はじめに

2016年は新垣結衣さん主演の『逃げるは恥だが役に立つ』が大ヒットしました。このドラマは契約結婚がテーマのラブコメです。結婚する前に生活費の分担、離婚したときの財産分与の取り決めを行い、不要な争いを起こさないという考えがありました。

この契約結婚、実際にしている方たちもいるらしいのですが、ドラマと現実ではどうやら目的が異なるようです。

どういうことか、早速見ていきましょう。

逃げ恥のストーリーのおさらい

主人公の森山みくりは大学院を卒業したが、就職難のため派遣社員として働きはじめました。しかし、派遣切りに遭い、無職となってしまいます。

そんな状態のみくりを見かねた彼女の父は、家事代行サービスを利用していた元部下の津崎が、折よく代行の会社を替えようとしていたところを頼んで週一回仕事をとってきました。

津崎は性格的にあまり人に干渉されることを好みませんが、みくりとはよい距離感と関係を築いていきます。

そんなとき、定年を機に田舎に両親が田舎に引っ越すことになります。両親とは別に都会での現状を維持したいみくりは、津崎に就職としての結婚を申し込みます。

その提案を前向きに津崎が承諾し、2人は雇用主と従業員という関係の契約結婚の道を進むこととなります。

結婚式は挙げず、事実婚という体で周囲へのあいさつを乗り切りました。
しかし、2人のよそよそしさをいぶかしむ津崎の同僚、風見・沼田、みくりの叔母である百合の目をごまかすためハグの日を設けるなどして親近感を出し周囲にアピールします。

そうこうしてるうちに2人の間に本当の恋愛感情が芽生え始めるというストーリーです。

契約結婚は現実に可能?

夫が雇用主、妻が従業員という関係はドラマだから納得できますが、現実的に契約結婚は可能なのでしょうか? また、事実婚とはどう違うのでしょうか?

契約結婚の場合は、あらかじめ夫婦で結婚生活の決め事・約束事を設けておきます。法律に反しないことならどんなルールでも構いません。

例として会計は別々にする、浮気してもいい、結婚生活をいつまで続けるか期限を決めるなどがあげられます。

一方で事実婚は、婚姻届けを出してはいないが、婚姻届けを出した夫婦と同じように生活を送ることです。もちろん婚姻届けを出していないので、夫婦とは認められません。

契約結婚は事実婚とは違い、婚姻届けを出す場合と出さない場合があります。

契約結婚は法律違反?

偽装結婚とは違い、契約結婚は違法ではありません。
偽装結婚との違いは夫婦として生活する意思があるかどうかです。偽装結婚は夫婦として暮らす意思がないのに、相続のためなどの理由で籍を入れることです。契約結婚は違法ではないので、実際やろうと思えば可能なのです。

お金を払って相手を募集してもいいの?

お金を払って募集しても問題ありません。いわば通常の婚活と同等にみなされます。

実際インターネット上には契約結婚を募集している掲示板への投稿は多数あります。
どういう方が募集をしているのかというと、同性愛を理解した上でのパートナーとしての結婚、性的行為がなくてもいい方、3~5年の短期間結婚してくれる方などです。

同性愛者については広く知られていますが、他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない方たち、恋愛感情は持つが性的関係は求めたくないといった方たちの認知度は低いのではないでしょうか。
こういう方々が契約結婚を選ぶ傾向にあります。

給料に関してはドラマと違い、お金を支払っての契約募集は少ないです。
これはドラマと現実の違いというより求めているものの違いだろう思われます。ドラマでは家事代行の意味合いが強かったですが、現実は自分の事情を理解した上で結婚してくれるパートナー選びという意味合いが強いのです。

夫婦のあり方とは

昔と違い、現代では夫婦のあり方も多様です。
今回のドラマ『逃げ恥』の契約結婚についても、ネット上では「お互いが納得しているならいいと思う」という意見が「生まれてくる子供が辛い思いをしそう」という意見を上回っていました。

他にも、契約結婚にたいするこんな口コミがありましたのでご紹介します。

・結婚に正解はないので、お互いがいいと思えるなら契約結婚でも問題ない

・結婚はそもそも契約のようなもの。より具体的にルールを決めておくというだけで、それほど特別なことでないと思う

このような肯定的な意見が多くある一方で、ネガティブな意見もありましたのでご紹介します。

・契約というと機械的に物事を進めるイメージがある。結婚は愛があってするものだ。契約結婚には冷める

・何かあっても契約だからと割り切れるのか?ドラマのように本当に好きになったらどうする?

否定的な意見には、愛のない結婚は冷たく味気ないというものが多数ありました。

まとめ

現代の結婚に対する価値観はさまざまです。

今はまだマイノリティですが、契約結婚に賛成の声も意外と多く、これから契約結婚というスタイルは増えていくかもしれません。

ただ、子どもの問題もあるので2人だけの問題としないできちんと考えてから契約結婚をするかどうか決めることが大切です。

関連する記事

関連するキーワード

著者