はじめに

誰もが一度は耳にしたことがある。
もしくは、経験したことがあるかもしれない、

飲み屋さんや友人宅、野外でのパーティなど、
いわゆる『外』でお酒を飲むと『なぜか、酔わない!』と、いう経験。

一般的には気を張るからなんて言われることが多いですが、
これってなんで?本当にそれだけが理由なの?

そこで今回はそんな疑問を解決すべく、
東洋医学的に考えてみました。

一度聞くと、なるほどなるほど
な、東洋医学のお話。

みなさんもきっとお友達に話したくなりますよ。

そもそも酔っぱらうってどういうこと?

まずは『酔っぱらう』について考えてみましょう。
現代医学的な解釈をすると、いわゆる酔っぱらっているという状態は

アルコールを摂取することで、血液の中のアルコール濃度が上昇し
脳が正常に働かなくなることを指します。
(因みに、『酔っぱらう』は爽快期から昏睡期までの6段階に分かれています)


出てくる症状としては、

赤面する、饒舌になる、声が大きくなる、判断がにぶる、
手の動きが活発になる、脈が早くなる、ふらつく、記憶があいまいになる。

などなど、酔っぱらうと様々な様相を呈します。
これがいわゆる『酔っぱらう』ですね。

ではでは今度はこれを東洋医学的に解釈していきましょう。

まず、東洋医学でいうアルコールの性質は『湿』と『熱』
つまり、本来カラダにあるべきではない『湿気』と『熱量』が
入ってくる。

こんなイメージです。
(詳しくはこちら https://media.carecle.com/articles/fiMTR の記事をどうぞ)

この2つの性質がカラダに影響を与えて起こる変化が
東洋医学で考える『酔っぱらう』となるわけです。

『湿』は重だるさや、動きづらさなど、『停滞』のイメージ
『熱』は動きの活発化や、体温の上昇など『過活動』のイメージ

このイメージの差からわかる通り、
お酒飲んですぐに起こる変化のほとんどは『熱』が原因。

東洋医学の『酔っぱらう』はこんな風に考えるわけです。

東洋医学の『酔っぱらう』って?

さてさて、カラダに『熱』が入っておこる変化が
東洋医学で考える『酔っぱらう』とご説明させて頂きましたが、

実際にはどういうことでしょう。

まず、カラダに入るお酒は『胃』に入ります。
東洋医学では『胃熱』という言葉があり、
胃に熱がこもってしまっている状態を指します。

この状態になりますと、
『暴食になり、皿まで食う』なんて表現をされる先生もいらっしゃるくらい。

お酒を飲んだ時、ついつい食べ過ぎちゃう!
は一次的にこの胃に熱が貯まった状態になっているからなんです。

そして、その熱は熱の性質そのままに
上へ上へ昇って行くことで心拍が増えたり、赤面したり
といった、上半身の変化が出てくるわけです。

先ほどもお話しさせて頂いた通り、『熱』のイメージは『過活動』
つまり、この昇ってきた熱が頭までたどりついてしまうと、

その『過活動』の性質によって脳が正常に働かなくなる(一種の暴走)わけです。
はい、お待たせいたしました。ここで酔っ払いの出来上がりです。

酔っ払いさんの酔っ払い行動は

赤面する→お顔に『熱』が至った結果。
饒舌になる→熱の『過活動』の性質によって『話す』という行為が過活動に。
声が大きくなる→発声という働きが『熱』の性質でパワーアップ。

判断がにぶる→頭まで『熱』が至った結果、頭が普段と違う働きをしてしまう。
手の動きが活発になる→手には『胃』と関わりの深い経絡があるため、働き活発化。
脈が早くなる→胸にこもった『熱』が心の働きを過活動化。

ふらつく→相対的に上に『熱』が集まり、下半身とのバランスに不和が起こる。
記憶があいまいになる→昇り過ぎた熱でオーバーヒート。

などなど、全部説明できてしまうわけです。
こう考えると、昔の人って本当に良く人を観察してたんだなぁ。
と感心しきり。

やっぱり東洋医学って面白いですよね。

外で飲むと酔わないの答えはコレ!

ここまで、東洋医学で考える『酔っぱらう』
についてお話ししてきましたが、いよいよ本題!

『私、外で飲むと酔っぱらわないんだよね』
の正体でございます。

この答えは簡単!
『酔っぱらう』が何かわかったのですから、
『酔っぱらわない』が何かを考えればいいのです。

カラダにこもった『熱』が酔っ払いの原因なら
この『熱』をカラダから出してしまえばいい。

じゃー、どぉすればカラダから『熱』を出せるの?
となるわけですが、

この方法、実はもう全部出尽くしてるんです。
ここで今一度、酔っ払い行動を思い出してみて下さい。

赤面する→お顔の毛細血管を拡張させて放熱

饒舌になる→話すことで『胃』にこもった熱を発散
(冬場、手に『ハーッ』とやると温かいですよね。呼気は多くの熱を含んでいるんです)

手の動きが活発になる→『胃』に入った熱が一番熱を逃がす経絡(カラダの中のエネルギーの通り道)を陽明経[ヨウメイケイ]と言います。これは手足をアクティブに動かすための経絡なので、手の動きが活発になるということは、それだけ沢山の『熱』を手に逃がしているということになるわけです。

ほら、この通りこれらの行動って全部お酒を飲んだ時、
カラダにたまった『熱』を外に逃がすための行為なんですよ。

こと特に『話す』は『胃』に入った熱をダイレクトに取り除いてくれるので、
効果絶大!!

みなさん思い出して下さい、外で飲むお酒って、
家で一人で飲んでる時と違って、
ちょっと大きな声で、お話しを沢山してるでしょ?

つまり、外で飲むお酒は
酔ってはいるけど、その分発散してるんです。

なので、結果として
『私、外で飲むと酔わないんですよね』が出来上がるわけです。

こう考えると、楽しいお酒は酔わない。もおんなじ理屈!
しんみり飲むと酔いが回る。
や、家で一人で飲むと酔うのが早い。なんてのも説明出来ちゃいますね。

さらにさらに、飲んだ後の定番『カラオケに行きたい!』も
スナックにカラオケがつきものなのも、みんな納得!

私たちが日ごろ何も考えずに行っているカラダの作用や何気ない行動って
東洋医学的に考えるとみんなちゃんと意味があって行われてるんですよね。

ただの酔っ払い行動だと思ってた行動も
これってみんな理由があってやってる行動だったわけですね。

これこそ、外で飲むと酔っぱらわないの答えの一つだったわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
お酒を飲んだ際におこるカラダの変化も一個一個考えて行くと

それぞれちゃんと原因や意味があるわけです。

外で仲間と楽しく飲むお酒で酔っぱらわない理由はこんなとこにあったわけですね。

これから会食、飲み会の増えてくる季節。
みなさん、どうぞ楽しいお酒で盛大に盛り上がって、

今日よりちょっと素敵な明日を迎えましょう!

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