ツボ押しの効果

ツボへの施術は、古代中国医学として3000年以上前から実践されています。指圧・お灸・鍼の3種類に分けられ、その中で効果が早く自身で行うことができるのが、指圧(ツボ押し)とされています。
局所の血流を促したり、筋肉を緩めたりできるので、身体に多くの健康効果が現れます。

特別な道具もいらず、一人で行うことができるのもメリットの一つといえます。

痛みを解消する

痛みが慢性化すると、発痛物質が放出されて痛みに過敏になり、痛みをさらに強く感じるようになる場合があります。

ツボ押しは、神経の異常な興奮を抑え、痛みの過敏性を軽減させます。そのため、痛みの解消に高い効果が期待できます。

自律神経を整える

自律神経は、心拍数、血圧、体温の調整や発汗など、生命維持には欠かせない役割を担っています。
自律神経が乱れると、女性のホルモンバランスも崩れ、全身にあらゆる悪影響を及ぼします。

ツボ押しをすることにより、自律神経が整ってリラックスすることができます。

生理痛に効果のあるツボと押し方

ここでは、脚や腰にある生理痛に効果的な4つのツボをご紹介します。

脚にあるツボは、親指をツボに当てて指圧しましょう。脚の中心に向かって指圧することで、効率良くツボを刺激できます。
背中にあるツボは、指では指圧できないため、テニスボールを使用すると、心地よく刺激できます。

長時間指圧するのではなく、5秒間指圧して5秒間解放する方法で行います。
これを1セットとし、各部位5セットずつ試してみてください。

三陰交(さんいんこう)

『三陰交』は婦人科系の疾患や症状に効くツボです。ホルモンバランスを整えて、子宮や卵巣の機能を安定させてくれます。

ツボの位置は、脛骨(すねの骨)の内側です。内くるぶしの上、膝の方向に指を4本分の高さで、脛骨の後ろ側のきわにツボがあります。

指圧する側の足をつかむように親指をツボに当て、足の中心に向かって指圧しましょう。

血海(けっかい)

『血海』も三陰交と同じく、婦人系の万能のツボです。

ツボの位置は、膝のお皿の一番内側から、指3本分上です。

指圧する側の膝をつかむように親指をツボに当て、膝の中心に向かって押します。

次寥(じりょう)

『次寥』は生理痛だけでなく、腰の痛みやだるさに対しても、効果があります。

『仙骨(骨盤の真ん中にある骨)』の中心から、左右に指2本分の位置にあります。仙骨にはくぼみがありますが、上から2番目にあるくぼみの中にツボがあります。

ツボ押しの際は、ボールなどを使うと便利です。
膝をたて仰向けになり、ボールの上にツボがくるようにして体重をかけて刺激しましょう。

太衝(たいしょう)

『太衝』は、生理前に起こる過食、眠気、むくみなどの『月経前症候群』に効果があります。
この他にも、めまい、頭痛、イライラ、更年期障害などに効果的です。

ツボの位置は足の甲にあります。足の第1指(親指)と第2指(人差し指)の間にあるくぼみを足首の方向にたどり、2本の骨と腱が接するV字のくぼみにツボがあります。

人指し指をツボに当て、手前に引きながら足の中心に向かって押します。痛すぎる場合は、指でこするようにすると、刺激が少なくなります。

その他の生理痛解消法

ツボ押しとともに、その他の解消法を行うことにより、生理痛解消の効果が上がります。

生理痛は疲労やストレスが溜まっていることにより、症状が悪化します。そのため、リラックスできる時間をつくり、心や身体を落ち着かせましょう。

入浴

入浴によって血流が促進されて身体が温まり、発痛物質が代謝が活発になります。その結果、生理痛が軽減することがあります。
お気に入りの入浴剤や、アロマを入れて香りをつけると、リラックス効果が高まります。
長湯をする方は、タオルをかけたり、こまめにかけ湯をしたりするなどして身体を冷やさないようにしてください。

運動

生理のときに身体を動かすのは、だるいと感じるかもしれませんが、軽い運動を行うと、痛みが軽くなることがあります。
15分間ほど散歩をしたり、両手をばんざいして背伸びをしたりするだけで血流が促され、生理痛の緩和に効果が期待できます。

身体を温める

身体が冷えると、生理痛が悪化するだけでなく、血流が悪くなったり、自律神経が乱れたりします。生理痛の場合は、特に腹部や下半身が冷えると、痛みが悪化します。
そのため、靴下やレッグウォーマー、腹巻きを使用すると、下半身が温まり、生理痛の解消に効果的が期待できます。
また、温かい飲み物を意識して飲むと、身体の中から温り、リラックス効果も得られます。

おわりに

生理痛で悩んでいる方の多くは、その他にも身体の不調を感じていることが多いです。生理痛によって思うように身体が動かせなくなったり、気持ちが集中できなくなったりすと、心身ともにストレスを感じてしまいます。

今回ご紹介したツボ押し、入浴や軽い運動などは、痛みの解消だけでなく、気持ちのリラックスにもつながります。身体と心を合わせてケアすることにより、生理痛の悩みが軽減していくでしょう。
薬を使わずに生理痛を解消したいという方は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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