はじめに

最近、姿勢の悪いこども達よく見かけませんか?

またはうちの子姿勢悪いんだけど大丈夫なのかしら?
と心配なお母さんはいませんか?

「こどもは若いから大丈夫!」

「こどもは身体が柔らかいから大丈夫!」

などの声がよく聞かれますが、本当にそうなのでしょうか?

ここでは、こどもの解剖学的特徴と成長特性を説明して行きたいと思います。

「こどもの骨格とその特徴」

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骨の成長は「軟骨」から始まります。
軟骨部分が大きくなったり、長さが伸びたりして大きく頑丈な骨に変化して行きます。

ここで焼鳥のナンコツを思い出してみて下さい。
通常の骨よりも柔らかく、弾力がありますよね?

"こどもの身体は成長の途中なので大人と比べ、硬い骨よりも柔らかい軟骨が多いのが特徴です。
その解剖学的特徴から『同じ姿勢を続ける』『同じ部分に負荷がかかる』ということに不向きです。

「こどもは成長過程で身体が硬くなる」

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こどもの成長過程の中で特徴的なことがあります。
それは、骨と筋肉の成長速度に差があるということです。

おおむね成長のピークは12~14歳ですが、それぞれのピークには最大1年ほどのズレがあります。
特徴としては、筋肉に比べて骨の方が早く成長します。

そのため、『長い骨に短い筋肉が付いている時期』がどうしても発生してしまいます。

ですので、日常的に筋肉が引き延ばされ硬くなりやすい状態にあります。

そのような状態で、猫背などの悪い姿勢をしていると負担がかかり易く、余計に筋肉が硬くなり骨格や関節に負担がかかると考えられます。

「スマホなどの影響」

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近年、スマートフォンやタブレットなどのデバイスが普及し、気軽にネットやアプリを使えるようになりました。

こども達を含め、多くの人たちのコミュニケーション方法が変化し、スマートフォンなどを見る時間が大幅に増えました。

こども達も、小さい頃からスマホを使用することが増えています。
その時に、猫背などの悪い姿勢のままゲームをしたり動画を見ることが日常的になっています。

すでに前述した様に、こどもはその骨格の柔らかさから、同一姿勢の維持に不向きな構造です。
それが長時間ともなればなおさらです。

整形外科に勤務していた時に、経験したことがあります。
それは、中学生・高校生の年代でも、誘因の無い腰痛や、肩こりがとても多かったということです。
体を診ていくとその全てで極端な猫背がみられました。

時代の変化と共に、幼少期の過ごし方や遊び方が変化しています。
身体を動かすことはとても大切です。
近年、体を動かすことが減ったことにより、小学生年代の体力低下や運動能力低下が起こったのではないか?と考えられます。

「外遊びや運動が大切」

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幼少期の外遊びや運動は、身体の成長にとても大切です。

筋肉や関節、そして神経系や循環器など様々な身体機能の成長にも運動はかかせません。

人間は"外からの刺激"が無ければ成長しません。
身体をたくさん使って遊ぶからこそ強く成長するのです。

猫背そのものがすぐに悪影響を及ぼすわけではありません。
しかし、長時間になるとこども達の身体にとってはそれなりの負担がかかります。

今日からでもこどもの姿勢をよく観察してみてください。
運動する時間がもし足らないのであれば、遊べる時間を設けるようにしてください。

まとめ

こどもの解剖学的特徴や、スマートフォンや生活環境などの因子についてお伝えしました。
人間も動物の一種と考えれば、"動く物"なので、同じ格好でいるよりも身体を動かした方が健康的です。

親子でそろってラジオ体操などいかがでしょうか?

運動不足の解消をしながら、こどもと親の信頼関係構築もできるかもしれません。
そして姿勢も良くなればより良い成長が見込めます。
ぜひ今から初めてみましょう。

プロフィール

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堀口 修治さん
はじめまして、小児脳性まひ・肢体不自由児専門の訪問マッサージ治療院を営んでいます。
クラシカルオステオパシーを中心とした穏やかな治療を行っています。
主な患者さまは小児、術後疼痛の方が対象です。

資格 柔道整復師・鍼灸あん摩マッサージ指圧師

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