はじめに
オリンピックを始め、さまざまなスポーツにおいて成績を向上させるために医学的な側面からスポーツ選手の運動能力を向上させようという取り組みがされてます。これをスポーツ医学といいます。
歯科においても同様の取り組みがなされており、歯科の場合はスポーツ歯科とよばれています。スポーツ歯科では、マウスガードの効果や噛み合わせとスポーツの関係など研究されています。
今回は、歯の噛み合わせとスポーツの関係についてお話します。
歯科においても同様の取り組みがなされており、歯科の場合はスポーツ歯科とよばれています。スポーツ歯科では、マウスガードの効果や噛み合わせとスポーツの関係など研究されています。
今回は、歯の噛み合わせとスポーツの関係についてお話します。
噛み合わせとスポーツの関係
上下顎の歯でぐっと食いしばると、瞬間的に全身の筋力を高めることが出来ることが明らかになっています。重たいものを持ち上げる時に、上下の歯を噛みしめた経験ありませんか?反対に、口をぽかんと開けたままでは重いものを持ち上げにくくなります。このことからも噛みしめることで、力が入りやすくなり、より重たいものを持ち上げることがわかります。
また、噛みしめるという行為は、全身の筋肉を強ばらせる効果もあります。この筋肉を強ばらせる効果には、関節を固定する働きもあります。関節を固定することで、身体の安定感が高まります。したがって上下の歯で噛みしめる、食いしばるということは身体の安定にも寄与しているのです。
また、噛みしめるという行為は、全身の筋肉を強ばらせる効果もあります。この筋肉を強ばらせる効果には、関節を固定する働きもあります。関節を固定することで、身体の安定感が高まります。したがって上下の歯で噛みしめる、食いしばるということは身体の安定にも寄与しているのです。
噛み合わせが悪いと起こる危険性
人間が噛みしめる力はとても強いものです。実は、健康な成人男性の場合、最大で100[kg]、平均しても60[kg]ほどの力で噛みしめることが出来ます。
噛み合わせが悪くても、これくらいの力で噛みしめることは可能です。ただ、もし噛み合わせが悪い状態で噛みしめると、噛みしめた力を歯全体に均等に分散させて、顎骨に伝えることが出来なくなります。
いずれかの歯に力が集中することになります。そのために、場合によって歯が割れたり、かけたりすることがあります。
また、噛み合わせが悪いままで噛みしめると、左右でバランス良く噛みしめることが出来なくなるので、筋肉のバランスが変化し、身体をしっかり安定させることが難しくなることもあります。
噛み合わせが悪くても、これくらいの力で噛みしめることは可能です。ただ、もし噛み合わせが悪い状態で噛みしめると、噛みしめた力を歯全体に均等に分散させて、顎骨に伝えることが出来なくなります。
いずれかの歯に力が集中することになります。そのために、場合によって歯が割れたり、かけたりすることがあります。
また、噛み合わせが悪いままで噛みしめると、左右でバランス良く噛みしめることが出来なくなるので、筋肉のバランスが変化し、身体をしっかり安定させることが難しくなることもあります。
噛み合わせが良いと起こる効果
しっかり噛みしめられる
噛み合わせを良くすると、しっかりと噛みしめることが出来る様になります。スポーツのとき、ぐっと噛みしめやすくなるので、力を込めやすくなります。すると、スポーツ選手の運動能力の向上を図ることが出来ます。
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噛み合わせの力を分散出来る
噛み合わせが良いと、噛んだときにかかってくる力を全ての歯に均等にかけることが出来ます。そして、その力を顎骨に逃がすこともスムーズに出来ます。その結果、転倒や交通事故、スポーツの際に力が一部の歯にかかることで歯が欠けたりするリスクを下げることが出来ます。
むし歯や歯周病になりにくくなる
噛み合わせが良くなると、歯磨きがしやすくなります。むし歯や歯周病は、むし歯菌や歯周病菌によって引き起こされます。こうした細菌は歯の表面についたプラークにいます。歯磨きがしやすくなることで、プラークを取り除きやすくなります。その結果、むし歯や歯周病になりにくくなります。
顔つきが良くなる
歯並びが良くなることで、顔つきも変わってきます。
食べ物が消化しやすくなる
