はじめに
ぜいたくな食生活が原因となる贅沢病=痛風というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。もしかしたら、自分にも起きる可能性がある怖い病気だからこそ、詳しく知っておくことも必要です。
痛風って本当はどんなものなのか、詳しくご説明します。
痛風って本当はどんなものなのか、詳しくご説明します。
痛風って、ほんとうはどんな病気?
どんな症状?
痛風は、突然にやって来る痛みになります。その痛みは足の指、特に親指から始まり、骨折よりも激痛だと言われます。いったん痛みに見舞われると3日間は持続し、徐々に痛風の痛みは薄らいでいくものの、10日程度続くこともあります。
治療無しで、痛みに耐え、そのまま放置してしまうと一年に一回、半年に一回と痛風発作の疼痛は再度訪れます。その痛みの発作から発作までの期間は、次第に短くなるケースが多いです。
痛みは足の親指だけに限局せず、足首や膝までに及ぶことも少なくなく、疼痛の部分には熱感や赤みがさす、腫れる、変形するなどの症状もでます。
また、まれではありますが、手の指や手の甲に痛みを発することもあります。
治療無しで、痛みに耐え、そのまま放置してしまうと一年に一回、半年に一回と痛風発作の疼痛は再度訪れます。その痛みの発作から発作までの期間は、次第に短くなるケースが多いです。
痛みは足の親指だけに限局せず、足首や膝までに及ぶことも少なくなく、疼痛の部分には熱感や赤みがさす、腫れる、変形するなどの症状もでます。
また、まれではありますが、手の指や手の甲に痛みを発することもあります。
どういう人が痛風になりやすい?
では、これだけ痛みを伴うと言われる痛風はどのような人がなるのでしょうか?
発症する人は、9割がたが男性です。20歳以降に発症しますが、30代以降の男性に多く見られます。
また、女性が発症する場合は、女性ホルモンが、痛風の要因である尿酸を処理する役割を持っているため、閉経後にはこのホルモン機能が減少し痛風になる確率が高くなります。
発症する人は、9割がたが男性です。20歳以降に発症しますが、30代以降の男性に多く見られます。
また、女性が発症する場合は、女性ホルモンが、痛風の要因である尿酸を処理する役割を持っているため、閉経後にはこのホルモン機能が減少し痛風になる確率が高くなります。
原因は?
昔から欧米に多くみられた痛風でしたが、戦争などで起きた飢餓状態から脱した日本人にも発症するようになりました。
原因は、遺伝の影響も無視はできないということも言われていますが、他にもいくつかの大きな原因があります。
・尿酸を作り出しやすいプリン体が多く含まれている動物性タンパク質や多量なアルコールの摂取
・ストレスによるホルモンバランスの崩壊
・運動不足または、過剰な運動
原因は、遺伝の影響も無視はできないということも言われていますが、他にもいくつかの大きな原因があります。
・尿酸を作り出しやすいプリン体が多く含まれている動物性タンパク質や多量なアルコールの摂取
・ストレスによるホルモンバランスの崩壊
・運動不足または、過剰な運動
痛風発症のメカニズム
痛風は血液中の成分である尿酸の量が多く蓄積した(尿酸値上昇)場合に起こる病気です。
私たちが生きている間には、日々細胞の新旧交代が行われています。
その時に発生するのがプリン体です。
食べ物からの吸収以外にも、プリン体は自然に体の中で作られていることになります。
このほかに、食品のプリン体から、活動に必要な栄養分を取り除いたカスが尿酸となり腎臓で処理されるのですが、処理機能が悪かったり、処理しきれない量のプリン体含有食品を摂取するなどの原因で、血液中の尿酸値が高くなってしまいます。
この尿酸が固まって結晶という物質になると、白血球が異物と判断して戦闘に挑み排除しようと、炎症を起こします。この炎症が「痛風の痛み」ということになります。
私たちが生きている間には、日々細胞の新旧交代が行われています。
その時に発生するのがプリン体です。
食べ物からの吸収以外にも、プリン体は自然に体の中で作られていることになります。
このほかに、食品のプリン体から、活動に必要な栄養分を取り除いたカスが尿酸となり腎臓で処理されるのですが、処理機能が悪かったり、処理しきれない量のプリン体含有食品を摂取するなどの原因で、血液中の尿酸値が高くなってしまいます。
この尿酸が固まって結晶という物質になると、白血球が異物と判断して戦闘に挑み排除しようと、炎症を起こします。この炎症が「痛風の痛み」ということになります。
尿酸値が高いと、痛風だけに気を付ければいいの?
