はじめに
まず肥満とは、体重が多いだけでなく、体脂肪が過剰に体内に蓄積した状態のことを指します。
一般的にはBMIの指標が用いられることが多く、
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}
で求めることができます。
この計算で求められた数値のうち、日本では25以上になる場合が肥満となります。BMIが25を超えるあたりから代謝異常や生活習慣病などのリスクが高まることが分かっており、この場合は医学的な治療が必要となることもあります。この肥満に対する治療を行っているのが「肥満外来」です。では肥満外来とはどのような場所なのでしょうか?
一般的にはBMIの指標が用いられることが多く、
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}
で求めることができます。
この計算で求められた数値のうち、日本では25以上になる場合が肥満となります。BMIが25を超えるあたりから代謝異常や生活習慣病などのリスクが高まることが分かっており、この場合は医学的な治療が必要となることもあります。この肥満に対する治療を行っているのが「肥満外来」です。では肥満外来とはどのような場所なのでしょうか?
肥満外来とは
肥満外来とは肥満によって身体に生じるさまざまな症状で困っている人が受診する外来です。主な症状としては、肥満による糖代謝障害や脂質異常症、高血圧、腰痛、関節痛などがあげられます。上にもあげたように肥満とはBMIが25以上の人のことを指すため、一般的にBMIが25を下回る人は対象外となります。そのため肥満外来を受診する際は、一度自分のBMIを計算してみて、肥満度を把握してみましょう。
肥満外来の治療って?
肥満外来での治療としては肥満度やどの程度健康状態に影響が出ているかなど、医師による総合的な判断で行われ、主に以下の4つがあげられます。
食事療法
肥満の原因となる1つには、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることで脂肪として蓄えられることがあげられます。そのため摂取エネルギー量をコントロールして体脂肪を減らすことを目的とします。
そのためには主食・主菜・副菜をバランスよく摂り、脂質や糖質を控えて食物繊維やタンパク質の多い食事を心がけます。また最初から極端に摂取量を減らしすぎるとリバウンドの原因となることもあるため、しっかりと医師と相談して、摂取カロリーを守るようにしましょう。
そのためには主食・主菜・副菜をバランスよく摂り、脂質や糖質を控えて食物繊維やタンパク質の多い食事を心がけます。また最初から極端に摂取量を減らしすぎるとリバウンドの原因となることもあるため、しっかりと医師と相談して、摂取カロリーを守るようにしましょう。
運動療法
運動療法としては有酸素運動が効果的です。具体的にはウォーキングや水中運動などを20分以上行うと効果的です。また、筋トレも効果的です。筋トレによって筋肉をつけることで、基礎代謝量が上がり、痩せやすくなります。ただし運動も急にストイックに始めると、関節や内臓に負担がかかる場合があります。まずは慣らす程度から始め、慣れてきたら徐々に時間を長くしたり運動強度をあげるようにしましょう。
投薬療法
投薬療法では、脂肪の吸収を抑える薬や食欲を抑える薬などが処方されます。ただし投薬療法は必ずしも受診者全員が行えるわけではなく、医師の判断で高度肥満で身体への影響が大きい人に限られます。
手術
手術では脂肪吸引や脂肪溶解注射などを行うことで、直接的に脂肪を減らすことを目的に行われます。これらの手術は病院ではほとんど行っておらず、美容外科やクリニックなどで行っていることが多いようです。
肥満外来で使用する薬
肥満外来で用いられる薬は主に次の2種類となります。
サノレックス
満腹中枢を刺激し、食欲を抑える働きがあります。そのためこの薬を飲むだけで痩せるわけではないので、薬を使用するほかにきちんと食事療法や運動療法を併せて行う必要があります。
ゼニカル
脂肪の吸収を抑制し、排出するはたらきがあります。そのため無理な食事制限をしなくても痩せる効果があります。ただし副作用として下痢になりやすいことがあるので、用法用量をきちんと守って内服しましょう。
肥満外来の費用
費用としては個人差や病院によっても異なるため一概には言えず、また保険適応になるかならないかでもかなり違ってきます。
一般的に、まずは心電図や血液検査などの検査を行い、その後個人に合わせた肥満改善プログラムが組まれます。このプログラムは期間やフォローの頻度なども個人や病院によっても異なります。
薬物療法を行う場合、1月に1万円以上はかかるようです。ただし高度肥満で保険が適応された場合はもっと安く済むこともあります。
手術の場合はすべて自費となります。多くはクリニックで行っており、手術をする部位や範囲などによっても料金は異なります。
一般的に、まずは心電図や血液検査などの検査を行い、その後個人に合わせた肥満改善プログラムが組まれます。このプログラムは期間やフォローの頻度なども個人や病院によっても異なります。
薬物療法を行う場合、1月に1万円以上はかかるようです。ただし高度肥満で保険が適応された場合はもっと安く済むこともあります。
手術の場合はすべて自費となります。多くはクリニックで行っており、手術をする部位や範囲などによっても料金は異なります。
肥満外来の保険適用の条件
肥満外来で保険が適応されるには条件があります。保険が適応になるためには肥満自体が健康状態に悪影響を及ぼしている場合に適応になるため、高度肥満と呼ばれる方が対象となります。高度肥満とはBMIが35以上になる場合を指します。
また、この高度肥満により身体的に様々な症状が現れ、医療行為が必要と判断された場合、肥満外来にて保険適応とされることが多いようです。
主な条件としては以下の通りです。
・BMI35以上の高度肥満
・高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病
・肥満によるいびきや睡眠時無呼吸症候群
・肥満による腰痛や関節痛
・その他肥満が原因とされる障害
ただし上記に当てはまるからといって、必ずしも保険適応になるとは限らず、最終的には医師の判断による場合が多いようです。
また、この高度肥満により身体的に様々な症状が現れ、医療行為が必要と判断された場合、肥満外来にて保険適応とされることが多いようです。
主な条件としては以下の通りです。
・BMI35以上の高度肥満
・高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病
・肥満によるいびきや睡眠時無呼吸症候群
・肥満による腰痛や関節痛
・その他肥満が原因とされる障害
ただし上記に当てはまるからといって、必ずしも保険適応になるとは限らず、最終的には医師の判断による場合が多いようです。
おわりに
肥満は身体に様々な影響を及ぼします。BMIの数値が高くなるほどそれは顕著になります。肥満で悩んでいる人がいたら、ぜひ一度肥満外来を訪ねてみてはいかがでしょうか?まずは食事療法や運動療法など生活の一部に取り入れることで、改善されることも多く見られます。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会