はじめに

みなさんはムダ毛のお手入れをどのようにしていますか?
身だしなみとしてムダ毛の処理は欠かせません。

今回は医療脱毛とサロン脱毛という2種類の脱毛方法を取り上げて、その違いをお伝えします。

近年はまれにみる脱毛ブーム

脱毛は若い女性だけのものだと思っていませんか?それはもはや過去の話。近年は老若男女幅広い人たちが脱毛に注目しているのです。

男性であればヒゲやスネ、胸毛など。中高年であっても、将来の介護を見越してのデリケートゾーンの脱毛。なんと小学生を対象とした脱毛サロンも存在しているのです。

脱毛のメリットって?

そもそも、どうしてそれほどまでに脱毛希望者が増えているのでしょうか?
脱毛のメリットについて改めて考えてみることにしましょう。

①自己処理の手間や時間が必要なくなる
毎日の自己処理はとっても面倒です。時間もお金もかかります。脱毛をすることによってムダ毛処理の時間や費用を有効に使えるようになる可能性があります。

②美容的観点
これは特に若い人や女性にとっては切実です。男性にとっても、毛深いことは悩みのタネになる場合もあります。特にヒゲは隠すことのできないパーツですから、清潔な印象のためにも脱毛を希望する人が増えています。

③衛生的観点
体毛は、私たちの体を様々な刺激から守ってくれる役割も持っています。しかしその分、雑菌の繁殖しやすい環境を作り出してしまうという諸刃の剣でもあるのです。ムダ毛自体がニオイや感染症の原因になるだけでなく、自己流のムダ毛処理による肌トラブルのキケンも考えられます。
衛生的にみても、脱毛でムダ毛を無くしてしまうことは理にかなっているのです。

④コンプレックスの解消
毛深いことは当人にとっては大きなコンプレックスとなります。そのことに男女差はありません。ムダ毛がコンプレックスになっているせいで、生活を心から楽しめなくなるのはとてももったいないことです。脱毛によってコンプレックスを取り除くこともできます。

医療脱毛とサロン脱毛のレーザーの違い

脱毛といっても、大きく分けて2種類存在しています。
①クリニックなどの医療機関で行われている医療脱毛
②エステサロンなどで行われているサロン脱毛
です。

両者の最大の違いは、取り扱う機械の違いです。それぞれの仕組みを解説しながら、その違いを見ていきましょう。

医療脱毛の仕組み

医療脱毛は、レーザー脱毛とも呼ばれています。メラニン色素に反応するレーザーを肌に照射することによって、毛根の根っこにある毛母細胞を破壊するのが医療脱毛の目的です。

毛母細胞とは、ムダ毛のもとになる卵のようなものです。ここにレーザーでダメージを与えることによって、細胞そのものを破壊してしまおうというのが医療脱毛の考え方です。ムダ毛を作る生産工場そのものを破壊することによって、二度とムダ毛が作られないようにする仕組みが医療脱毛です。

サロン脱毛の仕組み

サロン脱毛も、根本的には医療脱毛と変わらないシステムを採用しています。しかし、違うのはレーザーの出力です。医療脱毛と比べて、その出力は低く抑えられており、毛母細胞を破壊するほどのパワーを持っていません。そのため、サロン脱毛は光脱毛とも呼ばれています。

では、サロン脱毛は全く効果がないのかというと、決してそうではありません。弱いエネルギーであっても、繰り返し照射を行うことによって、毛母細胞にダメージが蓄積されていきます。徐々に細胞を弱らせ、結果的にムダ毛を作り出す力が出せないくらいに弱らせてしまうのが、サロン脱毛の基本的な仕組みです。

医療脱毛とサロン脱毛の痛みの違い

医療脱毛とサロン脱毛の根本的な違いは、使用されるレーザーの強さにあります。ということは、痛みにも大きな差が出てくることが考えられます。医療脱毛とサロン脱毛の痛みにはどの程度の差があるものなのでしょうか?

