ダイエット中でも「ご飯」が食べたい!

ダイエットをしていると、ついついご飯の量を減らしたり抜いたりしてしまいがちの人もいるのではないでしょうか?ですが、丼物やリゾットなど、ご飯なしでは成り立たないメニューもあります。

それになにより、ご飯を全く食べないのはとても大変です!

そんなときの強い見方が「もち麦」です。あまり聞きなれない人も多いかもしれません。
今回はこのもち麦についてご紹介します。

もち麦とは

そもそももち麦とはどんな食材なのでしょうか?
もち麦の特徴や栄養を知れば、もち麦ダイエットの仕組みがみえてきます。

もち麦って?

もち麦とは、大麦の一種です。

お米にも、うるち米ともち米があります。
そして麦も、うるち麦ともち麦に分けられます。
ちなみに、知名度が高い「押し麦」はうるち麦です。

もち麦とは、もち米のように
・水分量が多い
・もちもちとした食感
・弾力が強い
などといった特徴を持っています。

もち麦の栄養

もち麦に含まれている栄養です。
季節や製品によって多少の変動はありますので、およその目安とお考え下さい。

※100g中
エネルギー:339kcal
食物繊維:12.9g
βグルカン(水溶性食物繊維:3.9g)
鉄分:1mg
カルシウム:17mg
ビタミンB1:0.06mg
ビタミンB2:0.04mg

このなかで特に注目したいのが、食物繊維です。

白米と比べると?

ご飯と言えば「白米」ですよね。お茶碗1杯分の量で比較したとき、もち麦のカロリーは実は決して低くありません。白米と同等か、やや低い程度。これがどうしてダイエットにつながるのかは疑問です。

その理由は、食物繊維にあります!
精米済みの白米の場合、食物繊維量が減少してしまいます。その量は100g中たったの0.6g程度。ところが、もち麦は約13gも含まれています。なんと、白米と比べると20倍以上も食物繊維が含まれているのです。

なかでも、もち麦の食物繊維は特別にダイエットに向いているんです。
その理由は、水溶性食物繊維であるβグルカンという成分にあります。

詳細については、もち麦ダイエットの効果のところで詳しくお話ししましょう。

もち麦ダイエットのやり方

食物繊維が豊富なため、ダイエットに効果があるとされる「もち麦」。
では、食事の中にどのようにもち麦を取り入れていったらよいのでしょう?もち麦ダイエットの方法を紹介します。

基本は白米と混ぜて

もち麦ダイエットの基本は、白米の代わりに使用することです。

ただし、白米を全てもち麦に置き換えるのではなく、白米の一部をもち麦に変えるという方法がおすすめ。
例えば、白米100%だったのを、白米:もち麦=1:1や3:1などの割合で炊いていくことです。あとは、普段通りにお茶碗に盛って食べるだけです。

①白米と混ぜて炊く

もち麦は、押し麦や雑穀などと同じように「白米と混ぜて炊く」のが基本です。もちろん、もち麦100%で炊くことに問題があるわけではありません。

ですが、味や食感、色や香りなどの点で、どうしても「違和感」を覚えてしまう人もいるでしょう。白米ご飯を食べなれている私たちには、「白米+もち麦」という食べ方が一番美味しくいただける可能性が高いです。

②スープの具材として

麦や米が具材として使用されているスープは、炊いたご飯とは違う「もっちり」「プチプチ」した食感が人気があります。もちろん、もち麦だってスープに入れてもOK!ただの汁物よりも満足感がUPします。

もち麦ダイエットの効果

もち麦ダイエットの最大のメリットは「満腹感が長持ちする」ことにあります。
その理由が食物繊維。なかでもβグルカンの効果です。

もち麦は満腹感を感じやすい

もち麦は、白米と比べると弾力があり、しっかりした食感を持っています。つまり、飲み込むまでにたくさん噛むことが求められます。噛むことによって満腹中枢が刺激され、少ない量であっても「お腹いっぱい」と感じることができるのです。

さらに、もち麦には食物繊維がたっぷり含まれています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ性質が異なっています。

まずは不溶性食物繊維。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らみます。つまり、「カサマシ」効果があるのです。もち麦の食物繊維量は白米の20倍以上!お腹の中で膨らむため、「お腹いっぱい」になりやすいです。これによって食べ過ぎを防ぐこともできますし、ダイエット中ならではの飢餓感を感じることがありません。

