はじめに

一般的にダイエットというと、空腹感を感じながらきつい運動をしないといけないというイメージですが、MCTオイルでは、体の内側から健康的に痩せられるダイエットとして、取り入れている方が増えているようです。今回は、そんなMCTオイルのダイエット効果、やり方についてご紹介します。

MCTオイルとは

MCTオイルとは「Medium Chain Triglyceride」の略です。中鎖脂肪酸油のことを指し、一般的な食用油と比較すると消化と吸収に優れています。そして、エネルギーになりやすいという特徴もあります。

MCTオイルは、医療用での利用や、スポーツをする方のための栄養補給などでも利用されているオイルになります。

油脂というものは本来、脂肪酸とグリセリンから生成されています。素が鎖状に連なってできています。炭素の数が5~12個の物を中鎖脂肪酸で、12個以上のものは長鎖脂肪酸です。

菜種油・オリーブオイルなどの一般的な油に含まれる脂肪酸は長鎖脂肪酸となり、通常の脂質とは消化吸収の過程が違ってきます。肝臓での分解も早く、通常の油の5倍ほどのスピードでエネルギー化されます。

その中鎖脂肪酸であるMCTオイルは、母乳・牛乳・ココナッツオイルなどに含まれている成分です。ちなみに、何かと話題になっているココナッツオイルには中鎖脂肪酸が約60%で、さらに脂肪を蓄積しやすい長鎖脂肪酸が40%も含まれていることが分かっています。しかし、MCTオイルは中鎖脂肪酸100%ですので、体脂肪になりにくく、消化中にエネルギーとして燃焼しやすいという利点があります。

MCTオイルの栄養価

中鎖脂肪酸には、以下に三種類が存在します。

カプリル酸(C8)
カプリン酸(C10)
ラウリン酸(C12)です。


カプリル酸とカプリン酸には、抗酸化作用と抗菌作用があると言われています。そして脂肪酸を分解してくれるケトン体を生成する働きをサポートしてくれますし、同時に促進させますので短期間のダイエットにも向いています。

ラウリン酸は、母乳にも含まれる栄養素です。ラウリン酸には、抗酸化作用、免疫力向上作用の効果があります。
カプリル酸やカプリン酸よりは効果が出るまでに時間がかかるという点が難点ではありますが、ケトン体の生成を活発にさせるというメリットが存在します。

MCTオイルのダイエット効果

人間の体は、エネルギー源となるためのブドウ糖が不足することで、脂肪を燃焼させてエネルギーとして使うような仕組みになっています。このときに生成されるのがケトン体です。ケトン体は、アセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸という、3つの物質のことを指しています。

人間の脳というのは、エネルギー源として利用できるのはブドウ糖しかないと言われています。しかし、ここでケトン体が活躍してくれるのです。ケトン体がブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとして働いてくれるのです。脳以外にも、臓器のエネルギー源にもなっていきます。

ダイエットなどで飢餓状態になると身体に蓄えた脂肪からケトン体を肝臓でつくり出します。それをエネルギーとして利用するのです。しかし、ここでエネルギーの元であるブドウ糖が体内に十分に蓄えられていると、ケトン体は発生しない仕組みとなっています。

MCTオイルの中鎖脂肪酸は、ブドウ糖が体内に十分にあったとしてもケトン体をつくり出すという性質を持っていて、長鎖脂肪酸に比べて約10倍のケトン体を作ることができるという力を担っています。
つまり、MCTオイルはケトン体を素早く、効率よく体内で生成してくれる便利なオイルということなのです。
適度な運動と併用してMCTオイルを取り入れると良いでしょう。

MCTオイルの取り入れ方

MCTオイルは味や匂いがなく、とてもさっぱりしたオイルですのでどんな料理にも気軽に使えます。
料理、飲み物、調味料に混ぜるなどして使用すると美味しく続けられるでしょう。

取り入れ方も様々で、ご飯に混ぜる、スープや味噌汁に、マヨネーズに混ぜるという方法があります。そしてオイル自体もサラサラとしていて、料理に混ぜても違和感なく食べることができます。

一番のおすすめレシピは、ドレッシングにMCTオイルを混ぜる方法です。そもそもドレッシング自体にオイルが含まれていますし、さっぱりと食べられるサラダに振りかけるものですので抵抗なく取り入れられます。ノンオイルドレッシングに取り入れればカロリーも少なくて済みます。

材料は、お好みのドレッシングを大さじ1、MCTオイルを小さじ1です。
方法は、ドレッシング大さじ1をお皿に出しておいて、後からMCTオイルを注ぐと良いです。最初はなかなか混ざりにくいのですが、約1分程しっかりと混ぜ続けると、徐々に混ざり合っていきます。

まとめ

いかがでしたか?ダイエットに良いと言われているMCTオイルの効果、取り入れ方についてご紹介しました。一般的な油と比べるととてもヘルシーで、料理にも気軽に使えるオイルになります。今日からあなたもMCTオイルを取り入れてダイエットをしてみてはいかがでしょうか?

監修

救急医、内科医 増田陽子

救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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