テニスボールをマッサージに使うメリット

テニスボールを使ったマッサージの最大のメリットは、一人では手が届きにくい背中や腰などの部位も、セルフマッサージできることです。
身体を上に乗せるだけでマッサージができるので、長時間行っても疲れることなく、力加減も調節しやすいです。

また、テレビを見ながらでも、本を読みながらでも行えるので、時短にもなります。
テニスボールは安価で手に入れやすく、気軽に始めることができます。

足裏のマッサージ

足裏は全身につながるツボが集まる部分なので、マッサージすることで、足だけでなく全身に疲労回復の効果が期待できます。
強めに圧をかけるように意識し、座ってでは圧が物足りない方は、立って行いましょう。

① 立位または椅子に座った状態で、床にテニスボールを置き、その上に足裏に当てます。
② 少しずつ場所をずらしながら、それぞれの場所で体重をかけます。
③ 痛みや疲れを感じる部位に、「痛気持ちいい」程度の圧をかけて重点的にボールを当てます。
④ 前後にボールを転がし、足裏全体をマッサージします。
⑤ 片足が終わったら、反対側の足も同様にマッサージします。

ふくらはぎのマッサージ

立ち仕事やヒールの高い靴を履くことで負担のかかるふくらはぎや、全身の体重がかかる足裏は、疲労が溜まりやすい部分です。
ふくらはぎの筋肉をマッサージすることで、血流を促して老廃物や余分な水分を流すことができるため、足のむくみ解消につながります。

① 脚を伸ばして床に座り、テニスボールを片方のふくらはぎ上部に当てます。
② ボールと脚が垂直になるように圧をかけ、手で補助しながらボールを少しずつ下に移動させ、アキレス腱の上部分まで転がします。
③ 片側が終わったら、反対側も同様にマッサージします。

ふくらはぎの真ん中あたりは、痛みを感じやすいので、慣れないうちは軽めに圧をかけることをおすすめします。

太もものマッサージ

太もも裏側は筋肉が集まっているので、強めに圧をかけましょう。
また、リンパが集まる膝裏周辺を重点的にマッサージすることで、むくみの解消にもつながります。

① 床に座り、テニスボールを片方の膝裏に当てます。
② 手で補助しながら身体を前後左右に動かし、太もも全体に刺激を与えます。
③ 痛みや疲れを感じる部位に、「痛気持ちいい」程度の圧をかけて重点的にボールを当てます。
④ 今度はうつ伏せになり、両手を床について上半身を起こします。
⑤ テニスボールを太もも前側に当て、身体を前後左右に動かし、太ももの前側全体に刺激を与えます。
⑥ 片側が終わったら、反対側も同様にマッサージします。

お尻のマッサージ

お尻や太ももは、中腰や同じ姿勢での作業を続けていると、痛みやしびれが起こりやすいです。
骨にボールが当たらないように、ゆっくりとほぐしましょう。

① 仰向けに寝て両膝を立て、テニスボールを片側のお尻の下に置きます。
② 体重をかけながら、腰を上下左右に動かし、お尻全体をまんべんなくマッサージします。
③ 痛みや疲れを感じる部位に、「痛気持ちいい」程度の圧をかけて重点的にテニスボールを当てます。
④ 片側が終わったら、反対側も同様にマッサージします。

両手を後ろについて三角座りになり、刺激する側の足を外に開いてお尻の下にテニスボールを置くと、座ったままマッサージすることができます。

腰のマッサージ

骨盤の上部と一番下の肋骨をつなぐ『腰方形筋』を刺激し、腰の痛みを和らげます。

① 仰向けに寝て両膝を立てます。
② テニスボールを骨盤上部より少し上の高さで、背骨よりやや外側に置きます。
③ ゆっくりと身体を動かし、体重をかけながら、背中の真ん中辺りまで上下にボールを移動させます。
④ 片側が終わったら、反対側も同様にマッサージします。

背中のマッサージと同じく、刺激が強すぎる場合は、身体を斜めにして圧の強さを調整してください。

背中のマッサージ

背骨の左右に沿って走行している『脊柱起立筋』をマッサージします。

① 仰向けに寝て両膝を立てます。
② テニスボールを腰の高さで、背骨の片側に置きます。
③ ゆっくりと身体を動かし、体重をかけながら、背骨に沿ってテニスボールを上に転がします。
④ 片側が終わったら、反対側も同様にマッサージします。

刺激が強すぎる場合は、身体を斜めにして圧の強さを調整してください。

肩のマッサージ

① 仰向けに寝て両膝を立てます。
② 片方の肩甲骨の内側にテニスボールを当てます。
③ ゆっくりと身体を動かし、肩甲骨の内縁に沿って下上にボールを移動させます。
④ 片方が終わったら、反対側も同様に行います。

体重をかけると痛い場合は、身体を横向きにして圧を調整しましょう。

首のマッサージ

首のマッサージでは、テニスボールを2個用意しましょう。横に並べてストッキングや靴下に入れるか、タオルを巻いて固定すると使いやすいです。

① 仰向けに寝て頭を上げます。
② 後頭部の下の頭と首の境目にある左右の骨の出っ張りに、2個並べたテニスボールを当てます。
③ 心地よいと感じる程度に体重をかけ、1分間ほどキープします。

おわりに

テニスボールを使用したマッサージのメリットとやり方をご紹介しました。

自宅で寝ながら・座りながら手軽に行うことのできるマッサージですので、忙しい方にもおすすめです。手の届きにくい背面や腰もマッサージでき、使い方をマスターすれば全身マッサージすることができます。
お風呂上りや寝る前、家でテレビを見ている時間などに行い、その日の疲れを癒していただければと思います。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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