リウマチとは

リウマチ(関節リウマチ Rheumatoid Arthritis)は、『膠原病(こうげんびょう)』と呼ばれる、皮膚や骨、靭帯、腱、血管、内臓などに炎症を引き起こす病気の一つです。
主に手足の関節に腫れや痛みといった炎症が出現し、軟骨や骨が破壊され、そのままにしておくと関節の変形が進行してしまいます。
主な症状は四肢の関節に出現しますが、関節のみならず心臓・肺・血管・筋肉・皮膚など全身に病変が及ぶこともあります。
以前は『慢性関節リウマチ』と呼ばれていましたが、全ての患者が慢性の経過をたどるわけではなく、現在は『関節リウマチ』が正式な呼称となっています。

リウマチの症状

リウマチの初期症状は関節の炎症に伴う腫れ、痛み、発熱などです。
病気が進行すると、関節の軟骨や骨が破壊されるようになり、関節の変形や脱臼が生じることがあります。
末期には関節が強直(変形したまま動かなくなること)し、仕事や家事、日常生活を行うにも支障が出てきます。
リウマチの症状は朝起きた時に出やすく、これを『朝のこわばり』と呼びます。
朝の身支度などをしている際に症状に気づくこともあるでしょう。

症状は左右対称性に出現することが多いですが、中には片方の手や膝だけなど、初期には一つの関節から発症する場合もあります。

リウマチの原因

リウマチは膠原病と呼ばれる自己免疫疾患の一つです。
人の身体には免疫といって外部の敵から自身を守る仕組みがありますが、この免疫の異常によって自らの関節の組織を破壊してしまうのがリウマチです。

このような自己免疫疾患が発症する原因は未だにはっきりと分かっていませんが、発症しやすい体質があるようです。
家族内で発症する例もありますが、必ずしも遺伝的に発症する訳ではなく、いわゆる遺伝病ではありません。

男女比では圧倒的に女性がかかりやすく、年齢的には30~50代の中年で発症する場合が多いです。

リウマチの治療

リウマチを根本的に治すことは難しく、症状を安定させたり、病気の進行を抑えたりして、生活の質を保つことが目標となります。
そのために、薬物療法、リハビリテーション、外科手術などを行うことがあります。

薬物療法では関節の痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ステロイド、抗リウマチ薬などを使用します。
薬の服用によって副作用が出現する場合もあるので、医師・薬剤師の指示に従い、適切に服用する必要があります。

リハビリテーションではリウマチ体操など、関節に負担をかけずにできる適切な運動を実施し、関節が固くなることを防ぎます。
また、痛みを軽減するために温熱療法などの物理療法を実施することもあります。

関節の変形が進行し、痛みが強い場合は、外科手術が選択されることもあります。
膝関節や股関節の人工関節置換術(変形したり、疾患があったりする関節を人工のものと取り換える手術)は、代表的な手術療法です。

リウマチの鍼灸治療

リウマチは鍼灸治療の健康保険が適用となる疾患の一つです。
鍼灸で身体を効果的に刺激することにより、リウマチの痛みが改善される場合があります。

保険で治療を受ける場合は、医師の同意書が必要になります。
リウマチの鍼灸治療に興味のある方は、まず担当医師と鍼灸院に相談してみましょう。

おわりに

リウマチについて原因、症状、治療方法について解説しました。
リウマチにはなかなか人には分かってもらえない辛さがあります。

痛みが一生続くのではないかと不安を抱えながら過ごしている方も多いでしょう。

初期に適切な治療を受ければ、症状の進行を抑えることができる可能性が高くなります。
気になる症状がある方はリウマチ専門医・整形外科医など専門家に診てもらいましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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