はじめに
健康診断などで測定される血圧は健康管理において大事な指標です。
血圧を正常にコントロールすることは心筋梗塞や脳梗塞など様々な合併症(心血管病)の予防になります。
高血圧に対する薬を降圧薬と呼びます。降圧薬は体内での効き方や効果時間によって様々な種類が存在します。今回はそんな降圧薬について詳しく紹介します。
血圧を正常にコントロールすることは心筋梗塞や脳梗塞など様々な合併症(心血管病)の予防になります。
高血圧に対する薬を降圧薬と呼びます。降圧薬は体内での効き方や効果時間によって様々な種類が存在します。今回はそんな降圧薬について詳しく紹介します。
主に使用される降圧薬とは
最初に投与すべき降圧薬
高血圧の場合、まず減塩などの生活習慣の改善が行われます。それでも血圧が高い場合には薬剤治療が始まります。最初に投与すべき降圧薬を第一選択薬と呼び、以下の4種類からなります。
・Ca拮抗薬
・ARB
・ACE阻害薬
・利尿薬
これら第一選択薬にβ遮断薬を加えたものを主要降圧薬と呼び、この中から病状に合わせて適切な降圧薬を選んでいきます。
次の項目からそれぞれの降圧薬の詳しい内容について解説します。
・Ca拮抗薬
・ARB
・ACE阻害薬
・利尿薬
これら第一選択薬にβ遮断薬を加えたものを主要降圧薬と呼び、この中から病状に合わせて適切な降圧薬を選んでいきます。
次の項目からそれぞれの降圧薬の詳しい内容について解説します。
血管の収縮を防ぐCa拮抗薬
Ca拮抗薬の特徴
骨などの形成に役立つCa(カルシウム)ですが、血管を収縮させることで血圧を上昇させる作用も持っています、この過程をある程度防いで血圧を上がりにくくするのがCa拮抗薬です。
Ca拮抗薬は様々な臓器への血流量もよく高齢者でも使用しやすい為、多くの場合で第一選択薬として用いられます。
Ca拮抗薬は様々な臓器への血流量もよく高齢者でも使用しやすい為、多くの場合で第一選択薬として用いられます。
Ca拮抗薬の副作用と使用出来ない患者タイプ
Ca拮抗薬の副作用としては、動機、頭痛、ほてり感、浮腫、歯肉増生や便秘などが挙げられます。またCa拮抗薬のうち非ジヒドロピリジン系と呼ばれるものは心臓の機能を抑制する為に心不全や高度の徐脈を持つ患者には禁忌とされています。
心臓や腎臓の保護、糖尿病を抑えるARB
ARB薬の特徴
ARBはCa拮抗薬に次いで使用されている降圧薬です。
高血圧となる原因にレニンアンギオテンシン系と呼ばれる昇圧ホルモンが存在します、このホルモンは塩分であるナトリウムを体内に留めやすくしかつそれを薄めるための血液量を増やすことで血圧を上げる作用があります。ARBはこの血圧を上げる過程を防ぐ作用を持っています。
ARBには心保護効果という、心臓の肥大による心不全の悪化を防ぐ作用を持っています。また腎臓も保護する為、長期的な使用で腎機能の低下を抑える事が出来ます。さらに血糖を下げるインスリンを効きやすくする作用もあり、糖尿病の予防効果もあるとされています。
高血圧となる原因にレニンアンギオテンシン系と呼ばれる昇圧ホルモンが存在します、このホルモンは塩分であるナトリウムを体内に留めやすくしかつそれを薄めるための血液量を増やすことで血圧を上げる作用があります。ARBはこの血圧を上げる過程を防ぐ作用を持っています。
ARBには心保護効果という、心臓の肥大による心不全の悪化を防ぐ作用を持っています。また腎臓も保護する為、長期的な使用で腎機能の低下を抑える事が出来ます。さらに血糖を下げるインスリンを効きやすくする作用もあり、糖尿病の予防効果もあるとされています。
ARB薬の投与できない患者
ARBは妊婦や授乳婦には禁忌です、さらに血液中のカリウム濃度を上げてしまう為、高K血症の患者へも投与禁忌です。さらに腎臓へ血液を送る血管が狭くなる腎動脈狭窄症と呼ばれる病気でも投与は慎重に行うべきとされています。
心筋梗塞後によく使用されるACE阻害薬
ACE阻害薬の特徴
ACE阻害薬もARBと同様にレニンアンギオテンシン系を別のアプローチで阻害します。
ACE阻害薬は心筋梗塞を起こした後の心臓死や狭心症や脳梗塞、心不全などの新血管合併症を予防することができます。
ACE阻害薬は心筋梗塞を起こした後の心臓死や狭心症や脳梗塞、心不全などの新血管合併症を予防することができます。
ACE阻害薬の副作用と禁忌の患者
ACE阻害薬の中で最も多い副作用が空咳です。この空咳は投与後、1週間から数ヶ月で現れますが、投与を中止することによってすぐに治ります。禁忌に関してはARB同様、妊婦や授乳婦、高K血症の患者になります。重篤な副作用としては血管性の浮腫が挙げられます。
塩分の取りすぎ、浮腫に効く利尿薬
利尿薬の特徴
利尿薬の一種であるサイアザイド系利尿薬が高血圧によく使用されます。このサイアザイド利尿薬は体内へのNaの貯留を抑制し、血液の水分量を減少させることで血圧を低下させます。減塩が困難な高血圧や浮腫などの体液異常の病気を合併した高血圧や他の降圧薬で血圧が低下しない治療抵抗性高血圧に対する降圧薬として有効とされています。また心不全の予防効果にも優れています。
利尿薬の副作用
サイアザイド系利尿薬の副作用には血液中のナトリウムが低くなりすぎる低Na血症や低K血症、低Mg血症など体内の電解質の低下があげられます。また糖尿病に関わる耐糖能低下や痛風に関わる高尿酸血症、高中性脂肪血症などの副作用も挙げられています。
若年者の高血圧や狭心症、心筋梗塞に効くβ遮断薬
β遮断薬の特徴
β遮断薬は主に心臓の拍数を減少させて心臓からの血液の量(心拍出量)を低下させます。
特に若年者の高血圧や狭心症、心筋梗塞や頻脈を合併している患者に有効とされています。
特に若年者の高血圧や狭心症、心筋梗塞や頻脈を合併している患者に有効とされています。
β遮断薬の禁忌患者と注意事項
β遮断薬は肺から口への空気の通り道である気管支を拡げにくくする為に喘息の患者では禁忌です。また脈拍数を下げるので高度の徐脈をもっている患者にも禁忌です。また突然服用を中止すると狭心症や血圧が急に上昇するので注意が必要です。
まとめ
毎日の血圧測定が大事
様々な降圧剤について紹介しました、降圧薬を服用していて大切な事は血圧は毎日変動する為、こまめに測定して病院での受診時に医師へ報告することです。しっかりと服用と血圧測定を行って血圧をコントロールし健康に過ごして行けるように心がけていきましょう。
循環器内科
経歴
1998年 千葉大学医学部医学科卒業。
2008年 千葉大学大学院医学薬学府環境健康科学を専攻し、医学博士号を取得。
現在 千葉大学医学部附属病院循環器内科医員として、心臓専門医として診療、研究。
資格
医師免許
活動:
日本抗加齢医学会専門医としてアンチエイジング医学、日本医師会認定健康スポーツ医としてスポーツ医学にも取り組み、各種メディアで活動中。