尿酸値の高低を決める基準値は、7.0mg/dLです。7.0mg/dL以上になると、高尿酸血症と診断されます。
痛風発作は7.0mg/dL以上になったからすぐ起きるというものではありません。高い尿酸値のまま数年が経過することによって起こります。
また、尿酸値が高いことで起こるのは痛風だけではありません。
痛風発作は7.0mg/dL以上になったからすぐ起きるというものではありません。高い尿酸値のまま数年が経過することによって起こります。
また、尿酸値が高いことで起こるのは痛風だけではありません。
腎障害
尿酸結晶が蓄積されやすいのは関節に続いて腎臓です。尿酸は腎臓のろ過機能によって体外へ排出されますが、結晶によってろ過できなくなると、より尿酸が増える=腎機能低下という悪化サイクルとなります。
尿路結石
高尿酸値になると、尿が酸性になります。この酸性な環境では結石ができやすくなり、膀胱や尿管、尿道に結石となって貯留します。
via paxtonvets.co.uk
痛風結節
高尿酸値が続くことで痛風を起こし、その痛風を放置しておくと、結晶がどんどん溜まってしまい外側からも明確にわかるコブが形成されます。これを痛風結節と呼び、時には皮膚を突き破って露出することもあります。
痛風をまねく生活習慣をチェックしてみましょう!
普段の生活上のリスクを挙げてみました。
該当するものが多ければ多いほど、尿酸値上昇や痛風に気を付けなければなりません。
☑ 肉料理を多く食べる
☑ レバーなど内臓料理を食べることが多い
☑ 野菜はあまり食べない
☑ 水やお茶などの水分摂取が少ない
☑ 肥満である
☑ ビールをよく飲む
☑ 運動不足
☑ 激しい運動をすることが多い
☑ ストレスを感じることが多い
☑ 睡眠不足な生活
該当するものが多ければ多いほど、尿酸値上昇や痛風に気を付けなければなりません。
☑ 肉料理を多く食べる
☑ レバーなど内臓料理を食べることが多い
☑ 野菜はあまり食べない
☑ 水やお茶などの水分摂取が少ない
☑ 肥満である
☑ ビールをよく飲む
☑ 運動不足
☑ 激しい運動をすることが多い
☑ ストレスを感じることが多い
☑ 睡眠不足な生活
痛風にならないための予防法ってある?
適度な運動
食生活の乱れや、暴飲暴食による肥満が尿酸値を上げると痛風の原因となるため、定期的に続ける適度な運動が必要です。ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動が効果的です。
バランスの良い食生活
痛風の原因であるプリン体を多く含む食品を避け、尿酸値を下げる働きのある野菜や乳製品を積極的に摂取しましょう。
水分摂取を多く
尿酸の処理法です。たくさん飲むことで、水分と一緒に体外へ排出するようにしましょう。
飲酒コントロール
ビールはプリン体が多く含まれているので、飲む機会が多い人は、ビール以外の物を選択するなど工夫をしましょう。
ストレスを解消
ストレスの蓄積がホルモンを刺激して尿酸値が上がり、痛風へつながる結果になることが研究から明らかになってきています。
ストレスを溜めないことは意外に難しいので、解消方法を見つけるようにしましょう。
ストレスを溜めないことは意外に難しいので、解消方法を見つけるようにしましょう。
痛風になってしまったら継続的な治療が必要
痛風発作に対する治療
痛風でも、痛みの度合いによって内服薬が違いますが、たいていは非ステロイド性抗炎症薬の内服治療。重症な場合はステロイド剤を使用します。
しかし、ステロイドは副作用も強いため、他の持病などによっては適応できないものもあります。
しかし、ステロイドは副作用も強いため、他の持病などによっては適応できないものもあります。
高尿酸血症に対する治療
痛風を治すには、尿酸値のコントロールが必要になってきます。
年齢や環境にもよりますが、一般的には、血液中の尿酸値6mg/dl以下を目標に食事指導や、生活習慣の改善をベースに、尿酸値降下薬の内服治療などが行われます。
しかし他に持っている病気や合併症との関係で投与内容が調整されることがあります。
年齢や環境にもよりますが、一般的には、血液中の尿酸値6mg/dl以下を目標に食事指導や、生活習慣の改善をベースに、尿酸値降下薬の内服治療などが行われます。
しかし他に持っている病気や合併症との関係で投与内容が調整されることがあります。
via media.salon.com
まとめ
痛風は足の指の病気ではないこと、生活内容によって十分に誰にでも現実となる病気だということが、ご理解いただけたと思います。
痛みは生活全てに悪影響を与えます。
自分の身体と生活をより良く維持するためには、尿酸値を上げないようにしながら、痛風を回避することが必要ですね。
まずは、自分のできることから見直しと改善を図ってみてはいかがでしょうか?
痛みは生活全てに悪影響を与えます。
自分の身体と生活をより良く維持するためには、尿酸値を上げないようにしながら、痛風を回避することが必要ですね。
まずは、自分のできることから見直しと改善を図ってみてはいかがでしょうか?
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会