はじめに

唐辛子をはじめ、辛い食材を使った料理は食欲が湧いてくるの方も多いのでは?そう考えると、唐辛子入りの料理を食べると、逆に太りそう…という考えが出てくるかもしれません。でも大丈夫!最近の研究で唐辛子に含まれるカプサイシンが、肥満やダイエットをはじめ様々な効果をもつことが分かってきました。

カプサイシンとは?唐辛子の成分?

唐辛子の辛味や発汗作用の元になる成分が、カプサイシンというのは有名です。このカプサイシンは、カロテノイド(赤色、橙赤色、黄色の脂溶性色素成分)の一種で、唐辛子の果皮に含まれています。それが痛覚神経を刺激することで辛み成分として作用するのです。「脂溶性」の色素成分と書きましたが、その名の通り熱に強く、油に溶けるので油を使った料理に適しています。

カプサイシンの肥満予防の効果

まず、カプサイシンの効果として、次のようなものが挙げられます。
① 体温上昇による血行促進
② 冷え性改善
③ 肩こり改善
④ 疲労回復
⑤ 神経痛の軽減
⑥ 胃液分泌促進(消化を助ける)
⑦ 食欲増進
⑧ 殺菌作用
⑨ 脂肪の分解と燃焼

非常に多くの効能をもつカプサイシンですが、これらは全て交感神経を刺激してアドレナリンの分泌を高めることによる効能です。

そして、肥満予防に効果があるというのは、脂肪の分解と燃焼にカプサイシンが働きかけるからです。アドレナリンが体内の脂肪細胞に作用して貯蔵脂肪の分解と燃焼を促進し、エネルギー代謝を高めます。もちろん内臓脂肪にも働きかけるため、肥満の予防どころか改善も見込めます。

カプサイシンが含まれる食べ物

カプサイシンが含まれる食材としては、トウガラシ属にあたる食材があります。しかし、唐辛子と同じくトウガラシ属にあたるピーマンやシシトウガラシにはほとんどカプサイシンが含まれません。
唐辛子や唐辛子粉を含むキムチやカレー、唐辛子を漬け込んだラー油などの辛味調味料が身近な食べ物として挙げられます。

肥満予防に効果的なカプサイシンの摂取法

前述の通り、唐辛子は脂溶性の色素成分をもち、熱や油と相性が良いため炒め物や揚げ物、煮込み料理など加熱料理全般に適しています。熱や油で効能が落ちることはありません。辛いものが苦手な方は、調理の最後のほうに加えたほうが辛味が抑えられるのでおすすめです。

そして、どれくらい摂取したほうがよいのかですが、カプサイシンと肥満の関連についての研究は多くされているにも関わらず、効果のある適正量は明らかになっていません。目安として、1日に1回唐辛子5gや10gの摂取でエネルギー消費量(代謝)がアップしたという結果は多く発表されています。唐辛子1gに約3㎎のカプサイシンが含まれているので、20㎎前後のカプサイシンで効果が期待できる可能性があるということです。

カプサイシンを摂取するときの注意点

カプサイシンには適正量は設けられていませんが、致死量が研究で明らかになっています。体重1㎏あたり60~75㎎です。つまり、体重50㎏の人であれば3,000~3,750㎎のカプサイシンを一度に摂ると、命への危険があるということですが、この量を一度に摂るのは、おそらく不可能に近いと思われます。

しかし、最近はカプサイシン入りのサプリメントも多く販売されています。サプリメント1粒あたりのカプサイシンの量は1㎎にも満たないものがほとんですが、唐辛子でカプサイシンを摂るよりも簡単に摂取できてしまうので、十分に用量用法を守ることが大切です。

また、肥満に効果があるからと、辛い物が苦手な方が無理して摂取してしまうと、不快感、皮膚症状、胃腸の炎症を引き起こす可能性がありますので、十分注意してください。

肥満予防が期待できるその他の成分

・バナジウム

バナジウムは通常の食事で1日に6~18μg摂っており、その5%が体内に吸収されていると分かっています。脂肪燃焼を促進し、血糖、コレステロール、血圧などの低下作用が検証されていますが、人体にとっての必須成分ではありません。エビ、カニ、海藻類など海のものやキノコ類に多く含まれ、最近ではバナジウム入りの飲料水も販売されています。

・ギムネマ酸

インドや東南アジアに自生するギムネマ・シルベスタという植物の葉から抽出される糖成分ですが、砂糖の甘味を感じさせず食欲を減退させる作用があります。食事とともにギムネマ酸を摂ると、糖分の吸収が抑制され、肥満や糖尿病、虫歯予防に有効とされています。自生している地域では、葉そのものを噛んで使用しますが、日本では、ギムネマ酸を含む茶葉やサプリメントが多く販売されています。

・ファセオラミン

白インゲン豆に含まれる成分で、α‐アミラーゼ(デンプン消化酵素)の活性を抑制するため、糖質の吸収を抑えます。糖質にピンポイントで働きかけるため、ごはんやパン、麺類など糖質の多い食事の前にとることで、肥満予防効果が期待できます。

おわりに

カプサイシンをはじめ、肥満予防に効果のある成分が多く出回っていることがわかりました。ただ、全てに共通するのは、「その成分を摂取したときだけ効果がある」ということです。せっかく肥満予防のために血行を促進したり、太る成分の吸収を抑えたりしているので、それらにだけ頼らず、日頃から少しだけでも体を動かして、自分の体の代謝を上げる対策も一緒に始めると、一石二鳥かもしれません。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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著者

ケアくるLINE@