はじめに

オステオパシーという言葉を聞いた事がありますか?

オステオパシーを受ける事によって様々な症状や疾病の改善が出来るのです。

今回はオステオパシーについてご説明していきます。

オステオパシーとは

オステオパシーはアメリカ発祥の医療思想の1つで、カイロプラクティックよりも20年以上も前に確立された自然医学です。

オステオパシーはギリシャ語のOsteon(骨)、Pathos(病理、治療)を語源としています。

そしてオステオパシーは投薬等を行わずに効果が証明されている自然療法です。

骨の歪みのみを矯正する手技とは違って骨格等の運動器系の他に、血管やリンパといった循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経系等、解剖学や生理学等、広範囲の医学知識を元に施術を行っていきます。

またオステオパシーは哲学に則っています。

・身体全体を1つのユニットとして考える
・身体の機能と構造は一体のものと考える
・自然治癒力を鼓舞する事を主眼にする

この独自の医学体系がオステオパシーの特徴と言えます。

オステオパシーとカイロプラクティックの違い

オステオパシーとカイロプラクティックは骨格の歪みを正しい位置に調整する事や自然治癒力を高めて回復する事、手技治療を中心に施術する事は同じなので、何が違うか分からないという方も多いのではないでしょうか?

この2つの最大の違いはオステオパシーが筋肉を調整して自律的な骨格矯正を促す事に対し、カイロプラクティックは骨格の矯正に重点を置いている点です。

オステオパシーでは基本的に骨格の歪みが起こる原因は、骨格を支えている筋肉のバランスが悪いからと考えます。筋肉のバランスを均等にすると筋肉が正常な機能を取り戻し、骨格も正常な位置に戻るはずだという考えの元、施術が行われています。つまり、人間の持つ自然治癒力による治療が道理に適っているとされているのです。

またオステオパシーは身体全体を1つのユニットとして考えており、身体全体を総合的に判断して施術するという特徴もあります。オステオパシーには骨格の歪みだけではなく筋肉や筋膜、内臓に対する治療方法があります。更に血液やリンパの流れを改善する為の施術も行うこともできます。

そしてオステオパシーとカイロプラクティックの違う点がもう1つあります。
カイロプラクティックは骨格の歪みを矯正する事をメインに施術が行われます。その為、治療を受けている時骨がバキバキ鳴る等、施術を受ける側からするとちょっと怖いな、不安だなと思うこともあるかもしれません。しかしオステオパシーはソフトな施術ですのであまり痛みがなく、骨がバキバキ鳴る事もほとんどないことも大きな特徴の1つといえます。

オステオパシーの施術方法

オステオパシーは専門家によって施術が行われます。

その為、殆どの場合問診してから詳しい検査を行い、その人が辛いと感じている部位や身体の不調を見極めてから治療が開始されます。そして施術が終わってから再び検査をし、最後に身体の状態等の説明や的確なアドバイスをしてもらいます。

では、具体的にどんな施術が行われるのでしょうか?

オステオパシーの施術は大きく分けると間接法と直接法、そして両方を併せて行う複合型に分類されます。

間接法

この方法は、原因の起きている部位の逆向きに向けて力を作用させ、元の状態に調節していきます。その時に離れた部位から力を徐々に作用させていき、原因部分に働きかけます。そのため、これは関節の動きやすい方向や筋肉、靭帯、筋膜等が緩む方向に持っていくソフトで負担の少ないテクニックになります。

直接法

これは、体の悪い部分(原因部位)に直接外部からの力を加え、元の機能に戻るように調整する方法です。そのため、これは関節の制限が出てしまって曲がりにくい方向や筋肉、靭帯、筋膜等を伸ばす方向に持っていく刺激がちょっと強いテクニックになります。ただ、オステオパシーは殆ど身体に負荷がかからないように施術を行えるので心配する必要はありません。

複合型

これは先に間接法で緩む方向に持っていってから、最後に直接法に切り換えて刺激を与える方法です。オステオパシーを行う施術者は専門家なので、様々なテクニックを身に付け、その方に合った施術方法を選択します。また骨をバキバキ鳴らされるのは怖い、不安だと思う方はあらかじめ施術の際に伝えましょう。
オステオパシーを行う施術者は専門家なので、様々なテクニックを身に付け、その方に合った施術方法を選択します。また骨をバキバキ鳴らされるのは怖い、不安だと思う方はあらかじめ施術の際に伝えましょう。

オステオパシーの効果

オステオパシーは整体やカイロプラクティックでよく患者さんが訴える肩こりや腰痛、関節の痛み等にも勿論効果がありますが、それ以外にも精神疾患である統合失調症、パニック障害、自閉症、うつ病、不眠症にも効果があると言われています。

そして頭痛やめまいといった慢性的な症状、胃下垂、腹部膨満感、逆流性食道炎といった内臓に関する疾患や悩み、不定愁訴、骨盤や背骨の歪み等、全身の様々な症状や疾患にも効果が期待できます。

またオステオパシーは人間の持つ自然治癒力を高める効果があるので、怪我や病気の予防にも繋がりますし、疲労の予防や回復、身体のバランスを保つ事、美肌効果等もあります。

オステオパシーを受ける際の注意点

様々な効果のあるオステオパシーですが、施術を受ける前、そして終わってからの過ごし方にいくつか気を付けて欲しい事があります。

施術を受ける前の注意点としては、食事をしてから時間を空けて施術を受けるようにすることがあります。

そして施術を終えてからの注意点は4つあります。

1、施術を終えたら出来るだけ真っ直ぐ帰宅する

オステオパシーの施術を受けると今まで使っていなかった筋肉等を動かし、身体のバランスが変化しています。施術当日は家に帰ってゆっくる休む事をお勧めします。

2、体液循環の改善による変化を把握しておこう

人によっては施術を受けた後に、倦怠感を感じる、身体に軽い痛み、または痒みや軽い湿疹といったアレルギー症状等が出現する事があります。

3、水分はたっぷり摂取

オステオパシーを受けると体内に溜まっていた老廃物が細胞間に出て、リンパ管に流れます。この吸収をスムーズに行う為には沢山の水分が必要になるので、いつもよりも水分を沢山飲むようにして下さい。

4、食事は控えめにしよう

食事をすると血液は消化する為に胃に集中します。その為、食べ過ぎてしまうと血液の流れが消化器系に集中してしまい、身体を修復する方に血液が回らなくなってしまうので体の回復が遅れてしまいます。

まとめ

オステオパシーは身体全体を1つのユニットとして考える、身体の機能と構造を一体のものとして考える、自然治癒力を鼓舞する事を主眼にするという医学体系が基本です。身体全体を総合的に見極めて施術が行われます。

オステオパシーの効果は様々な症状や疾患に効果があります。
施術の際の注意点をしっかり把握して、ぜひ治療を受けてみてください!

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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