1.はじめに
風邪をひいた後にゴホゴホと止まらない咳。もしかして肺炎かもしれない!と心配になることはありませんか?
実は長引く咳にもいろいろな原因があり、原因によって予防法も異なってきます。
今回はそんな長引く咳の原因となる病気と、咳の対処法について、詳しく見ていきます。
実は長引く咳にもいろいろな原因があり、原因によって予防法も異なってきます。
今回はそんな長引く咳の原因となる病気と、咳の対処法について、詳しく見ていきます。
2.そもそも咳は何で出るの?咳が出る理由とは?
咳が出る理由
咳(せき)が出る理由を知るために、まずは咳がどのような仕組みで発生しているのかを見ていきましょう。
咳は医学的には咳嗽(がいそう)とも呼ばれ、肺や気管などの呼吸器が、ほこりや煙によって傷ついたり、風邪のウイルスや細菌などによって侵入されないように、口や鼻から入ってきた異物を取り除こうとする防御反応のことを指します。
外から入り込んだ異物は、まず咽頭(喉の奥のこと)や気管、気管支など、空気の通り道となる気道の表面にあるセンサー(咳受容体)によって感じ取られます。その刺激が脳にある咳中枢と呼ばれる場所に伝わると、横隔膜(おうかくまく)や肋間筋(ろっかんきん)などの呼吸をおこなうための筋肉に指令が送られ、空気が一気に吐き出される咳が起こります。この一連の運動を「咳反射」と呼びます。
また咳には、外からの異物だけでなく、気道にたまった痰(たん)を外に排出する役割もあります。
気道には細かい毛(繊毛)と、その表面を覆う粘液(ねんえき)があり、気道の表面を潤して保護しているのですが、この粘液がウイルスやほこりなどの異物をからめ取ったものが痰と呼ばれます。
痰は、外にむかって異物を追い出そうとする繊毛の運動と、咳反射によって外に出されるのです。
知っておきたい2種類の咳の違い
咳は大きく分けると二つの種類に分けることができます。
外からの異物を排出するためにでるコホコホという咳は乾性咳嗽(かんせいがいそう)と呼ばれ、主に風邪の最初の方の症状として見られます。
一方、痰が絡むようなゴホゴホとした咳は湿性咳嗽(しっせいがいそう)と呼ばれ、風邪をひいてしばらくしたころに見られることが多いものです。
同じ席でも原因や症状が異なることがあります。
外からの異物を排出するためにでるコホコホという咳は乾性咳嗽(かんせいがいそう)と呼ばれ、主に風邪の最初の方の症状として見られます。
一方、痰が絡むようなゴホゴホとした咳は湿性咳嗽(しっせいがいそう)と呼ばれ、風邪をひいてしばらくしたころに見られることが多いものです。
同じ席でも原因や症状が異なることがあります。
3.咳が止まらないときに考えられる原因とは?
