(23636)

ボブサップさんのご経歴を教えてください

私は、小さな頃から色々なスポーツをやっていましたが、アメフトが一番好きで10歳からアメリカンフットボールを始めました。
高校時で既に体重115kgという大柄な体型に恵まれ、高校のアメリカンフットボールで殿堂入りもしました。17歳でワシントン州シアトルにあるワシントン大学にアメリカンフットボールの奨学生として入学し、オフェンスのラインとして活躍しました。その活躍により、1997年1月のシニアボウルのメンバーにも選ばれました。

そこから、NFLのシカゴ・ベアーズにドラフト3巡(全体69位)で指名されて入団するも度重なる故障に見舞われ、その後は、いくつか他のチームを転々としました。残念ながら、痛めた両足のアキレス腱も完全回復に至らず、負傷前の実力を取り戻せなかったため、2000年に現役続行を断念しました。

その後、プロレスの世界に入り、アメリカのプロレス団体であるWCWがあるジョージア州のアトランタに行きました。残念ながら、数試合の出場のみでプロレス団体のWCWが倒産してしまいましたが、この経験があったことで2002年、格闘家としてPRIDE、K-1に参戦することができました。

1番視聴者数が多かった格闘技の試合として記録に残っているのが、2003年の曙vsボブサップの試合で、日本だけでも5400万人の人が試合を見たと言われており、非常に大きな話題となりました。それ以外にも、自分の母校であるワシントン大学の試合で、1万2000人が集まってワシントン州の記録となったこともあります。

アスリートの話ではないですが、2006年に「ロンゲストヤード」というアメリカンフットボールの映画にも出演し、K−1の後は、アスリート以外の活動もしてきました。

現在はどのような活動をされていますか?

 (23638)

残念ながら、今はK—1などで活躍していた時のように、スポットライトが当たる場所にはあまりいません。
最近、私はグアテマラに引っ越ししたのですが、家をゴミとタイヤから作ったり、電気をメタンガスや太陽光発電から作ったり、水は雨水を再利用したりといったロハスな生活をしています。現在は、このような生活スタイルということもあり、ほぼ生活費0円で暮らしています。

グアテマラでは、このような生活を学ぶインターンシップのようなものがあり、私はそこで学び、実際にそれを実践した生活をしています。また、グアテマラではライオンと一緒に暮らしているのですが、ライオンを育てるお金については、地元の方々のご厚意もあり寄付金が集まり、そのお金で育てさせてもらっています。

最近では、ウガンダで水をろ過する装置を売っている会社を買い、その装置を8000人の子供達にプレゼントしたり、空いた時間はライオンと戯れたり、勉強をしたり、運動したりと自分の好きなことに時間を使っています。

ボブサップさんが食事や栄養管理など健康面で普段気をつけていることはありますか?

 (23641)

スポーツをする人たちにとって適切な食事をとることは、競技パフォーマンスの向上や、日々のコンディション、ケガの予防のためにはとても大切です。
1つの栄養素ばかりを取りすぎても良くないので、スポーツをしていた時は特に、体を動かすエネルギー源となる様々な栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂取することを心がけていました。

栄養素は、筋肉や骨・血液・ホルモンなどの体の各組織を作り出していきます。スポーツをしている人は、それぞれの栄養素をバランスよく摂取した上で、各競技の特性に合わせた食事をとると良いかもしれません。

さらに、スポーツをしている人は一般の人と比べて活動量が多く、多くの栄養素を摂取する必要があります。毎日食事から十分に栄養をとれるのが理想ですが、遠征などもあると毎食のようにバランスのよい食事をとるのが難しいときもあるかもしれません。そんなときに補助として、ビタミンやカルシウムなどのサプリメントを活用してみるのも良いでしょう。

私は、歳をとってきたこともあり、以前より食事は特に気を使ってするようになりました。今は、以前よりも塩分と脂質を取らないように気をつけています。あとは、体重も重くなりすぎないように170キロから155キロまで落としました。

食事以外では、健康な体を維持するためにも、冬でも暖かいシャワーやお風呂の後は、冷たいシャワーまたは冷たいお風呂に入るようにしています。これにより、血流がよくなったり、免疫力が上がったり、リラックス効果を感じることができるからです。

ボブサップさんが行なっている筋トレ方法があれば教えて下さい

 (23637)

私が行なっているトレーニング方法として、グラジュアリズムトレーニングを行なっています。

グラジュアリズムトレーニングとは、例えば今日20回腕立てをしたら、次の日は1回足して21回腕立てを行うというトレーニング方法になります。
このトレーニングの特徴は、回数を毎日徐々に増やしていき、負荷を上げていく中で50回とか60回といった肉体的または心理的に負荷の限界がきたら、再度少ない回数に戻すということです。
ただし、少ない回数に戻す際は最初の回数の20回ではなく、例えば23回からはじめるようにしましょう。こうすることで、少なくとも20回からはじめたときより成長していることを実感でき、継続していく大きなモチベーションとなります。

あと、グラジュアリズムトレーニングで大事なのは、バランスよく鍛えることが大切です。一箇所の部位だけ鍛えると全身のバランスが崩れてケガをしやすくなったり、パフォーマンスが低下したりしてしまいます。例えばですが、上半身を鍛えたら下半身、右側を鍛えたら左側、カラダの前面部を鍛えたら後面部、押す動作を鍛えたら引く動作、曲げる動作を鍛えたら伸ばす動作と言ったように、全体のバランスを考えてトレーニングするようにすると良いでしょう。

あくまで一例ですが、グラジュアリズムトレーニングの方法でスクワットをやるときは、雑誌を頭に乗せてスクワットを行います。ゆっくりバランスをとりながら、1回から初めて、徐々に5回、30回とふやしていきます。バランスをとりながら行うと意識して行うことで、より効果的な成果を生みだせるかと思います。
ただし、トレーニングを行うときは、年齢、性別、体力水準は人によってかなりバラツキがあるので、個々人に適したトレーニング方法と強度を見極めてトレーニングするようにしましょう。

健康な体を手に入れるために努力している方にメッセージをお願いします

 (22159)

健康な体をすぐに手に入れることは、非常に難しいかと思います。また、健康な体を手に入れるまでの過程は非常に苦しく、大変かと思います。
ただし、苦しい、大変という心の問題を取り除くことができれば継続して体をきちんと鍛えることもできるし、自分が望む健康な体を手に入れることができるのではないかと思っています。

私は、何を行うにも気持ちが大事だと思っているので、ネガティブな感情を取り除くことで、楽しみながら自分が望む健康な体を手に入れ、楽しい人生を送れると信じています。

今、健康や望む体になろうと努力している方は、常にチャレンジ精神をもって人生に挑んで欲しいと思っていますし、私自身も引き続きポジティブな感情で努力していきますので、一緒に頑張りましょう。

新しい格闘団体を開いたり、グアテマラとウガンダでもいろいろと活動をしていくので、今後も、私(ボブサップ)のことをみていてください。最後に一言、「ビーストがまたやってくるから気をつけな!」

インタビュアー

▶西村 紗也香 Nishimura Sayaka 1989/10/14 168cm 47kg 体脂肪率13%
▶Instagram @_sayakanishimura_
▶2016ミス・ユニバースジャパン第4位(高知代表)
▶現在は自らのボディメイクや食事管理の経験を元に、都内のスタジオにてビューティーダイエットトレーナーとして、ダイエット指導クラスを開催。

関連する記事

関連するキーワード

著者