■トレッドミル

『トレッドミル』は、一般的に『ランニングマシン』とも呼ばれ、室内で簡単にウォーキングやランニングを行うことのできる機械です。
ベルトが自動的に回転するので、常に同じ位置にいながら、歩いたり走ったりすることができます。

機種によって機能はそれぞれ異なりますが、ベルトが動く速度や傾斜を設定することができるので、運動強度を自在に変化させることができます。
また、運動を継続している時間や走行距離、消費カロリー、心拍数などを測定できるようになっているマシンもあるので、自分がどれくらい運動できたかを一目で把握できます。

トレッドミルの効果

軽いウォーキングをすると、全身がほどよく動かせ、血流を促します。身体を温める効果や代謝を高めるダイエット効果、有酸素運動として心肺機能を高める効果が期待できます。
ランニングになると、上記に加え、下半身や体幹を中心とした筋力や筋持久力を高めることにもつながります。

トレッドミルの使い方

1. 止まっているトレッドミルのベルトの上に乗ります。
2. スタートボタンまたは速度を上げるボタンを押し、ベルトの動きに合わせて歩き始めます。
3. ちょうどいい速度のところで固定し、目線を正面にして腕をしっかりと振りながら歩くまたは走ります。傾斜をつけたい場合は、傾斜を変えるボタンで設定します。
4. 予定していた距離または時間が経過したら、停止ボタンを押すか少しずつ速度を下げながらベルトを停止させます。
5. ベルトが完全に停止したら、マシンから降ります。

トレッドミル上でのウォーキングまたはランニングは、屋外で行うよりも負荷が軽くなるとされています。
屋外の平地と同じ負荷に設定したいときは、傾斜を1~2%つけて使用してください。

■エアロバイク

『エアロバイク』は、自転車をこぐのと同じ運動を、屋内で行うことのできるマシンです。
床に固定されているので、一定の場所で行うことができ、転倒する恐れも少なく、安全に有酸素運動を行うことができます。

自分に合った重さにペダルの負荷を調整できるマシンが多く、走行距離や走行時間、消費カロリーなどが表示されるものもあります。

立って運動する他のマシンと違い、座って運動を行うことで足首や膝関節を始めとする下半身の関節にかかる体重が軽くなります。そのため、下半身の関節に痛みがある方や、リハビリ中で荷重を制限しなくてはならない方でも、気軽に行うことがでます。
歩行がスムーズにできない高齢者でも行うことができるので、幅広く使用されています。

エアロバイクの効果

トレッドミルと同じように、血流や代謝の促進、心肺機能改善などの効果が期待できます。
また、ペダルの重さを調整して負荷を上げると、太もも前面にある『大腿四頭筋』や後面にある『ハムストリングス』を中心とした、下半身の筋力トレーニングにもなります。

エアロバイクの使い方

1. 座席の高さを調整してから座席に座り、両足をペダルにかけます。
2. スタートボタンまたはペダルの重さを上げるボタンを押し、ペダルをこぎ始めます。
3. ちょうどいい負荷のところでペダルの重さを固定します。
4. 骨盤を起こして背筋を伸ばした状態で、前後左右に上半身が揺れないように安定させ、ペダルをこぎ続けます。
5. 予定していた距離または時間が経過したら停止ボタンを押し、ペダルが軽くなった状態でもう1分間程度こいでクーリングダウンします。
6. ペダルを完全に止め、ゆっくりとマシンから降ります。

■ステップマシン

『ステップマシン』は、左右の足置きに足を乗せて足踏み動作を行うことで、階段を昇るような動きができるマシンです。

トレーニングジムなどにあるものは、持ち手がついているので、バランスを保ちにくい方でも使いやすいです。
また、ステップの重さ調整や、消費カロリー表示などができるものもありあます。

ステップマシンの効果

ステップが左右交互に上下する際に抵抗がかかるので、ただ床の上で足踏みをするよりも負荷がかかり、お尻、太もも、ふくらはぎなどの筋肉が鍛えられます。
階段昇降に近いので、トレッドミルでのウォーキングに比べて下半身の筋力改善効果が高いこと、消費カロリーが高いことがメリットです。

