はじめに

『昨日はそんなに飲んでないのに悪酔いしたなぁ』
『あれ?だいぶ飲んだのに起きたらダメージなしだ!』

なんて経験ございませんでしょうか?

お酒の種類や、お酒の場、お酒の飲み合わせや、おつまみとの食べ合わせ。
理由はいろいろあるけれど。

実は飲んだお酒のアルコールを上手にさばいてくれる
味覚があることをご存じですか?

お酒との付き合いが多くなってくるこの季節。
秘密の味覚を味方につけることで

明日にお酒を残さないワザを身に着けておきませんか?

お酒の場でのちょっとした小ネタにも使える
オモシロ東洋医学小話をご紹介いたします。

味覚でカラダをコントロール!?

普段なにげなく口にしている、
食べ物飲み物。

これを東洋医学的に考えます!
と言った際にみなさんがまず、思い浮かべるのは

『薬膳』ではないでしょうか?

近年、TVや雑誌、人気アイドルが資格取得など
ちょっと話題になった薬膳。

けど、本屋さんで薬膳の本を立ち読みをしてみたら
食品の性質がツラツラとたっくさん書いてあったり、

これ、なんやねん?どこで売ってんねん!?
みたいな謎の食材が羅列されてたり

ちょっと難しいなぁ。
なんて思われた方も少なくないんじゃないでしょうか。

確かに薬膳はちょっとした知識と
東洋医学的な土台がないと、なかなか馴染まない部分もあったりします。

だけれど、東洋医学はみんなに優しい医学!

薬膳がわからなくても、ちょっとした工夫でカラダをコントロールできる技が
ちゃんと用意されているんです!

それが『五味[ごみ]』という概念!

五つの味覚でカラダに刺激を与えてあげて、
カラダをコントロールしてあげるわけです。

もともと東洋医学が生まれた中国では
医者にランクがあって、外科や内科を抑え、その頂点に君臨していたのが
『食医[しょくい]』つまり、

食事のコントロールを行うことで病気にさせない。
また、病気になってしまっている場合でも食事で治せる医者

が、もっとも位の高いお医者さんだったんです。

そんなお医者さんがいたわけですから、当然様々な知識や
様々な治療の方法論が存在して、その一つが『五味』の特性を活かした
食事術だったわけです。

疲れた時に甘いものが食べたいなぁ。
ちょっとイライラしちゃった時は酸っぱいものが食べたいかも。

こんな具合に普段意識していないものでも実はカラダって
調整されていたんですね!

カラダの熱を抑える味とは

さて、そんな五味ですが、
その構成は『酸・苦・甘・辛・鹹[しおからい]』の
5つでございます。

和食ラバーのみなさんは味の基本として聞いたことがあるでしょうし、
日本には『甘酸辛苦』なんて言葉があったり、
『酸いも甘いも嚙み分ける』なんて言葉があったり、

イメージはしやすい概念なのではないでしょうか。

ちなみにお酒の五味は『鹹味』が『渋味』に代わったりします。

そう、五味を語るにもここはお酒のお話。
渋みのお話は今回置いとくとして、

ここではお酒を『湿』と『熱』と分類して、
その原因を五味でやっつけよう!といったお話しをさせて頂きます。

アルコールの性質は上記通り、『湿』と『熱』と考えます。

『湿』は重だるさや、だるさ、動きづらさなど、『停滞』のイメージ
『熱』は動きの活発化や、体温の上昇など『過活動』のイメージ

つまりアルコールを摂取するということは
これらがカラダの中にはいってくるということになってきます。
(詳しくはこちら https://media.carecle.com/articles/fiMTR の記事をどうぞ)

今回はカラダにアルコールが入ってきた時、
一番最初に悪さを始める『熱』をさばくことを考えるわけです。

なのでそんな、熱を冷まし、さばいてくれる味覚。

これが、今回のキモ!そう、『苦味』でございます!

この『苦味』は性質として、
カラダの中にこもった熱をさばいてくれる性質をもっているのです!

沖縄住まいのかた
あぁ、なるほど!と思ったんじゃございませんか?
ゴーヤーは苦いですよね。

イタリア住まいのかたも
あぁ、なるほど!と思ったんじゃございませんか?
イタリアのCaffeのエスプレッソは南に行くほど濃くなってきますよね。
(暖かい土地に行くほどコーヒーが濃くなって苦くなります)

ほら、これって温暖な気候によってカラダに発生する余分な熱を
さばくために苦いものを口にしてるんですよ!

