背中にお肉がつく原因

脂肪の種類

身体に蓄積する脂肪には、主に『内臓脂肪』と『皮下脂肪』があります。
皮下脂肪は字のごとく皮膚の下に蓄積し、指でつまめて見た目の上でもわかりやすい脂肪です。俗に「背中のお肉」と言われるのがこの皮下脂肪です。
一方、内臓脂肪は皮膚の内側の内臓に蓄積した脂肪です。そのため、見た目に脂肪の蓄積がわかりにくく、内臓のCTスキャンやMRIなどを撮影した際に判明することが多いと思います。

内臓脂肪は主に男性に蓄積しやすいと言われており、本来は飢餓のために蓄えられ、内臓の保温などの効果もあります。
女性の場合は、妊娠中に内臓に脂肪があると邪魔になるため、内臓脂肪ではなく皮下脂肪が蓄積する傾向にあります。

皮下脂肪がつく原因

皮下脂肪はお尻、お腹などに蓄積しやすいとはいえ、どこか特別な部位に著明な脂肪が蓄積するわけでなく、身体全体に蓄積します。つまり、背中のお肉が気になるという方は、お尻や太もも、お腹など、そのほかの部分にも、皮下脂肪がついていることが多いです。

背中だけにとどまらず、全身に皮下脂肪がついてしまう原因には、以下の3つがあげられます。

・加齢
・基礎代謝の低下
・脂質、糖質の多い食事

ダンベルを使った背中の筋トレ

背中の筋トレを行うことで、細胞を活発にする『成長ホルモン』の分泌を促したり、活動エネルギーを生み出す『ミトコンドリア』を増やしたりすることができます。
そのため、筋トレは脂肪がつく原因の1つである加齢対策になります。
特に、ミトコンドリアを増やすのに適したのが、以下でご紹介する背中の筋トレです。
また、筋肉がついてくれば、おのずと基礎代謝が上がるため、原因の2つめである基礎代謝の低下を防ぐことができます。
ダンベルを使った背中の筋トレを行い、背中のお肉だけでなく、全身の皮下脂肪の撃退につなげましょう。

1. ワンハンドローイング

『広背筋』という背中に広がる大きな筋肉をターゲットにした筋トレです。背骨の周りにある『脊柱起立筋群』の収縮も必要とするため、腰から脇までの広い範囲で脂肪を撃退してくれます。
ワンハンドダンベルローイングの最大のメリットは、片手で行うことにより広い動作範囲がとれることです。スタイルを良く見せる、逆三角形やVシェイプの身体に近づくことができます。

【方法】
① 片膝と片手をベンチにつき、腰が反り過ぎない程度に背筋を伸ばし、片方だけ四つん這いのような姿勢で構えます。
② ベンチについていない方の手に順手でダンベルを持ち、ダンベルの重さに筋肉が引っ張られているのを感じながら腕を下に垂らし、ダンベルを持つ手の親指を頭側に向けます。(スタート姿勢)
③ 前を見て背中を丸めないようにしながら、肘をしっかりと後ろまで引いてダンベルを持ち上げます。
④ 肘の角度が90度になるくらいまで引き切ったら、肩甲骨を寄せて背筋群をより収縮させます。
⑤ 背筋群に力が入っているのを感じながら、ゆっくりと元の位置までダンベルを下ろします。

【ポイント】
ダンベルを下に下ろし切った時は背中が少し猫背になり、ダンベルを上げて、肘を引き切った時に、体幹のひねりが少し入るように行いましょう。そうすることで、しっかりとターゲットとする筋肉に刺激が入ります。

2. ベントオーバーローイング

ベントオーバーローイングでは、広背筋を鍛えることができます。それだけでなく、肩甲骨の下部と上腕をつなぐ『大円筋』に強く効かせるパターンと、首から肩に伸びる『僧帽筋』などに強く効かせるパターンがあります。
後者は背中の余分な脂肪を撃退するのはもちろん、男性にとっては背中の立体感を出してくれるため、後ろ姿ががっちりとして見える効果が期待できます。女性にとっては脂肪の少ないすっきりとした背中を作るのにつながります。
また、このトレーニングをすることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。

【方法】
① 立った状態でダンベルを順手で両手に持ち、親指が内側に向き合うようにします。
② 深くお辞儀をするように体幹を70~80度くらい前に曲げ、自然と腕を前に垂らします。(スタート姿勢)
③ 内側に向けた親指を外側に回すようにして親指を前に向けながら、両肘を体幹の後方に引きます。
④ 肘を引き切ったら、胸を最大限に張ります。
⑤ スタート姿勢にゆっくりと戻します。

3. ダンベルデッドリフト

デッドリフトでは、背中の全体の筋肉を刺激することができます。方法によって効果が出る場所が違いますが、今回は脊柱起立筋群と僧帽筋に効果が出やすいものをご紹介します。

【方法】
① 両足を肩幅に開いて立った状態から、膝関節と股関節を曲げ、体幹を前傾させます。
② 足の前に置いたダンベルを順手で持ち、親指が内側に向き合うようにします。(スタート姿勢)
③ 親指を内側から前に向けるようにダンベルを持った腕を外側に回しながら、膝関節と股関節を同時に伸ばしていきます。
④ 気を付けの姿勢まで身体を起こしたら、太ももを沿うようにゆっくりとスタート姿勢に戻します。

【ポイント】
手順③では、頭が天井から引っ張られるイメージで起き上がり、胸を張った姿勢を作りましょう。

背中の筋トレの頻度と負荷設定

背中の筋トレの頻度

背筋のような大きな筋肉のトレーニングでは、筋トレ後の負担が大きいため、筋トレの間隔を48時間以上は空けた方が良いと言われています。これは、筋トレで傷ついた筋肉が回復し、元の筋肉より大きくなるために、時間がかかるためです。つまり、週に2回程度の筋トレが望ましいです。
ただし、48時間以上経っても筋肉痛が取れない場合は、怪我につながる可能性があるので、筋トレを控えましょう。

背中の筋トレの負荷設定

筋トレの負荷は「重量×回数×セット数」で決まります。
トレーニングの負荷(ダンベルの重さ)は、10回で限界がくる重さに設定するのが理想です。
負荷を軽くして回数を多くしても、限界まで追い込めばある程度筋肉がつきますが、筋肉は慣れた刺激にすぐに順応してしまいます。こうなると、筋肉がつきにくくなるため、10回で限界がくる重量に設定すると良いでしょう。

筋トレは3セット以上行うのが望ましいです。筋肉の成長は、トレーニングで限界を超えた時に起こります。基本を3セットとし、筋肉に対する刺激が少ないと感じる時は、少しだけセット数を多めにすると良いでしょう。

インターバルは筋トレの対象筋肉の部位により違います。今回のように、比較的大きな背筋の筋肉を10回で限界に達するような重量で行った場合は、4分間のインターバルが理想的です。
低重量で回数を行う時は2~3分間でも良いと思われます。

おわりに

背中にお肉がついてしまう原因と、背中の脂肪を撃退する筋トレ、さらに筋トレの頻度や負荷について解説しました。

背中の脂肪は見た目にすぐにわかりやすく、スタイルや印象に大きく影響を与えます。
背中の筋肉にはミトコンドリアが多く、鍛えることで基礎代謝を上げやすくなるため、背中の筋トレは全身の脂肪対策にもつながります。
また、背中の筋肉を鍛えると、猫背の解消につながり、姿勢が改善されます。

少ない種目でも的確に行えば、このような大きなメリットがあるのが、背中の筋トレです。週に2回で良いので、ぜひ挑戦してみてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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