はじめに

肩こりや不眠、冷え性、便秘等、病院に行く程ではないけど、何となく体調が悪いな、改善したいなという身体のお悩みはありませんか?

そんな方には、最近話題になっているピルビスワークが良いかもしれません。

最近は産婦人科等でも骨盤呼吸法やピルビスワークは注目されていて、妊娠後期にお腹が大きくなって眠りが浅い方にも効果があり、また産後ダイエットにも良いと推進している病院が増えています。

今回はピルビスワークとは何なのか、その効果について詳しくお伝えしていきます。

ピルビスワークとは

ピルビスは骨盤、ワークは呼吸体操を意味します。

ピルビスワークは骨盤から脊柱を通って頭蓋骨の後ろまでを連動させる骨盤呼吸法を用いて全身の骨格と筋肉の調整を行う体操です。

深い呼吸をしながらストレッチをする事で、身体の歪みを改善し、それによって身体だけではなく、心の安定も図れます。

では、骨盤が歪むとはどういう状態なのか?ピルビスワークによってどんな事が改善されて、身体にどんな効果があるのかを見ていきましょう。

ピルビスワークの効果

骨盤は身体に以下のような非常に大事な役割を担っています。

・臓器を守る(膀胱、生殖器、直腸等)
・大きな血管、リンパ節、神経が集まっている
・骨格の中心に位置していて身体全体を支え、バランスをとっている

つまり、骨盤が歪むと血液や体液の流れが悪くなってしまい、慢性的な肩こり、腰痛、頭痛、肥満、生理痛、不眠、冷え性、便秘、下半身太り等、全身のあらゆる部位に悪影響を及ぼします。

血流が悪くなるので新陳代謝が下がり、身体に老廃物や蓄積させる原因にもなります。

つまり骨盤が歪むと全身のあらゆる機能が低下してしまい、痩せにくい身体になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。よって骨盤を正しい位置に戻してあげるピルビスワークはダイエット効果の他に、健康面でも非常に良い運動なのです。

ピルビスワークは深い呼吸法なので、血流が良くなって身体の中に酸素を沢山送り込む事ができるので、細胞が活性化され、骨盤を柔軟にするので歪みを改善できます。
血流が良くなるので新陳代謝がアップし、身体の中に溜まっていた老廃物や排出してくれる効果もあります。

そして血流や代謝が良くなると、自律神経やセロトニン等のホルモンのバランスまで良くなります。
ホルモンの分泌が良くなると、質の良い睡眠が得られ、精神的に安定しますので、心も健康になれるというわけです。

また、骨盤だけではなく、脊柱から頭蓋骨の後ろまで連動したストレッチを行いますので、全身の細胞に送られる脳脊髄液の循環も良くしてくれます。

脳脊髄液は脳や脊柱を衝撃から守る他、栄養補給や不要物の除去の役割がありますが、これの循環が悪いと頭痛や嘔吐を引き起こしてしまいます。脳脊髄液の循環が良くなれば、頭痛も改善されます。

ピルビスワークのやり方

ピルビスワークは以下の方法で行いましょう。

先ずは骨盤呼吸法から説明します。

1.仰向けに寝て足を肩幅に開いて膝を曲げましょう。この時、背中全体を床にしっかり付けて下さい。
2.頭の先から骨盤までを真っすぐになるように調整しましょう。
3.鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませ腰を反らせます。背中と床の間に手が入るのが良い状態です。
5.鼻からゆっくりと息を吐きおなかをへこませて、浮いた腰が床にペタンと着くまでしっかりと息を吐ききります。

注意点として身体を無理に反るのは止めましょう。
腰痛があったり、身体が固い方等は、無理をすると怪我の原因になります。
呼吸法をやっているうちに筋肉が解れて自然と反れるようになるので、先ずは呼吸を意識して、骨盤と背骨を動かすイメージを持って行う事が大切です。

次にストレッチの基本です。

1.仰向けの状態で右膝を抱えます。
2.右手で右膝を持ち、右膝を外側に開きます。かかとは膝より高い位置で維持しましょう。
3.この姿勢のまま、3回程ゆっくり深呼吸します。
4.一度右膝を中央に戻し、今度は内側に倒します。右腕を斜め上に伸ばし、右腕から右膝までが斜めになるように腰を捻ります。
5.この姿勢のまま、3回程ゆっくり深呼吸します。
6.右膝を中央に戻し、左半身でも同じように行いましょう。

足を外側に開く事で骨盤が開き足を内側に閉じる事で骨盤が締まります。

これを毎日行う事で骨盤から背骨、股関節の運動になり、身体の歪みが矯正され、身体のバランスを整える事ができます。

ピルビスワークを行った方が良い人

ピルビスワークは誰でもできる簡単な呼吸法と運動ですが、特にこんな人に良いです。

・産後の方、出産経験がある方
・左右で身体の柔軟性が違う方
・肩こりや腰痛にお悩みの方
・身体に不調を感じている方
・不眠症やうつ病等の精神的ストレスを抱えている方
・ボディメイクをしたい方

激しい運動ではないので妊娠中の人も安心して行えます。

赤ちゃんの胎動も活発になるので元気にお腹を蹴るのは嬉しいですが、眠っている時に蹴られて目が覚めてしまう事もあると思います。一度目が冴えてしまうとなかなか眠れないなんて事も多いかと思います。

そんな時に呼吸法だけでも実施するとスッと眠りに就く事ができます。

また、自然分娩で赤ちゃんを出産する時、赤ちゃんはママの骨盤を押し開いて出てきます。つまり、出産した後はどうしても骨盤が緩んで歪みやすくなります。ピルビスワークなら簡単に妊娠前のキレイな身体に戻すことができます。

ピルビスワークはちょっとした時間で実践できるの妊娠中や妊娠後の方へお勧めです。

ピルビスワークを行うとホルモンの分泌も活発になって、眠りに必要なセロトニンやメラトニンの分泌も良くなるので自然と深い眠りに就く事ができるようになります。
そしてホルモンというものは人間の感情の部分に大きく関係していますので、それがスムーズに分泌される事で精神的に落ち着く効果が期待でき、情緒の安定にも良い影響をもたらしてくれます。

まとめ

ピルビスワークは誰にでも簡単にできる呼吸法とストレッチです。

これを行う事で骨盤から背骨の後ろまでの歪みを矯正し、身体全体の骨格や筋肉を調整して、健康的な身体に戻してくれます。

やり方も非常に簡単で、激しい運動ではないので妊娠中や体調が悪い方でも安心して行えます。
ピルビスワークを取り入れ、健康的かつ、精神的に安定した生活を送りましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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