しっかり噛める様になります。食べ物をより小さく消化しやすい大きさ、硬さにすることができます。その結果、胃や腸に負担がかかりにくくなります。
顎関節症になりにくくなる
顎関節症の原因はさまざまです。原因のひとつに噛み合わせが考えられています。噛み合わせが良くなることで、顎関節やお口を開けたり閉じたりするための筋肉にかかる負担が軽減され、顎関節症になりにくくなります。
噛み合わせを良くする方法
むし歯治療
むし歯で歯に穴が開いた状態では、噛み合わせは良くなりません。小さなむし歯であれば、コンポジットレジンとよばれるプラスチック製の詰めものや、インレーという小ぶりの銀の詰めもので治せます。さらに大きく深いむし歯に対しては、歯の神経をとったり、銀歯を被せたりして治します。
ブリッジや入れ歯治療
むし歯や歯周病などが原因となり、歯を抜いたあと、そのままにしていては噛み合わせることができなくなります。
そこで、ブリッジや入れ歯を装着して噛める状態にします。ブリッジとは、銀歯の様に接着剤で固定する人工歯です。大きさもさほど大きくなく違和感も少ないのですが、歯を削らなければならないというデメリットがあります。
一方、入れ歯は全部床義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)があります。部分床義歯は、歯が何本か残された場合に用いられます。接着剤で固定せずに、歯に金具をかけて装着するタイプの入れ歯です。全部床義歯は、歯が全くなくなった場合に用いられます。金具をかけることが出来ないので、お口の粘膜に吸着する作用で安定を図ります。どの方法が適しているかは、失った歯の位置や本数によって変わってきます。
そこで、ブリッジや入れ歯を装着して噛める状態にします。ブリッジとは、銀歯の様に接着剤で固定する人工歯です。大きさもさほど大きくなく違和感も少ないのですが、歯を削らなければならないというデメリットがあります。
一方、入れ歯は全部床義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)があります。部分床義歯は、歯が何本か残された場合に用いられます。接着剤で固定せずに、歯に金具をかけて装着するタイプの入れ歯です。全部床義歯は、歯が全くなくなった場合に用いられます。金具をかけることが出来ないので、お口の粘膜に吸着する作用で安定を図ります。どの方法が適しているかは、失った歯の位置や本数によって変わってきます。
矯正歯科治療
歯並びを治すのは、矯正歯科治療になります。矯正歯科治療では、マルチブラケット法やマウスピース法がよく用いられます。
マルチブラケット法とは、歯にブラケットとよばれる金具を装着し、その中央にワイヤーを通します。ワイヤーは全ての歯にかかる様になっていて、ワイヤーの弾力を使って歯を動かす矯正歯科治療法です。矯正歯科治療といえばこちらを連想するほど、オーソドックスな方法です。
マウスピース法とは、マウスピースを24時間装着してマウスピースの形に合う様に歯を移動させる矯正治療法です。マルチブラケット法と比べて目立ちにくいのですが、適応範囲はマルチブラケット法のほうが広いです。
マルチブラケット法とは、歯にブラケットとよばれる金具を装着し、その中央にワイヤーを通します。ワイヤーは全ての歯にかかる様になっていて、ワイヤーの弾力を使って歯を動かす矯正歯科治療法です。矯正歯科治療といえばこちらを連想するほど、オーソドックスな方法です。
マウスピース法とは、マウスピースを24時間装着してマウスピースの形に合う様に歯を移動させる矯正治療法です。マルチブラケット法と比べて目立ちにくいのですが、適応範囲はマルチブラケット法のほうが広いです。
おわりに
噛み合わせは運動能力と関係しています。しっかり噛みしめることが出来れば、力を込めやすくなります。もし、噛み合わせが悪ければ、噛みしめた時に歯が欠けてしまう可能性があります。
噛み合わせをよくすることで、こうしたリスクを軽減し、力を込めやすくすることが期待されます。
もしご自身の噛み合わせが悪いと感じていらっしゃる場合は、適切な治療を受けるようにしましょう!
噛み合わせをよくすることで、こうしたリスクを軽減し、力を込めやすくすることが期待されます。
もしご自身の噛み合わせが悪いと感じていらっしゃる場合は、適切な治療を受けるようにしましょう!
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会