痛ベルトは、お腹周りから腰まで幅広く固定できるものが多いです。

基本的に幅が広く硬い素材のものほど動きを抑えてくれるので、痛みが酷い時にはこのタイプを利用します。ゴム製の細いものは、痛みの原点を固定する目的で使われ、動きを大きく抑えることはないので、腰痛予防としての日常的な利用にも適しています。
このように、腰痛ベルトは痛みの度合いや目的によって種類を変えることも可能です。

腰痛ベルト(コルセット)が必要な人とは

急に腰の痛みがひどくなって歩くのも辛い場合や、常に腰痛に悩まされている場合などは、腰痛ベルトの着用をおすすめします。
長時間同じ姿勢で働かれている方の場合、急に身体を動かした時に痛みが発生する事もあるので、この場合も腰痛ベルトを締めておくことも効果的といえます。

腰痛ベルト(コルセット)の正しい着け方

幅の大きい腰痛ベルトは、腰そのものに巻いていきます。
しかし、幅の狭いものを腰そのものに巻くと、骨盤を支えるお腹の力を使えなくなり、呼吸にも支障が出てしまいます。前述した通り、腰痛ベルトの本来の目的は骨盤の動きを止めることなので、幅の狭いものは以下の手順に従って巻きましょう。

幅が狭く柔軟性のある腰痛ベルトの着け方

①腰痛ベルトを着け始める前に、ベルトの当たる位置を確認します。気をつけの姿勢をした際、指先または手のひらが当たる、ももの出っ張った部分を覚えておいてください。
②軽く足を開いて膝とつま先を真正面に向けて立ち、休めの姿勢をとります。
③腰痛ベルトを後ろから骨盤に当て、ベルトの上端を腰骨の出っ張った部分に合わせます。
④①で確認したももの出っ張った部分にベルトの下端を合わせて巻いていきます。

このように、骨盤を上下から包み込むような感じで当ててください。
ベルトを締める前に大きく息を吸い、その息を吐ききってからベルトをしっかりと締めましょう。そうすることで、骨盤の微妙な動きを制限することができ、腰に負担をかけにくくする効果があります。

腰痛ベルト(コルセット)の効果

腰痛ベルトには、痛みを発生させる骨盤の動きを制限し、腰の負担を和らげる効果が期待できます。

骨盤のズレは普段の生活の中で徐々に発生し、左右の骨盤に歪みが起きてしまいます。例えば、家を建てている場所の地面が斜めになっていると、家の耐震性に関わってくるように、少しの骨盤の傾斜でも、腰そのものに大きく影響を及ぼす場合があります。
また、腰に負担がかかりやすい状態で大きな刺激が入った場合に、直接、腰に衝撃が来てギックリ腰などのひどい腰痛を起こすこともあります。
腰痛の予防には、この土台となる骨盤を整える事が必要で、骨盤を正しい位置に整えてくれるのが腰痛ベルトです。

腰痛ベルトの注意点

身体の土台となる骨盤を整えてくれる腰痛ベルトは、常に腰痛があるときには、続けて着用する事をおすすめします。
しかし、痛みがなく、予防で着用する際には、着けすぎに注意しましょう。
また、お腹まで固定するタイプでない腰痛ベルトをお腹周りに着けて締めてしまうと、筋肉がベルトに依存をしてしまう可能性があります。依存するということは、筋力を落としてしまい、外した時に再度腰痛になる可能性が高くなるので気をつけてください。

注意点をまとめると、以下のようになります。これらを念頭において使用してください。
①痛みがひどい時に続けて使用する
②予防として使用する場合は着けすぎない
③間違えた場所に使用しない

おわりに

腰痛を持つと、少しの動きでも痛みが生じやすいので、骨盤や腰回りを固定をして痛みを和らげる事が重要です。特に、急に痛みが酷くなった場合は、炎症を起こしているので、無理に動かさずに安静にする事を必要とします。
腰痛ベルトを着ける事によって無理な動きを制限し、腰の痛みを和らげて腰痛の改善に導いてくれます。
ただ、着け方次第では全く効果がなかったり、逆に痛みが悪化したりする事もあるので、着け方をしっかり確認してから使用するようにしましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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