はじめに
ドラッグストアに行くと、イボ治療薬が数多く並んでいます。さまざまなトラブル時に気軽に使える市販薬はとても便利で頼もしい存在です。
ですが、いぼに関してはちょっと注意が必要です。いぼができてしまったとき、いきなり市販薬に頼るのはおすすめできません。なぜなら、いぼには種類があるからです。原因ごとに適した治療法があるのです。
治療法を誤ってしまうと、いぼがよくなるどころか悪化してしまうこともあるんです。いぼの治療に自己判断は厳禁!かならず皮膚科を受診しましょう。
ですが、いぼに関してはちょっと注意が必要です。いぼができてしまったとき、いきなり市販薬に頼るのはおすすめできません。なぜなら、いぼには種類があるからです。原因ごとに適した治療法があるのです。
治療法を誤ってしまうと、いぼがよくなるどころか悪化してしまうこともあるんです。いぼの治療に自己判断は厳禁!かならず皮膚科を受診しましょう。
いぼとは
顔にできる「おでき」には色々な種類があります。
そのなかでも、いぼっていったい何なのでしょう?
そのなかでも、いぼっていったい何なのでしょう?
いぼとは?
いぼは、医学的には疣贅(ゆうぜい)と呼ばれます。疣贅とは、皮膚にできたふくらみのこと。いぼにはその原因によっていくつかの種類があるんです。
いぼの種類
いぼは、大きく分けて2つのタイプがあります。
・悪性のいぼ
・良性のいぼ
です。
・悪性のいぼ
・良性のいぼ
です。
(1)悪性のいぼ
悪性のいぼとは、簡単に言えば体に害をなす「病気」としてのいぼです。
そのため、治療が必要になります。
悪性のいぼにはこんなものがあります。
・ウィルス性いぼ
・水いぼ
・皮膚がん
そのため、治療が必要になります。
悪性のいぼにはこんなものがあります。
・ウィルス性いぼ
・水いぼ
・皮膚がん
(2)良性のいぼ
良性のいぼとは、それ自体が体に害を与えることがない種類のものです。
いわば生理的な変化がもたらすもの。
脂漏性角化症と呼ばれ、別名「老人性いぼ」です。
いわば生理的な変化がもたらすもの。
脂漏性角化症と呼ばれ、別名「老人性いぼ」です。
いぼのできる原因
いぼは種類によって原因が異なります。ひとつずつ解説していきましょう。
1:ウィルス性いぼ
ウイルス性のいぼはヒトパピローマウィルスの感染によって起こります。顔にできた傷からウィルスが入り込むことで発症します。
ヒトパピローマウィルスは子宮頸がんの原因となるウイルスです。ですが、このウィルスには数百という種類があります。子宮頸がんといぼの原因ウィルスは種類が異なっていますので、ウィルス性いぼに感染したからといって子宮頸がんの原因になることはありません。
ヒトパピローマウィルスは子宮頸がんの原因となるウイルスです。ですが、このウィルスには数百という種類があります。子宮頸がんといぼの原因ウィルスは種類が異なっていますので、ウィルス性いぼに感染したからといって子宮頸がんの原因になることはありません。
2:水いぼ
水いぼもウィルス感染が原因で起こります。正式には「伝染性軟属腫(でんせんせい なんぞくしゅ)」といいます。原因となるのは、ポックスウィルスというウィルスです。破れた水いぼに触れることで感染します。直接触れなくても、お風呂やタオルなどを介しても移るので、注意が必要です。
3:扁平疣贅(へんぺい ゆうぜい)
扁平疣贅もヒトパピローマウィルスが原因の感染症です。ですが、先に紹介したウィルス性いぼや子宮頸がんの原因ウィルスとは別のタイプのパピローマウィルスになります。20~30代女性に多く見られ、平たいのが特徴です。
4:皮膚がん
皮膚がんも、種類によってはいぼのように見える場合があります。特に初期にはほくろやいぼ、しみなどと外見上で区別するのは非常に困難です。皮膚がんの中には命のかかわる種類のものもあるため、できるだけ早期に治療を行うことが求められます。いぼができた際に皮膚科の受診が欠かせない一番の理由は、皮膚がんの可能性もあるためなのです。
5:老人性いぼ
老人性いぼとは「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」と呼ばれることもあります。加齢による皮膚の老化現象が原因で、肌のターンオーバーのサイクルが長くなり、古い角質が硬くなって盛り上がったことが原因でおこります。
いぼ治療の種類と方法
では、いぼの種類ごとに適した治療法を紹介します。ここで解説しているのは、一般的な治療方です。原則的には受診した医師の判断に従ってください。また、皮膚がんについては特殊なケースですので、今回は省略させていただきます。
1:液体窒素
液体窒素をいぼに塗り、細胞を凍死させてしまう治療法です。数日~数週間でいぼがかさぶたのように剥がれ落ちてきます。窒素をあてている間は、ピリピリ・ジンジンとした痛みを伴うことがあります。また、場合によっては色素沈着などの跡になってしまうこともあります。
液体窒素療法が有効なのは以下のいぼです。
・扁平疣贅
