疲れ目からくる症状

スマホやパソコンで疲れ目に

昨今、仕事でもプライベートでも、スマホやパソコンなどとにらめっこする生活が、当たり前になってきました。
まばたきもせずに画面に没頭することが大半なので、目の疲れを訴える方も増えてきています。
景色のピントが合わせづらくなったり、目がしょぼしょぼしたり、ドライアイになったりと、症状も様々です。

めまい、吐き気、頭痛につながる

こういった諸症状を長期間放置してしまうと、人によってはめまいや吐き気、頭痛にもつながり、ひいてはそのストレスにより本来であれば回避できていた病気にかかることも考えられます。

疲れ目と頭痛の原因

首・肩こりによる血流悪化

疲れ目と頭痛が起こる原因の一つに、首や肩のこりがあげられます。
目の疲れを訴える方の首を触ってみると、皆さん一律に硬く、首の後ろ側は見た目にもわかるほど細くなっています。

筋肉はゴムのようだとよく例えられます。しばらく使っていない輪ゴムを伸ばそうとすると、硬くなっていて、すぐにちぎれてしまうように、筋肉も使わないと、硬くなってダメージを受けやすくなります。
首や肩の筋肉も、スマホやパソコン操作だけではほとんど動かされず、弾力をなくして血流が滞ってしまいます。
首や肩の筋肉がこって血流が悪くなると、疲労物質や栄養分を含んだ血液が、肩や首で停滞して「ダム」のようになります。
こうなると、目や頭部はリフレッシュできなくなってしまいます。

女性ならではの疲れ目・頭痛の原因

頭痛持ちの方は男性はもちろんですが、女性にも頭痛は多いです。
筋肉の量も関係していると考えられますが、女性ならではの理由もあります。

例えば、生理などもその一つです。
女性のバイオリズムにより様々な症状が現れますが個人差があります。
体の状態も不安定になる時なので、頭痛が見れれることも珍しくありません。

疲れ目の方は姿勢を固定したままの状態で画面操作をする時間が長いため、腰も硬直している場合が多いです。腰を含めた上半身が硬くなると、身体の血の巡りが悪くなり、冷えにもつながります。
細い血管が密集する目に栄養や水分が届くように冷えの改善をするようにしましょう。

また、目のピントを合わせる筋肉を長時間固定するわけですから、景色がぼやけるとしたら、それは眼筋が弾力を失いつつあるのかもしれません。

疲れ目と頭痛の予防・対処法

前述したように、目の疲れと頭痛は全身のコリの延長線上にあります。
ここでは、普段の生活の中でできる、疲れ目と頭痛の予防・対策をご紹介します。

10分おきにピントを外す

スマホ、パソコン、タブレットなどの画面から10分おきにピントを外しましょう。
仕事中だけでなく、普段から実践していると、景色を捉えるのが楽になり、運転していても視野が広がります。
また、集中し過ぎて煮詰まってしまうことがあると思いますが、特に視線を上側に持っていくとアイディアが閃きやすくなる効果も期待できます。

頭と顔をマッサージ

2つめは頭部のマッサージです。こめかみをゆっくりとマッサージしたり、頭皮とアゴの周辺を押したりしましょう。

【頭のマッサージ】
①右手で握りこぶしを作り親指は外に出しておきます。
②親指以外の4本の指の第一関節の節を頭皮に当て、右手のこぶしの上に左手を被せ、気持ちいい程度の力で頭皮をまんべんなく押します。
③頭の後ろ側、首と頭のキワを両方の親指で押します。(ここにはイメージや視界の映像化に使われる脳があります)

【顔のマッサージ】
①耳とアゴの境から首の側面を通って鎖骨辺りまで、中3本の指を優しく当て、上から下へ押していきます。
②下アゴのラインに沿い、アゴの内側を親指で押していきます。

これらのマッサージは、回数を気にせず、疲れていると感じた時に行ってみてください。
パソコンやスマホを多用する方は、アゴが前に出た状態が続くため、アゴと首がこりやすいなっています。こりが悪化すると、耳の辺りにまで及んで頭痛を起こすこともあります。

おわりに

疲れ目やそれに伴う頭痛の症状、原因、対処法などについて解説しました。
頭痛を薬で緩和しても、体のこりの仕組みを解決しない事には、なかなか根本的な改善につながりません。普段から同じ姿勢をしていることが多かったり、スマホやパソコンなどを長時間使う方には、特に注意が必要です。

積極的に身体や目を動かしたり、マッサージをしたりして予防・改善をしてみてください。
体の柔軟性は何歳からでも取り戻せます。日常を見直し、少しでも痛みのない生活を送りたいものてす。

頭痛には重篤な症状を及ぼすことも少なくありません。
自己判断をせず症状が気になる場合は医師の診察を受けるようにしましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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