二日酔いの原因

アルコールを摂取したときに起こる二日酔い原因と、メカニズムについて解説します。

アルコールを摂取するとどうなる?

アルコールは肝臓で代謝されます。
口から入った酒類は、酵素などの働きで、肝臓で『アセトアルデヒド』に分解されます。その後、『アセテート』という物質に分解され、血液中に溶けて体内を回ります。
そうしながら、水と二酸化炭素に分解され、最後には、汗や尿、呼吸によって体外へ放出されます。

『アセトアルデヒド』と『逆流性食道炎』が原因?

アセトアルデヒドは、タバコにも含まれる有害物質です。吐き気や頭痛などを引き起こす作用があるため、二日酔いの原因になります。
アルコールを過剰に摂取すると、肝臓での分解が追い付かず、アセトアルデヒドが十分に分解されないため、二日酔いになることがあります。

また、アルコールを摂取すると、胃と食道の間が緩んでしまいます。
その結果、胃液が食道に逆流しやすくなり、吐き気や胃痛、胸焼けなどの症状が現れます。
これを『逆流性食道炎』といいます。

二日酔いの症状

二日酔いの症状は、局所的なものから全身症状まで、様々に現れます。
ここでは、代表的な症状をご紹介します。

●頭痛

アルコールを摂取すると、血管が急激に拡張されたり、収縮されたりします。
さらに、アルコール分解によって出るアセトアルデヒドにも、血管を拡張させる作用があります。
そのため、お酒を過剰に摂取すると、血管が拡張する時間が長くなり、血管が炎症を起こすために頭痛が現れます。

●吐き気

吐き気は、二日酔いの中でも辛い症状の一つです。
アルコールは胃液の分泌を促進させ、過剰に摂取すると、胃液過多になってしまい、吐き気が現れます。

また、脱水になることも、吐き気が起こる原因の一つです。

●だるさ

二日酔いになると、身体全身のだるさを感じます。
これは、アルコールが肝臓で分解されるときの、ビタミンB1も一緒に大量に消費されることが原因で起こります。
ビタミンB1の働きの一つに、糖質の代謝を助け、エネルギーを作り出す作用があります。そのため、ビタミンB1が体内から減ると、エネルギーが作り出されにくくなり、だるさを感じるのです。

下痢

胃と小腸では食べ物や飲み物の吸収が行われますが、アルコールはその際に働く酵素の邪魔をします。
その結果、消化が十分に行われなかった飲食物が、小腸から大腸に流れてしまい、下痢を引き起こすことがあります。
他にも、冷たいお酒の飲みすぎや、おつまみの食べ過ぎも原因となります。

二日酔いの症状に効くツボ

二日酔いのときは、できる限り身体を動かしたくありません。病院に行くほどでもないと考える方いるため、自分で対処する機会も多いでしょう。
そこでここでは、自分でできる対処の一つとして、ツボ押しをご紹介します。二日酔いを軽減させるツボを3種類お伝えしますので、症状があるときに行ってみてください。

●内関(ないかん)

痛みに効果的で、頭痛を解消したい時におすすめのツボです。

手の甲を上にし、指を広げます。親指と人指し指の間の下で、人指し指の骨の中間に、ツボがあります。
反対側の親指をツボに当て、手の中心に向かって押しましょう。

●合谷(ごうこく)

痛みに効果的なツボで、頭痛に効果的です。

手の甲を上にし、指を広げます。親指と人指し指の骨が交わるところのくぼみにツボがあります。
反対側の親指をツボに当て、手の中心に向かって押します。

●足三里(あしさんり)

身体全身のだるさや、吐き気に効果的なツボです。

脛骨(すねの骨)のやや外側にあります。膝のお皿の下端から、脛骨に沿って下に指4~5本分の位置にツボがあります。
ツボ押しする側の膝を立てて座り、反対側の手の親指をツボに当て、脚の中心に向かって押します。

おわりに

二日酔いの原因、症状と、二日酔いの症状に効くツボをご紹介しました。

ツボ押しで二日酔いの症状を軽減することはできますが、できれば、そもそも二日酔いなりたくないものです。お酒を飲むときには、無理をせず、自分に合った適量を知ることが大切です。

それでも飲み過ぎて二日酔いになってしまったときは、今回紹介した、ツボ押しをぜひお試しください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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