はじめに

セロリは、スープなどいろいろな料理で使われる食材です。
しかし、セロリには独特な匂いが苦みがあるため好き嫌いは分かれることが多いのですが、セロリはあまり知られていない栄養素やさまざまな効果があります。
セロリの栄養や効果、レシピをご紹介しますので、苦手な方も思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

セロリについて

セロリはせり科の植物で、色は緑色・淡緑色・黄白色などで淡色野菜に分類されます。
品種は色によって大きく分類され、茎の長さは約30~75cmで、独特の匂いがすることが特徴です。
原産地はヨーロッパや中近東の広い地域に渡る涼しい高地の湿原です。

古代ローマなどでは、食用ではなく薬や香料として利用されていました。
しかし、17世紀に入ってからはセロリを食用として使うようになり、日本には1800年ごろオランダからの船で運ばれてきましたが、セロリ独特の匂いのため普及することがなく、栽培が盛んに行われるようになったのは戦後食生活が洋風に変わってきてからのことです。

セロリは栄養豊富!

セロリが好きな方も苦手な方にも見ていただきたい、セロリに含まれるたくさんの栄養素をご紹介します。

豊富なビタミン

セロリには、抗酸化作用があり美肌や美白など肌に良い効果を発揮する「ビタミンC」や血液をサラサラにしたり活性酸素を除去する「ビタミンK」が多く含まれています。

それだけでなく、止血効果や骨を丈夫にするなどの効果がある脂溶性ビタミンの「ビタミンE」も含まれています。

カリウム

ミネラルの1つであるカリウムは、体の中の水分量を調節して細胞の浸透圧を維持したり、筋肉や神経の働きを正常にしたり、血圧を下げるなどの作用があります。

不溶性食物繊維

セロリに含まれる食物繊維は、水に溶けることがないため腸内の水分を吸収して膨らみます。
便のカサは増えますが、便秘を解消したり腸内の環境を良くすることができます。

ポリフェノールの1つであるアピイン

セロリには、ポリフェノールの1つであるアピインが含まれています。
セロリ独特の匂いの正体はこのアピインです。しかし、アピインには精神を安定させるアロマの要素でもあるセロリは「食べるアロマ」とも呼ばれています。

フラボノイドの1種であるフラボン

セロリには、野菜や果物にも含まれるフラボノイドの1種であるフラボンが含まれています。
フラボンは、苦みや辛みの成分になるもので抗酸化作用があります。それだけでなく、上がった血糖値を下げる作用もあります。
このようにセロリはさまざまな栄養素が含まれている食材です。
ただし、食べる上で注意していただきたいことは、セロリの栄養は「茎」よりも「葉」の方が多く含まれています。

セロリが体に及ぼす嬉しい効果

たくさんの栄養素が含まれるセロリですが、セロリを摂ることによって体にどのような効果を得ることができるのかを見ていきましょう。

ストレス解消・疲労回復効果

セロリのにおいの成分である「アピイン」や「セネリン」には、気持ちを落ち着かせる効果があり、ストレスや不安・緊張を緩和させたり、イライラを改善させることができます。
また、その他にもセロリにはビタミンB1が含まれているため、疲労回復させることができます。

鎮痛効果

セロリ独特の匂い成分である「アピイン」や「テルペン」には痛みを鎮める効果があり、頭痛や生理痛の痛みを鎮めるだけでなく、二日酔いのときの頭痛にも効果を発揮します。

高血圧予防

セロリに含まれているミネラルの1つであるカリウムには利尿作用があるだけでなく、ナトリウムを排出することができるため、高血圧の予防に効果を発揮します。

動脈硬化予防

セロリにはビタミンが多く含まれており、そのビタミンには抗酸化作用があります。
それによって、活性酸素の発生を抑えたり酸化力を抑えることができるので、動脈硬化を予防することができます。

便秘改善

セロリには、水に溶けない不溶性食物繊維が含まれているため、腸内環境を整えるだけでなく、便秘を解消させることができます。

アンチエイジング効果

セロリには、ビタミンが豊富に含まれています。
その中でも「ビタミンC」には、肌のハリや潤いを保ち、シミ・そばかすを予防する効果があります。
その他にもビタミンEは、若返りのビタミンと言われアンチエイジングに効果があります。

セロリをたくさん使ったレシピ

栄養豊富なセロリをたくさん食べられるように、いくつかのレシピをご紹介します。
セロリの独特のにおいや苦みが苦手な方でも、肉を使うことやしっかりした味付けにすることで食べやすくなるので一度お試しください。

セロリの葉を使った豚つくね

材料(10本分)
・豚ひき肉             200g
・セロリ(葉っぱの部分)      1/2本
・塩コショウ            少々
・片栗粉              小さじ1
・味噌               小さじ1
・酒                小さじ1
・しょう油             小さじ2
・生姜(すりおろし)        1/2かけ
・サラダ油             少々
<作り方>
1.セロリの葉を細かく刻む(触感が欲しい方は粗めに刻む)
2.サラダ油以外の上記の食材、調味料のすべてをボウルに入れる
3.粘り気が出るまでよく混ぜる
4.10等分にして棒状に丸める(手に水をつけながら行うときれいにまとまります)
5.フライパンを火にかけ、サラダ油をひき4で作ったものを並べる
6.中火にし2分ほど焼き、焼き色が付いたら転がして同様に軽く焼き色を付ける
7.軽く焼き色を付けたら蓋をして弱火にして、約4分焼く
8.蓋を外して更に全体に焼き色をつけるように転がしながら焼く

豚肉とセロリのオイスターソース炒め

材料(4人分)
・豚薄切り肉            200g
・セロリ              100g
・ニンニク             1かけ
・オイスターソース         大さじ2
・しょう油             小さじ1/2
・こしょう             少々
・サラダ油             大さじ1/2
・ごま油              大さじ1/2
<作り方>
1.豚肉は細切りにしてサラダ油をまぶす
2.セロリは筋を取り、約5cmの長さの棒状に切る
3.ニンニクはすりおろしておく。
4.中華鍋を火にかけ、ごま油を入れて豚肉だけを炒める
5.豚肉の色が変わったらセロリを加えて軽く炒める
6.セロリに火が通ったら、強火にしニンニク・オイスターソース・しょう油・こしょうを加えて絡める

セロリのきんぴら

材料
・セロリ             1本
・にんじん            1/3本
・ごま油             大さじ1
・酒               大さじ1
・みりん             少々
・砂糖              大さじ1
・しょう油            大さじ1
・白炒りごま           小さじ1
<作り方>
1.セロリは筋を取り、にんじんと一緒に5cmの細切りにする
2.フライパンにごま油を入れ強火で熱し、セロリとにんじんを入れて炒める
3.セロリとにんじんがしんなりしてきたら、白ごま以外の調味料を入れて汁気がなくなるまで炒める
4.器に盛って、白炒りごまをふる

まとめ

いかがでしたか?
セロリにはたくさんの栄養成分があり、摂取することによって体にさまざまな効果を発揮します。
自分好みに調理して体が喜ぶ栄養を摂り入れてみてはいかがでしょうか。

監修

・救急医、内科医 増田 陽子

・救急医、内科医 増田 陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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