医療脱毛の痛み

医療脱毛はサロン脱毛と比較すると痛みが強い脱毛になります。レーザーの出力を高く保ったまま、毛根にある毛母細胞に到達させるためです。

レーザー脱毛では、レーザーの持つ熱エネルギーで細胞にダメージを与えます。確実な効果のために、その温度はとても高く、200℃以上にもなるのです。毛母細胞は神経の豊富な皮下組織に直結しているため、その痛みもダイレクトに伝わります。

痛みを例える場合、「輪ゴムではじかれたような痛み」と表現されることがありますが、場所によっては輪ゴムは1本ではなく10本であったり、「熱された針で刺されるような痛み」と例える人もいます。いずれにせよ、レーザー脱毛は痛いと覚悟しておくのが賢明です。

そのため、ほとんどすべてのクリニックでは麻酔処置を行ってもらうことができます。しかしもちろん別途料金を求められるのが一般的です。

サロン脱毛の痛み

医療脱毛と比べると出力が弱い分、サロン脱毛の痛みはとてもマイルドです。痛いというよりも「あたたかさ」を感じる人がほとんどで、部位によってはほぼ何も感じないこともあるくらいです。

特に痛いと言われているVIOのデリケートゾーンですら、「注射などのチクッとした痛みをたまに感じる程度」です。痛みに対して敏感な人にはサロン脱毛が適していると言えそうです。

医療脱毛とサロン脱毛の回数と期間の違い

1回の照射で得られる脱毛効果が違うということは、当然脱毛完了までに必要となる施術回数やトータルの期間にも差が出てきます。医療脱毛とサロン脱毛の差はどの程度になるのでしょうか?もちろん、脱毛を行う部位によっても必要な回数は変わってきますが、平均的な回数を紹介します。

施術は2~3か月おきが一般的

医療脱毛もサロン脱毛も、施術は2~3か月おきに行われるのが一般的です。毛の一生にはサイクルがあり、これを毛周期と言います。メラニン色素に反応するのが脱毛の基本的な仕組みですから、毛根がしっかりと元気なタイミングにあわせて施術を行わなければ、脱毛効果を得ることができないのです。その周期が平均的に2~3か月なのです。

医療脱毛の回数と期間

医療脱毛は一度の照射で高い脱毛効果を得ることが可能です。そのため、すべての毛の細胞を破壊するために必要となる回数は約5~6回程度。脱毛完了までにはおよそ10か月~1年半程度かかることになります。

サロン脱毛の回数と期間

医療脱毛と比較すると、痛みが少なくマイルドな光を使用するサロン脱毛です。一度で毛根に十分なダメージを与えることができません。毛母細胞に十分なダメージを与えるのに必要な回数は、一般的には医療脱毛の3倍の回数が必要になってきます。つまり、2年半~4年半程度もかかってしまうことになります。

医療脱毛とサロン脱毛の費用の違い

さて、痛みとともに気になるのがやっぱり費用です。「医療=高い」、「サロン=安い」というイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?

医療脱毛の費用

医療脱毛は医療機関で行われますが、健康保険を使用する治療とは異なります。クリニックで自由に料金を設定することが可能なのです。そのため、クリニックごとに差が出ていますが、相場として参考にしてみてください。

医療脱毛の1回の照射での費用の目安は5,000円~10,000円程度とされています。全身脱毛を完了させるまでの総額は、40万円~50万円程度が一般的。ただし、麻酔などが必要な場合は別途料金がかかる場合がほとんどです。

サロン脱毛の費用

サロン脱毛は、上手に利用することでビックリするくらい安く全身脱毛を完了させることが可能になります。基本的に、1つのサロンで全身全てを任せる必要はないからです。各サロンによって、目玉となるキャンペーンや割引は異なっています。それらをうまく組み合わせることで、10万円~20万円で全身脱毛を行うことも夢ではありません。

ただし、それにはこまめな情報収集が不可欠。ネットや広告、タウン誌などに日ごろからしっかりと目を通しておきましょう。

まとめ

医療脱毛とサロン脱毛をさまざまな点から比較してきました。

・医療脱毛:1回の施術効果が高い、期間が短くて済む、痛い、高額
・サロン脱毛:出力が低いので痛くない、費用が安い、脱毛完了までの期間が長い
このようになります。

しかし、一番勿体ないのは自己処理を続けることです。自己処理にかかる時間と手間、シェーバーなどの費用を全て考慮に入れると、早く脱毛を済ませてしまった方がダンゼンお得!医療脱毛もサロン脱毛も、無料でカウンセリングを実施しているところがほとんど。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう?

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者