ステップマシンの使い方

1. ステップが動く可能性があるので、持ち手がある場合は持ち手を持ちながら、ゆっくりと左右のステップにそれぞれの足を置きます。
2. ステップの重さを設定し、スタートボタンを押してゆっくりと左右交互にステップを踏みます。
3. 動作中は背筋を伸ばして上半身が前後左右にぶれないようにします。バランスが安定している方は、持ち手を離して腕を振りながら行いましょう。
4. 予定していた時間や消費カロリーが経過したら、左右どちらかのステップに体重を寄せ、ステップが下がりきってから降ります。

■ステアクライマー

『ステアクライマー』は、エスカレーターのように動く小さな階段を昇るマシンです。

ステアクライマーの効果

ステップマシンと似ていますが、さらに負荷が強くなるので、下半身の筋力強化とともにカロリー消費も期待できます。

ステアクライマーの使い方

1. マシンが停止した状態で、階段を昇るようにしてマシンに上がります。
2. 時間や負荷などの設定を行い、スタートボタンを押します。
3. 背筋を伸ばし、上半身が前後左右にぶれないように注意しながら、ステップが動くペースに合わせてステップを上がります。常に一定のペースを保てるようにしましょう。
4. 予定していた時間や消費カロリーが経過したら、終了ボタンを押し、完全にステップが止まってからゆっくりとマシンから降ります。

■ローイングマシン

『ローイングマシン』では、ケーブルを引っ張ったり戻したりすることで、ボートをこぐような全身運動を行うことができます。
座って行えるので、股関節や膝関節など下半身の関節に負荷をかけたくない方に、特におすすめです。

ローイングマシンの効果

さまざまな有酸素運動マシンの中でも、腕の筋肉、腹筋や背筋などの体幹の筋力を多く使うので、腕や体幹の筋肉の引きしめや筋力向上に効果が期待できます。

力こぶを作る『上腕二頭筋』、その反対側にある『上腕三頭筋』、背中から腰にかけて広範囲に広がる『広背筋』、首と背中をつなぐ『僧帽筋』などが、特に鍛えられます。
さらに、足の曲げ伸ばしを繰り返すので、大腿四頭筋やハムストリングスも鍛えられます。

ローイングマシンの使い方

1. ケーブルの重さを調節してから、シートに座って前方にある足置きに両足を乗せます。
2. 上半身がやや前傾している状態で背筋を伸ばし、ケーブルの端についている持ち手を両手で持ちます。
3. 両手でケーブルを引っ張りながら、足置きと反発するように膝を伸ばし、シートごと身体を後ろに下げます。このとき、上半身をやや後ろに傾けます。
4. 左右の肩甲骨を寄せるようにしてお腹の手前までケーブルを引いたら、ゆっくり元の位置に戻します。引くときの2倍ほど時間をかけ、ゆっくりと戻しましょう。

■リカンベントバイク

『リカンベントバイク』は、背もたれのある椅子に座った状態で自転車をこぐマシンです。

座っていて下半身の関節に荷重がかかりにくいため、関節に痛みのある方や有酸素運動初心者の方におすすめです。背もたれもあるので、上半身を運動中保持しておく持久力のない中高年の方に、特に使ってほしいマシンです。

リカンベントバイクの効果

上半身は背もたれに預けて行うことができる分、エアロバイクと比較しても負荷が減り、消費カロリーも少ないですが、リハビリや健康維持を目的とする運動として効果が期待できます。

リカンベントバイクの使い方

1. シートの高さを合わせて座り、ペダルに足を置きます。
2. ペダルの重さなどを調整してから、スタートボタンを押してこぎ始めます。
3. 上半身を背もたれにあずけ、背中が丸まったり骨盤が後傾したりすることないように、背筋を真っ直ぐに伸ばしてこぎます。
4. 予定していた時間や消費カロリーが経過したら、終了ボタンを押し、ゆっくりとマシンから降ります。

おわりに

フィットネスジムで有酸素運動を行うにあたり、効果のあるマシンをご紹介しました。

ダイエット目的の場合、有酸素運動をしてから脂肪が燃焼し始めるまでには約20分かかるので、最低でも20分以上は継続して運動するようにしましょう。
それぞれのマシンの特徴、メリットやデメリットをしっかりと把握し、ご自身の目的や体力に合ったマシンを使用するようにしてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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