はじめに

秋になると特に食べたくなる果物のは柿ではないでしょうか?
柿には色々な種類があり、美味しい柿を選ぶ方法や保存の仕方など知らない方が多いと思います。
また、柿を摂取すると体に良い効果を発揮したりします。
ここでは、柿について詳しくご紹介していきます。

柿の種類や選び方、保存方法を詳しく解説!!

1、柿の種類

柿は、中国や日本など東アジア原産の果物で、品種は1000種近くあります。
柿は大きく分けると「甘柿」と「渋柿」に分けられます。
最も良く知られているのは、甘柿の「富有柿」です。
その逆に渋柿で最も知られているのは「平核無」です。
これ以外にも色々な種類の柿があります。どんな柿があるのか詳しく見てみましょう。
1.甘柿の主な種類
次郎柿(じろうがき)・松本早生富有(まつもとわせ)・御所柿(ごしょがき)
花御所柿(はなごしょがき)・伊豆柿(いずがき)・愛秋豊(あいしゅうほう)
太秋柿(たいしゅうがき)・早秋柿(そうしゅうがき)など
2.渋柿の主な種類
刀根早生柿(とねわせがき)・紀の川柿(きのかわがき)・中谷早生(なかたにわせ)
太天柿(たいてんがき)・甲州百目柿(こうしゅうひゃくめがき)・蜂屋柿(はちやがき)
富士柿(ふじがき)・大富士柿(おおふじがき)・市田柿(いちだがき)など
3.不完全甘柿の主な種類
西村早生柿(にしむらわせがき)・筆柿(ふでがき)・蓮台寺柿(れんだいじがき)・禅寺丸柿(ぜんじまるがき)

2、柿の選び方

柿を選ぶときちゃんと選ばないと美味しくないか気を選んでしまうことになります。
美味しい柿を選ぶポイントは3つあり、このポイントを見て美味しい柿を見分けましょう。

■美味しい柿を見分ける3つのポイント

1.へたを見る
・へたが実に張り付くように隙間がないもの。
・へたが4枚そろっているもの。
・へたの色はなるべく緑が残っているもの。
2.実の外見を見る
・しっかりと全体に濃いオレンジ色にが付いているもの。
・形がいびつではなく整っているもの。
・品質によっては「ブルーム」といって完熟した果物に白い粉が吹いたものがあります。
そのような品種の場合は、白い粉が付いているものを選ぶ。
3.手に持って見る
・ずっしりと重みを感じるもの。
・柔らかすぎないもの。

3、柿の保存方法

柿は買ってきたまま放置しておくと2~3日で柔らかくなってしまいます。
柿をシャキッとした食感のままで保存しておく方法と柔らかくなってしまった柿の保存方法をご紹介します。

■柿の食感を残したまま保存する方法

1.ティッシュペーパーやコットンなどをへたの大きさに合わせます。
2.大きさを合わせたティッシュペーパーなどに水を含ませへたの部分に当てます。
3.水を含ませたティッシュペーパーを当てたへたの部分を下にして袋などに入れ冷蔵庫で保存します。

この方法で保存すると2週間~3週間は食感が残った状態にすることが出来ます。

■柔らかくなった柿を保存する方法

1.柿を丸ごと保存する方法
柔らかくなった柿はそのままにしておくと悪くなってしまいます。
そうならないためにも柿を丸ごと冷凍庫に入れて保存します。
食べる時半解凍して、へたの部分を蓋のように切ってスプーンで食べます。
2.柿を食べやすいサイズに切って保存する方法
いつも食べるように皮や種などを取り除き食べやすいサイズに切ります。
ラップを敷いたバットなどに重ならないように並べ切った柿を冷凍します。
凍ったら密封容器などに入れて冷凍保存します。
食べる時は、食べたい分を半解凍したりして食べたり、スムージーなどに使うこともできます。
3.柿をピューレ状にして保存する方法
柔らかくなった柿の皮や種などを取り除き、ミキサーにかけピューレ状にします。
ジップロックなどの袋に入れ平らにして冷凍したり、製氷機などに入れて形を作って凍らせ冷凍保存します。
食べる時は、解凍してそのままジュースにしたりして食べます。

柿に含まれている栄養はどんなもの?