咳が三週間をこえてもおさまらない場合、単にウイルスなどを排出しようとしているのではなく、ほかの原因で咳が続いている可能性があります。
多くの場合、呼吸器系の他の病気や結核などが原因となっていることが考えられるでしょう。
次に考えられる病気について見ていきます。
多くの場合、呼吸器系の他の病気や結核などが原因となっていることが考えられるでしょう。
次に考えられる病気について見ていきます。
4.咳が止まらないときに考えられる病気とは
では具体的に、咳が長引いているときに考えられる病気を見ていきましょう。
まず最初に、乾いた咳が三週間以上続いている場合、咳喘息、間質性肺炎、薬剤性咳嗽、逆流性食道炎などが考えられます。
まず最初に、乾いた咳が三週間以上続いている場合、咳喘息、間質性肺炎、薬剤性咳嗽、逆流性食道炎などが考えられます。
咳喘息
咳喘息は、一般的に知られている気管支喘息とは違い、呼吸が苦しくなることはありませんが、乾いた咳が長い期間に渡って続くことが特徴です。
将来的に気管支喘息に繋がることも多く、早期に治療することが大切だと言われています。
将来的に気管支喘息に繋がることも多く、早期に治療することが大切だと言われています。
間質性肺炎
間質性肺炎は肺炎の一種で、息切れなどの呼吸困難と共に乾いた咳がでます。風邪などをきっかけに急激に症状が進んでしまう事もあるので、疑いを持ったらすぐに病院にかかるようにしましょう。
薬剤性咳嗽
薬剤性咳嗽とは、薬の副作用によって引き起こされる咳のことで、高血圧の治療に使われる薬などでみられることがあります。咳が気になるようであれば、薬を処方してもらった病院で相談するとよいでしょう。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、何らかの原因で胃酸が食道へと逆流してしまう事によって起こる病気で、げっぷや胸やけの他に咳が続くという症状がみられることがあります。
治療によってよくすることができるので、心当たりがあれば消化器内科へかかってみましょう。
治療によってよくすることができるので、心当たりがあれば消化器内科へかかってみましょう。
次は痰が絡むような咳が続く場合で、このとき考えられるのが、肺結核、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がんです。
肺結核
肺結核とは、結核菌によって引き起こされる感染症で、咳、痰、微熱などが続くことが特徴です。風邪と症状が似ているため間違われやすいのですが、咳、痰、微熱が二週間以上続くようであれば結核の疑いがありますので病院にかかってください。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、多くは長い期間にわたって煙草を吸うことによって引き起こされる病気ですが、喫煙歴のない人でも発症することがあり、長い間咳と痰が続き、呼吸困難もみられます。風邪などをきっかけとして急激に悪化した場合、命にかかわる危険性もあるため、早めの治療が肝心です。
肺がん
肺がんとは、文字通り肺にできたがんのことで、がんの中では最も死亡率が高いといわれています。症状としては長引く咳の他に、胸の痛み、息切れ、血痰、微熱などがあり、これらを感じた場合はすぐに医師にかからなければなりません。また早期発見のためにも、定期検診が有効です。
5.咳と同時に痰も併発している場合の原因
痰が絡んで長引く咳については紹介しましたが、逆に急性の湿性咳嗽にはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なのは、急性気管支炎、胸膜炎の二つです。
代表的なのは、急性気管支炎、胸膜炎の二つです。
気管支炎とは?
気管支炎とは、空気の通り道である気管支がウイルス感染などによって炎症を起こすもので、発熱、咳、痰などの症状が見られます。
胸膜炎とは?
胸膜炎とは、肺を包んでいる胸膜に炎症が起こってしまう病気で、ウイルス感染やがんなどが原因となって起こります。胸膜炎になると咳とともに胸の痛みや発熱、息切れなどが見られます。
6.咳と同時に微熱が出る場合の原因
先ほども紹介した通り、咳とともに熱が出る場合もあります。
主に挙げられるのは、肺結核、肺がん、気管支炎で、特に肺結核や肺がんはすぐに治療が必要なため、おかしいと感じたらすぐに病院にかからなければなりません。
気管支炎も、放置していれば急激に悪化し、呼吸困難に陥る可能性があるため注意が必要です。
主に挙げられるのは、肺結核、肺がん、気管支炎で、特に肺結核や肺がんはすぐに治療が必要なため、おかしいと感じたらすぐに病院にかからなければなりません。