誰に教わったわけでもないのに文化って面白いですよね。

だからこそ、『良薬口に苦し』なんて言葉ができたんです。
これって、『苦味』自体に熱を下げる性質があるから、

熱病に対しては『良薬』が口に苦いんじゃなくて、
『苦味』があることが、解熱剤としては『良薬』だったわけですね!

つまり、あのにっがい漢方薬は
一度口に広げて、『にっがい!』と思ってから飲んだ方が
その効果をアシストしてくれるわけでございます。

明日に残らないお酒のヒミツをご紹介!

さてさて、
では、そんな『苦味』のスペシャルな特性が
わかったところで、

いざ、お酒を飲むことによってカラダに入ってきた
『熱』をさばくための一杯。

そう、明日のための一杯をご紹介いたしましょう!

そもそも苦いお酒の代表はみなさん思い浮かべる
ビール!
いいですね。ビール。すごくいいですよ!

ビールだったらいくら飲んでも酔わないんだよね!
なんて方もたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?

これも苦味のなせるワザ?なわけでございます。

が、しかし、ここで『ビールでした!』じゃ
まがいなりにもソムリエの名が廃るといったもの

そこで今回は私、Bacco選出、3大『明日のための一杯』をご紹介。
面白いですよぉ。
世界の文化には思わぬ東洋医学が紛れ込んでるんです!

どうぞお楽しみください!

発表!3大『明日のための一杯』!

①ウンダーベルグ(ドイツ)
まず、トップバッターを飾るのはドイツのウンダーベルグ!

特徴的な20mlの小瓶に入ったこの薬草リキュールは
ドイツやオーストリアといった地方で飲まれる、まさに

飲みすぎ、食べ過ぎん時はこれ飲んどけば大丈夫!の一本!

日本で言うと『ウ○ンの力』的な使われ方もされてるようで、
食前酒としてカッ!と行く人もいるとかいないとか。

嬉しい使い切りサイズのウンダーベルグを飲みすぎた日の最後に一杯。
これで明日もバッチリ飲めます!

②チナール(イタリア)
二番打者はイタリアより、チナール選手のご紹介!

アーティチョーク(チョウセンアザミ)をワインベースでこしらえた、
イタリアの素敵ハーブリキュールです。

今回紹介させて頂く3大明日のための一杯の中では
最も苦味が穏やかで、アルコール度数も低いので、
エントリーの一杯には一番かもしれません。

本場イタリアだけでなく、南国ブラジルなんかでも人気の高い
このチナール、最近では様々な健康効果が見込めるだとかなんだとかで、

ひそかに人気の高まっているリキュール。

ちょっとクセもあるお酒だけど、
ロックでもソーダでも軽快気軽に楽しめるこの一杯は

呑兵衛の酒棚に必須の一本かも

③フェルネット・ブランカ(イタリア)
最後はもちろん大ボス。フェルネット・ブランカ!

何を隠そう苦さマシマシ、味濃いめの
世界一『苦い』お酒としてその地位をガッチリと固めております。

余談ですが、筆者が(美味しく)飲んでいる際、
初めて味見された方々はもれなく口をつけた瞬間噴き出してます。

それくらい苦い!
けど、その分『苦味』の熱をさばいてくれる作用は抜群!
最後の一杯にこれを飲んで悪酔いしたことはございません。

慣れるまでは中々口になじまないかもですが、
みなさん、Barに行かれた際などはぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

以上、これらのお酒は
どれも主に食後酒として、現地で親しまれているものです。

東洋医学なんて知らないのに、
みなさんその効果は実感されてるんですよね。

また、Caffeの件含め、
情熱的で熱量の高い、アモーレな国イタリアのお酒が多いのも
これまた面白いところ。

世界を東洋医学で切り取るって面白いものですよね!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
古今東西、悪酔い対策に飲まれてるお酒ってどれも苦いんですよ。

これって、実は東洋医学の定番知識。
人間て経験的にわかってるんですよね。

だから、大量のエネルギー(熱量)を使ってスクスク育たなきゃいけない
赤ちゃんは苦いものを口にできないんです。

どれもこれも一度聞いてみると
『おぉ!なるほど!』
それが、東洋医学の基礎知識!

みなさんの生活の陰に東洋医学あり。なわけでございます。

これから本格化する宴会シーズン
苦味を制して、少し大人なお酒の飲み方をしてみてはいかがでしょう。

良酒は口に苦し!
素敵なお酒をチョイスして、
素敵な明日を迎えましょう!

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