柿は昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」という、ことわざがあるくらい栄養豊富な果物です。
柿にはほかの果物よりも豊富な栄養成分が入っています。ここでは、柿に含まれる栄養成分で代表的なものをいくつかご紹介します。

●ビタミンC

柿を1つ食べると、1日分のビタミンCを補えるほど豊富に含まれています。
ビタミンCには、活性酸素を抑える効果などがあるため、特に女性が取りたい栄養成分です。
また、柿の実の部分よりも葉の部分の方がビタミンCを多く含んでいるので、お茶にして飲んだりすると効率的に栄養を摂ることが出来ます。

●βカロテン

βカロテンには、ビタミンCと同様に強い抗酸化作用を持っている成分です。
ビタミンCと一緒にとることで相乗作用が起こります。
また、生の方よりも干し柿の方が約2倍のβカロテンを含んでいます。

●食物繊維

柿に含まれる食物繊維はペクチンとも言われます。食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類あります。
柿に含まれる食物繊維はほとんど水溶性で、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
また、生よりも干し柿の方食物繊維が豊富に含まれていますが、カロリーが高めなので注意しましょう。

●タンニン

タンニンとは、ポリフェノールの1種で渋味成分のことです。
渋柿を食べた時、渋みを感じるのはこのタンニンという成分のせいです。
タンニンは、血液の中にある毒素や悪玉菌を少なくして、血液の流れを良くする働きがあり、身体の新陳代謝を良くします。

●カリウム

カリウムはミネラル成分の1つです。
カリウムをとることによって、体の中の余分な塩分・ナトリウムを排出してくれます。
余分な塩分などを排出してくれるということは、むくみを解消したりできます。
柿には、この他にもビタミンAや葉酸など沢山の栄養成分が含まれています。
上手く取り入れることで不足しがちな栄養を補うことが出来ます。

柿を食べることで体にどんな効果があるの?

柿にはさまざまな栄養素が含まれています。
それらの栄養素を摂ることで、体にどのような影響を与えるのでしょうか?
ここでは、柿が体に与える効果について見ていきましょう。

1、ダイエット効果

柿には、カリウムやビタミンC、ビタミンB群や食物繊維が豊富に含まれています。
これらの栄養素の効果によって、代謝が良くなり痩せやすい体を作ることが出来ます。

2、美肌効果

柿に含まれるビタミンCの活性酸素を抑える働きによって、シミやそばかすなどを予防します。
また、肌のハリやしわ・たるみなどを改善することができ、美肌を作ることが出来ます。

3、免疫力向上

柿に含まれるタンニンには、抗ウイルス効果があります。
また、カロテンの抗酸化作用やビタミンCの細菌やウイルスを撃退する作用によって免疫力を上げることが出来ます。

4、二日酔い

柿に含まれるビタミンCとタンニンには、血中のアルコールを外へ排出する働きがあります。
また、柿に含まれる酵素の力によってアルコールの分解を促し、血中アルコール濃度の上昇を防ぐことが出来ます。

5、便秘や下痢を解消

柿には食物繊維が豊富に含まれているので、便秘解消に効果を発揮してくれます。
また、柿に含まれるタンニンの効果によって、有害物質を排せつしたり、必要な栄養素を吸収するため腸内環境を整えてくれます。

6、むくみ解消

柿に含まれるカリウムの働きによって、体の中で不要なナトリウムを排出したり、体の中の水分量を一定に保ってくれます。このような効果のおかげで女性が気になるむくみを解消してくれます。
また、カリウムが塩分と尿を一緒に体の外へ出してくれるので高血圧を予防することもできます。

柿を食べる際には注意が必要!?

柿には色々な栄養が豊富に入っており、その栄養の働きによって体にさまざまな効果を得ることが出来ます。しかし、柿には食べる時に注意しなければならないことがいくつかあります。
ここでは、柿を食べるうえで注意する点についてご紹介します。

1、食べ合わせに注意する

柿に含まれるタンニンは、酸や鉄分・カルシウムと結びつくと体に吸収されにくくなります。
この働きがあるため、胃酸を多く出す効果があるイモ類を食べる時は注意が必要です。

また、タンニンが鉄分の吸収させにくくするため、貧血の方や生理中・妊娠中の方、鉄分を補う薬を飲んでいる方は柿を食べない方が良いでしょう。

さらに、カニやエビなどの甲殻類はカルシウムが多く含まれているため、柿と一緒に食べてしまうと下痢や腹痛の原因になるので注意しましょう。

2、食べ過ぎに注意する

柿には、体を冷やす効果があるため熱があるときや高血圧の方などには効果がありますが、胃腸が弱い方や冷え性の方などは、体を冷やしたり下痢や腹痛の原因になるため注意が必要です。

また、柿に含まれるタンニンは、たくさん摂りすぎてしまうと胃に結石を作りやすくなるので食べ過ぎないように注意しましょう。

まとめ

柿について分かっていただけましたか?
秋になると柿を食べたくなると思います。
柿には栄養が豊富なため食べるのは良いことです。
しかし、食べる際薬や体質などに合わせて食べ過ぎないようにする必要があります。

監修

・救急医、内科医 増田 陽子

・救急医、内科医 増田 陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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