はじめに

目や鼻、口といったパーツが気に入らない場合、メイク等で修正できますが、顔のしわやたるみ、骨格によるエラの張りは、メイクではどうにもなりませんよね。だからといって顔にメスを入れて整形するのはちょっと気が引けるという方も多いのではないでしょうか?

メスを入れずにどうにか小顔にしたい時、ボトックス注射なら、顔に傷をつけずに小顔になれます。そんな女性の最後の希望ともいえるボトックス注射とは一体どのようなものかを説明していきます。

ボトックス注射とは

ボトックス注射で使われているのは、ボツリヌストキシンという、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、局所の神経と筋肉の間をブロックすることで筋肉の収縮を弱めるものです。代表的な使い方は「しわをなくす」「筋肉を小さくして細くする」「汗を止める」の3つです。

ボトックスは脳から伝わってくる命令をストップさせる作用があります。何でもストップするわけではありませんが、一部の神経に伝わってくる命令をストップさせます。この作用は注射した部分にのみ効きますので、作用を希望する場所に注射をする必要があります。

ボトックス注射の効果

ボトックス注射の効果は主に3つあります。先程も記述しましたが、ボトックス注射を行う事で、「しわをなくす」「筋肉を小さくして細くする」「汗を止める」事ができます。これらがどう美容に効果があるのかを順番に説明していきます。

しわをなくす

しわが気になる部位にボトックス注射を打つとしわを改善する事ができます。しわ取りの為にボトックス注射ができる部位は以下の通りです。

・おでこの横じわ
・眉間の縦じわ
・鼻根(目と目の間)の横じわ
・目尻のしわ
・鼻の下のしわ
・顎の梅干じわ
・首の横じわ

効果としては、表情による動きによって出来るしわを無くす事ができますし、無表情の時に出来てしまっているシワも改善する事ができます。

筋肉を小さくして細くする

ボトックスには筋弛緩作用があり、咬筋にボトックスを注入すると、エラにおいて筋肉の収縮を抑制することができます。その結果、筋肉として張り出していた部分が小さくなり、小顔を目指すことができるというわけです。

ただ、この場合、噛む筋肉である咬筋を衰えさせたら、なにも噛めなくなってしまうのでは?と不安になる方がいらっしゃると思いますが、人間は普段の食事で、筋肉が本来持つ力の半分も使っていません。また、咬筋以外にも噛むための筋肉はあるので、咬筋にボトックスを注入したからといって、ものを噛めなくなることはないので心配はいりません。

汗を止める

しわやエラとはあまり関係ないですが、ボトックス注射をすると注射した部分の汗をかかなくなります。これを利用して汗を止める事が出来ます。例えば下のような部分が代表的です。

・脇汗を止める
・手のひらや足の裏の汗を止める
・頭皮の汗を止める

効果は打った部分の汗がだいたい70%ほど止まるようなイメージです。

ボトックス注射の方法

ボトックス注射を施術して貰うまでの流れについて見ていきましょう。ボトックス注射をする前に医師によるカウンセリングを受け、どこに注射をして欲しいか、どこを改善したいのかを医師に伝えます。その後、注入部位の麻酔クリームを塗布して約30分放置します。麻酔は顔に注射を打ちますので、必要な処置になります。

そして注入ポイントにマーキングし、マーキングした部位にボトックス注射をしていきます。直後は蚊に刺されたようなふくらみがぽつぽつと出ますが、これはボトックスを皮膚の中に注入した為に起こる現象ですので1時間程度で消えてくれます。

施術はこれで終わりです。勿論、メイクをしてお帰り頂けます。

ボトックス注射の費用

ボトックス注射をしわ取りやエラの張りの改善の為に行う場合、保険適応外になりますので、自費負担になります。部位によっても使う薬剤の量等も異なりますので、費用を一概にはいえませんが、費用相場としては、しわ取りの場合、1か所3万円~6万円程度と考えておくと良いでしょう。

またエラの改善等、小顔効果を得たい場合は5万円~10万円程度となっているようです。クリニックにもよりますが、年間保証などをつけるなら15万円以上の料金になることもあります。

ボトックス注射の痛みや副作用

ボトックス注射は身体に異物を注入する事になりますので、当然、痛みが伴ってしまいますし、薬にはボトックスに限らず、少なからず副作用があるのは仕方のない事です。では、ボトックス注射にはどんな副作用があるのでしょうか。

痛み

ボトックス注射の場合は針を刺す痛みの他に、薬物が身体の中に入る時の痛み(注入痛)が大きいのが特徴です。これは表面麻酔で痛みを取ったとしても、薬物体内に入っていく時の痛みは避けられません。

頭痛

ボトックス注射で数日間の頭痛が出現する事があります。自然に治まっていく事が多いですが、痛みが酷くて我慢できない場合は担当医師に相談しましょう。

赤み・かゆみ

注射した場所に赤みやかゆみが出現する事があります。ほとんどの場合、放置しても治まりますが、我慢できない場合や酷くなる場合は担当の医師に相談して下さい。頻度は非常に少ないです。

内出血

注射の針が体の中の血管に当たってしまった場合、そこで出血して内出血になってしまいます。程度にもよりますが、大体4~7日程度で消えるので心配ありません。

まとめ

ボトックス注射について理解していただけましたか。

ボトックス注射は顔の気になるしわやエラの張り等による小顔効果が期待できます。ボトックス注射の効果は主に「しわをなくす」「筋肉を小さくして細くする」「汗を止める」です。

ただし、痛みや副作用も当然ありますし、一度の注射でかかる費用も決して安くはない事も念頭に置いておきましょう。もし痛みや副作用が出た場合は治療を行なった病院にすぐに行くようにしてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者