はじめに

皆さんタバコを吸う習慣はありますか?
ここ十年間では喫煙率が減少傾向にありますが、それでも現在男性の約三割、女性の約一割ほどがタバコを吸っているというデータがあります。
 
よく言われているように、タバコには発がん作用があるので、自分のため、あるいは家族のためになんとかして止めたいと考えている方も居るかと思います。そんなときに活用されるのが禁煙薬というものです。

では一体禁煙薬とはどのようなものなのか、詳しくみていきましょう。

禁煙薬とは

禁煙薬とはその名の通り、禁煙のために用いる薬のことで、含まれる成分によって禁煙しやすいよう補助してくれる作用があります。

そもそもタバコが何故止めにくいかと言うと、依存性の強いニコチンという物質が含まれているからだといわれています。このニコチンという成分は、とても強い依存性があることが知られており、その依存性は、いわゆる麻薬とよばれるヘロインやコカインよりも強いものとなっています。
 
これにより、タバコを吸っていない間はニコチン不足でイライラし、タバコを吸ってニコチンが補給されるとスッキリした感じがするようになり、常にタバコを吸いたいという欲求が生じるようになります。
このことが、タバコをやめられなくしている大きな要因となっているのです。

禁煙薬には、このニコチンへの依存をどうにかしてコントロールするための成分が含まれており、それによって禁煙がズムーズに行くようサポートしているのです。

禁煙薬の種類

禁煙薬はその成分や作用の仕方によって、ニコチンパッチ、ニコチンガム、ニコチンを含まない飲み薬の3種類に分類することが出来ます。

ニコチンパッチ

ひとつめは、禁煙薬としても有名なニコチンパッチです。
ニコチンパッチでは、ニコチンを含むパッチを肌に貼り、そこから直接ニコチンを吸収させることで、ニコチンへの欲求、ひいてはタバコへの欲求を抑える働きをします。
だいたい一日一回、腕、おなか、背中などに貼ることで効き目があり、医師に処方してもらうものと、薬局で買えるものとがあります。

ニコチンガム

ニコチンガムはニコチンパッチと同様ニコチンを含んでいますが、ガムとして噛むことが出来るので口寂しさを和らげる作用に期待できます。パッチと違うのはタバコを吸いたくなったタイミングで使用するというところで、徐々にガムの使用回数を減らしていくことが目的となります。

飲み薬

最後はニコチンを含んでいない飲み薬ですが、この薬にはニコチンの作用を抑えながらも、ドパミンという脳内物質を少量分泌させる作用があります。

ドパミンは快楽を感じさせる神経系と関係があるため、ニコチン切れから来るイライラ感を抑えてくれる効果があるのです。また、ニコチンの作用を抑えるため、タバコを吸っていても美味しいと感じにくくさせます。医師の処方が必要で、禁煙治療と並行して用いられることが多い薬となっています。

禁煙薬の副作用

続いて禁煙薬の副作用についてもみていきましょう。

ニコチンパッチ

まずはニコチンパッチですが、皮膚に直接貼るので肌が弱い人などはかぶれる可能性が有ります。また、ニコチンには覚醒作用があるため、場合によっては寝付きにくいといった症状が現れることもあるようです。
他に注意すべき点として、一度に何枚も使用することや、タバコ、ニコチンガムとの併用は、血中のニコチン濃度が上がりすぎて心臓に強い負荷がかかってしまうため絶対に避けるようにしなければなりません。

ニコチンガム

ニコチンガムの場合、急いでかんだ場合などにニコチンによって吐き気や胸焼けなどを起こすことがあるので、ゆっくりと時間をかけて噛むようにした方がよいでしょう。
また、一度にあまり何個も噛むようだと、今度はニコチンガムに依存するようになったり、ニコチンパッチと同様心臓への負荷がかかるようになってしまうので、きちんと薬の説明を読んで一日の使用目安を超えないようにしなくてはなりません。

飲み薬

ニコチンを含んでいない飲み薬の場合、吐き気、便秘、頭痛などの他に変わった夢をみたり、眠れなくなったりする副作用が出ることがあるようです。
また重いものでは、気分の落ち込みやめまい、強い眠気があらわれたことがあるという報告もあり、車の運転などは控えなくてはなりません。

いずれの副作用でも、少しでも変だな、と感じたらすぐ医師に相談するようにしてください。

禁煙薬でたばこはやめられるか

禁煙薬を用いることで確かに禁煙はしやすくなりますが、その効果は万能とは程遠いため、過信するのは禁物です。 
とあるデータによれば、一回だけ病院にかかり後は薬だけで禁煙しようとした場合、成功率はわずか6.5%であったそうです。一方きちんと病院にかかり続けながら薬を用いた場合では、約50%の人が禁煙に成功しており、継続的な受診の大切さを物語っています。

もちろん禁煙薬は有効な手段ですが、あわせて医師のカウンセリングや薬のコントロールも大切になってきますので、思い切って禁煙外来にかかるのもおすすめです。

おわりに

タバコは健康への害が大きく、どうにかして禁煙したいと考えている人も多いかと思います。とはいえタバコの依存性は非常に強く、自分の意思だけでやめようとするのは非常に難しいものです。

そういったときに禁煙をしやすくしてくれるのが禁煙薬ですので、上手に正しく活用して禁煙を目指していきましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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著者

ケアくるLINE@