・ウィルス性いぼ
・老人性いぼ
液体窒素療法が有効なのは以下のいぼです。
・扁平疣贅
・ウィルス性いぼ
・老人性いぼ
2:トラコーマ鑷子(せっし)
トラコーマ鑷子とは、ピンセットの先端がスプーンのような形になっている医療器具です。水いぼ治療に用いられます。
ピンセットの先で水いぼを挟み、中心にある芯を取り除きます。痛みや出血を伴うことが多く、部位や程度によっては事前に麻酔を行うケースもあります。
ピンセットの先で水いぼを挟み、中心にある芯を取り除きます。痛みや出血を伴うことが多く、部位や程度によっては事前に麻酔を行うケースもあります。
3:レーザー
レーザーをいぼに照射し、いぼを焼いてしまう方法です。痛みや出血が少なく、肌への負担も少なくて済むのが特徴です。また、いぼの除去後も跡が残りにくいというメリットもあります。ただし、保険適用外の場合が多く、治療費が他の方法よりも高い場合が多いのがデメリットです。
レーザーが有効ないぼは
・扁平疣贅
・老人性いぼ
・ウィルス性いぼ
です。
レーザーが有効ないぼは
・扁平疣贅
・老人性いぼ
・ウィルス性いぼ
です。
4:ヨクイニン
ヨクイニンとは、ハトムギの中に含まれている成分。ビタミンやミネラル類が豊富に含まれています。ヨクイニン自体にいぼを治療する効果はありません。ヨクイニンの内服によって免疫力を高め、ウィルスをやっつけることが目的です。その他の治療法と併用されるのが一般的です。
ヨクイニンが有効とされるいぼは、
・ウィルス性いぼ
・水いぼ
・扁平疣贅
です。
ヨクイニンが有効とされるいぼは、
・ウィルス性いぼ
・水いぼ
・扁平疣贅
です。
いぼ治療の費用と期間
いぼは、種類と治療法によって治療期間や治療費も異なってきます。
治療法ごとの期間や費用の目安を紹介します。
治療法ごとの期間や費用の目安を紹介します。
1:液体窒素
液体窒素でいぼを焼く場合の治療期間と治療費の目安です。液体窒素は健康保険が適用になるため、自己負担額を低く抑えることが可能なのがメリットです。そのかわり、一度でいぼを取り除くことができないのが一般的で、1週間~2週間おきの通院が必要になります。
健康保険:適用
治療期間:約1~3か月程度(1週間~2週間おきに通院)
治療費:1回1,000円程度
健康保険:適用
治療期間:約1~3か月程度(1週間~2週間おきに通院)
治療費:1回1,000円程度
2:トラコーマ鑷子
水いぼは水泡の中に芯があり、そこに原因となるウィルスが潜んでいます。トラコーマ鑷子で、芯をキレイに取り除いてしまえば、その部分の治療は完了です。1つの水いぼに対して基本的には1回の治療で済むのがメリットです。
健康保険:適用
治療期間:1日~数か月(水いぼの数による)
治療費:1回1,000円程度(一度に除去する水いぼの数によって異なる)
健康保険:適用
治療期間:1日~数か月(水いぼの数による)
治療費:1回1,000円程度(一度に除去する水いぼの数によって異なる)
3:レーザー
レーザーは、いぼに対して非常に高い効果を発揮します。基本的には1度の照射で完治させることが可能です。ただし、いぼのレーザー治療は自由診療扱いとなり健康保険が適用されません。そのため、クリニックによって費用が大きく異なっており、どこの皮膚科でも治療が受けられるとは限りません。
健康保険:使用できない(全額自己負担)
治療期間:1日~半年程度(いぼの数によって異なる)
治療費:クリニックによって異なる(平均的な相場は10,000~50,000円程度)
健康保険:使用できない(全額自己負担)
治療期間:1日~半年程度(いぼの数によって異なる)
治療費:クリニックによって異なる(平均的な相場は10,000~50,000円程度)
4:ヨクイニン
補助的に使用されるのがヨクイニンです。いぼ治療が終了するまで内服を続けるのが一般的。
そのため、服用期間はいぼの治療期間に準ずることになります。
健康保険:適用
治療期間:いぼ治療に準じる
治療費:1ヶ月500円程度
そのため、服用期間はいぼの治療期間に準ずることになります。
健康保険:適用
治療期間:いぼ治療に準じる
治療費:1ヶ月500円程度
終わりに
いぼには、生理的変化による良性のいぼと、ウィルス感染などが原因の悪性のいぼがあります。
また、いぼだと思っていたものが実はいぼではなかったケースも少なくありません。
肌の専門家である皮膚科医ならば、いぼの正確な診断を行ってくれますし、ベストな治療法を提案してくれます。自己判断で市販薬や民間療法を始める前に、必ず皮膚科を受診しましょう。
また、いぼだと思っていたものが実はいぼではなかったケースも少なくありません。
肌の専門家である皮膚科医ならば、いぼの正確な診断を行ってくれますし、ベストな治療法を提案してくれます。自己判断で市販薬や民間療法を始める前に、必ず皮膚科を受診しましょう。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会