もち麦は「腹持ち」がいい

もち麦は食物繊維が豊富であることはお伝えしましたね。不溶性食物繊維は消化に時間がかかります。つまり、腹持ちがいいのです。

そして、もち麦の腹持ちのよさに貢献してくれているのが水溶性食物繊維であるβグルカン。βグルカンとは糖類の一種ではありますが、分類上は食物繊維として扱われます。キノコ類にも豊富に含まれていることがわかっています。

βグルカンには、一緒に摂取した食品の消化吸収速度をゆっくりにしてくれる働きがあります。そのため、血糖値が急激に上昇することがありません。エネルギーとなる糖分を少しずつ長時間にわたって供給し続けてくれます。

私たちの体は、血糖値が下がると空腹を感じるようにできています。血液中に糖分を長時間安定供給してくれれば、空腹感を感じるまでの時間も長くなります。これがもち麦が「腹持ちがいい」理由です。

もち麦は腸内環境を整えてくれる

近年腸内フローラという言葉が注目を集めています。簡単に言えば腸内環境のことです。私たちの腸の中には、非常に多くの種類の常在菌が住んでいます。それらの働きによって栄養の吸収やお通じが起こったりするのです。腸内環境が乱れてしまうと、便秘や下痢などを引き起こしたり、太りやすくなったりしてしまいます。

腸内に住む善玉菌は糖質が大好きです。特に、胃の中では分解されないまま腸まで届くβグルカンは善玉菌の数をどんどん増やしてくれます。腸内環境が整うことによって、ダイエット効果だけでなく、美容・健康面でも大きな改善効果が期待できるのです。

もち麦の炊き方とおすすめレシピ

なんだかいろいろとスゴイ力をもっている、もち麦。実際にはどのように食事に取り入れていけばいいのでしょうか?もち麦ご飯の炊き方や、もち麦を使った簡単レシピを紹介します。

もち麦ご飯の炊き方

もち麦を炊くときは、もち麦1合に対して水を倍量必要とします。その点が白米とは異なるので注意してください。

まずは基本の炊き方から。
白米ともち麦を1:1で炊く方法です。

・白米ともち麦を1合ずつ
・水は3合分(白米1合、もち麦2合)

①お米を洗う
②もち麦を「洗わず」に加える
③3合分の目盛りに合わせて水を加える
④軽くかき混ぜる
⑤普段通りに炊飯器のスイッチを入れる

白米だけで炊くときとの違いは3つ。
・もち麦は洗わない
・水はもち麦の量の2倍加える
・炊飯前に軽くかき混ぜる
これだけです。
とっても簡単ですよね。

もち麦の食感や風味などが苦手な人は、もち麦の量を減らすことも可能です。
例えば「白米2合、もち麦1合」の場合、加える水の量は4合分になります。

もち麦のスープレシピ

もち麦は、その食感を活かしてスープの具材として使用することもできます。洋食では割とメジャーな食べ方のひとつです。とはいっても、レシピというほどのことはありません。お好みのスープの具材と一緒にもち麦を加えるだけ。あとは火が通れば完成です。

スープジャーを利用すれば、もち麦スープがランチにも楽しめます。朝にジャーの中にスープと生のもち麦を入れておけば、ランチタイムにはもち麦スープができあがっています。

もち麦リゾットのレシピ

もち麦でリゾットを作る場合、ちょっとひと手間必要になります。
それは、もち麦を茹でておくこと。

<もち麦の茹で方>
①もち麦を洗わないまま水を多めに入れた鍋に加える
②火にかけて、沸騰したら1分間茹でる
③火を止め、鍋に蓋をして10~15分そのままにしておく
④ザルにあけ、もち麦を軽く洗う
これで茹で上がりです。目安として生麦の約4倍程度の量です。

茹でたあとは、こちらもお米の代わりにもち麦を使用するだけ。
お好みのレシピをアレンジしてみてください。

もち麦ダイエットの効果は無限大!

ご飯と一緒に炊くだけで簡単に食べられるもち麦。
ダイエット中でもご飯に似た食感のもち麦が食べられるとストレスも減らすことができます。

もち麦のスゴイところは単に痩せるだけではないところにありました。
腸内環境を整えることによって、内側からきれいにしれくれるのです!

毎日の食事にもち麦を取り入れて、健康になりましょう!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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