気管支炎も、放置していれば急激に悪化し、呼吸困難に陥る可能性があるため注意が必要です。
7.咳が止まらないときの対処法と咳の予防法
では、実際に咳が止まらない場合に自分でできることについてみていきましょう。
一つ目の対処法は、のどを潤すことです。水をこまめに飲んだり、部屋を加湿したりなど、のどがしっかり湿るような環境を整えると、異物を外へ出しやすくなり、咳もおさまってきます。
二つ目は食べるものに注意することです。熱過ぎるものや辛い物、アルコールなどはのどへの刺激になってしまうため、避けた方がいいでしょう。逆にレンコン、ショウガ、はちみつなどはのどによいとされているため、積極的にとるとよいかもしれません。
三つ目がほこりなどの異物がのどに入らないようにすること。こまめに掃除をしたり、マスクをしたりすることで、刺激の原因となる異物がのどに入らないようにしましょう。
また、たばこものどを刺激して症状を悪化させる原因になるので、控えるようにしてください。
もちろん、これらの対処法をとっても良くならない場合は、病院にかかるようにするのが大切です。
咳の予防に関しても、これらのことを普段から行っておくのが有効でしょう。また、規則正しい生活習慣を心がけ、ウイルスや細菌に負けない体を維持しておくのも、一つの手といえるかもしれません。
一つ目の対処法は、のどを潤すことです。水をこまめに飲んだり、部屋を加湿したりなど、のどがしっかり湿るような環境を整えると、異物を外へ出しやすくなり、咳もおさまってきます。
二つ目は食べるものに注意することです。熱過ぎるものや辛い物、アルコールなどはのどへの刺激になってしまうため、避けた方がいいでしょう。逆にレンコン、ショウガ、はちみつなどはのどによいとされているため、積極的にとるとよいかもしれません。
三つ目がほこりなどの異物がのどに入らないようにすること。こまめに掃除をしたり、マスクをしたりすることで、刺激の原因となる異物がのどに入らないようにしましょう。
また、たばこものどを刺激して症状を悪化させる原因になるので、控えるようにしてください。
もちろん、これらの対処法をとっても良くならない場合は、病院にかかるようにするのが大切です。
咳の予防に関しても、これらのことを普段から行っておくのが有効でしょう。また、規則正しい生活習慣を心がけ、ウイルスや細菌に負けない体を維持しておくのも、一つの手といえるかもしれません。
対処法:のどを潤す
一つ目の対処法は、のどを潤すことです。水をこまめに飲んだり、部屋を加湿したりなど、のどがしっかり湿るような環境を整えると、異物を外へ出しやすくなり、咳もおさまってきます。
対処法:食べるものに注意する
二つ目は食べるものに注意することです。熱過ぎるものや辛い物、アルコールなどはのどへの刺激になってしまうため、避けた方がいいでしょう。逆にレンコン、ショウガ、はちみつなどはのどによいとされているため、積極的にとるとよいかもしれません。
対処法:ほこりなどの異物に気をつける
三つ目がほこりなどの異物がのどに入らないようにすること。こまめに掃除をしたり、マスクをしたりすることで、刺激の原因となる異物がのどに入らないようにしましょう。
また、たばこものどを刺激して症状を悪化させる原因になるので、控えるようにしてください。
また、たばこものどを刺激して症状を悪化させる原因になるので、控えるようにしてください。
もちろん、これらの対処法をとっても良くならない場合は、病院にかかるようにするのが大切です。
咳の予防に関しても、これらのことを普段から行っておくのが有効でしょう。また、規則正しい生活習慣を心がけ、ウイルスや細菌に負けない体を維持しておくのも、一つの手といえるかもしれません。
8.さいごに
今回は様々な咳についてまとめていきました。
咳は身を守るために必須であり、大切な機能ですが、長引くと辛いものがあります。
また、長引く咳の裏には重い病気が潜んでいることもあり、十分な注意が必要です。
たかが咳、と思わず、おかしいと思ったらすぐに病院にかかるようにしましょう。
咳は身を守るために必須であり、大切な機能ですが、長引くと辛いものがあります。
また、長引く咳の裏には重い病気が潜んでいることもあり、十分な注意が必要です。
たかが咳、と思わず、おかしいと思ったらすぐに病院にかかるようにしましょう。
循環器内科
経歴
1998年 千葉大学医学部医学科卒業。
2008年 千葉大学大学院医学薬学府環境健康科学を専攻し、医学博士号を取得。
現在 千葉大学医学部附属病院循環器内科医員として、心臓専門医として診療、研究。
資格
医師免許
活動:
日本抗加齢医学会専門医としてアンチエイジング医学、日本医師会認定健康スポーツ医としてスポーツ医学にも取り組み、各種メディアで活動中。