はじめに

顔の小鼻の脇から、口の端までのびている長い溝をほうれい線と言います。

笑っていなくてもほうれい線が目立つようになると、しわが増えたようで暗い気持ちになる女性も多いのではないでしょうか?

ほうれい線があると顔のたるみが目立ってしまい、何もしていなくても疲れて見えたり、老け顔に見えてしまいます。
では、ほうれい線を目立たなくするにはどうすればよいのでしょうか?

ほうれい線ができる原因とは

鼻から口にかけてできてしまうほうれい線は、目立つと見た目年齢に大きく影響してしまいます。
そんな、厄介なほうれい線ができる原因を見ていきましょう。

肌が乾燥してできてしまう

肌が乾燥するとハリがなくなり、顔がたるんでしまいます。

それを放置すると慢性化した乾燥によって頬のたるみが進行し、消えにくく目立つほうれい線へと変化してしまうのです。

その為、ほうれい線予防には、なるべく肌の乾燥を防ぐ必要があります。

紫外線を浴びる

紫外線が肌に与える影響は、日焼けやシミ、ソバカスだけではありません。

UV-Aと呼ばれる波長の長い紫外線は、肌の奥の真皮にまで悪影響を及ぼし、皮膚の弾力に関わるコラーゲンやエラスチンを減少させてしまいます。

そのため、皮膚の老化の進行を早めてしまい、ほうれい線にしわが刻まれてしまう原因となるのです。
その為、紫外線対策を怠るとほうれい線が深くなってしまいます。

顔の浮腫みに注意

顔が浮腫むと、浮腫んだ部位が重くなってしまいます。
それによって、重くなった部分が重力によってたるんでしまいます。

その結果、影のようなほうれい線が目立ちやすくなります。

偏った食生活

偏った食生活を続けていると、必要な栄養素を摂取できずに肌に悪影響を及ぼします。

特にビタミンCが不足してしまうと、肌が荒れやすくなり、肌のハリや弾力が奪われやすいといわれています。
肌にハリがなくなると、その影響が真っ先に現れやすい部位のひとつがほうれい線です。

喫煙もほうれい線の原因に

喫煙していると肌が荒れやすくなってしまいます。
タバコは全身の毛細血管を収縮させるため、血行不良を起こしやすくなるのです。

その為、皮膚にも十分な栄養が行き渡らないので、肌の衰えを早めてしまいます。

タバコはほうれい線に限らず、顔全体のくすみを招いてツヤを奪ってしまうなど、喫煙は肌の調子を全般的に落としかねません。
肌のためには禁煙する事をお勧めします。

老化が原因な事も

勿論、加齢の影響も肌のたるみに深く関わります。

年齢を重ねることは避けられないので、できるだけその影響が現れないように、日頃からさまざまな対策を心がけるしかありません。

ほうれい線手術の種類と方法

スキンケアではどうしようもないほうれい線の場合、手術でほうれい線を消す事が可能です。

しかし、どんな手術がよいのでしょうか?

そんな方のために、ほうれい線を消す為の方法や手術の種類を説明していきます。

ヒアルロン酸を注入する方法

手術というより治療に分類されますが、ほうれい線を消す方法で最もポピュラーで認知されている方法がヒアルロン酸の注入です。この方法はほうれい線の部分に直接ヒアルロン酸を注入し、皮膚を皮下から持ち上げて溝を無くす方法になります。

注射の痛みは麻酔を使って緩和できますので心配ありません。

ヒアルロン酸の注入は、日本国内の美容外科で行われてから10年以上経過していて実績のある治療法です。

高周波治療

ヒアルロン酸注入よりもっと顔全体に若返り効果を得て、さらに効果を長続きさせたい場合は、美容マシンを使った高周波治療が最適です。

高周波の熱で真皮層のたんぱく質を破壊してあえて火傷を作り、創傷治癒のための弾力性の高いコラーゲンを強制的に線維芽細胞に作らせる方法です。

肌内部の火傷の傷が治る3~6ヶ月の間にハリが出ます。

高周波は、他のエネルギー(レーザー、光)では到達できない真皮層までダイレクトに働くのが特徴で、レーザーやフォトフェイシャルに次ぐ、新しい治療方法です。

段階的にリフトアップしていくので、たるみ改善の即効性は感じにくいですが、ハリやツヤ感は施術後すぐに実感できます。

スレッドリフト

スレッドリフトとは特殊な糸を皮下組織に挿入し、糸の反発力などを利用して皮膚を持ち上げる方法です。

皮膚に針で穴を開けて、専用の針で糸を挿入します。
メスを入れずにほうれい線を薄くします。
施術時間は20~30分程度と短く、即効性が得られます。

挿入した糸で皮膚を引き上げるだけではなく、皮下に糸の刺激を与えることで、コラーゲン再生を促しリフトアップする効果もあります。

フェイスリフト

フェイスリフトは耳周りを自然な曲線に沿って切開し、皮膚の下にある筋膜を持ち上げてフェイスラインをシャープに引き上げる方法です。
この方法では10年効果が持続することもあります。

ただし、手術経験豊富な美容外科医師を選ぶことが重要です。

ほうれい線手術の効果

ほうれい線の治療と、手術方法は4種類ある事はご紹介した通りですが、それぞれどの程度効果があるのかをご紹介します。

・ヒアルロン酸

ヒアルロン酸を注入した場合ほぼダウンタイムがなく、注射後はメイクも可能です。
その効果が、持続する期間は個人差もありますが、約6~8ヶ月といわれています。

・高周波治療

高周波治療のあとはタイムダウンがなく、すぐにメイクができます。
その効果は1ヶ月から半年程持続します。その後、半年周期で治療を受けるのが望ましいとされています。

・スレッドリフト

スレッドリフトは、1年半~2年で糸が体内に完全に吸収されるので、継続させるには2年に1回(3Dリフトの場合)再治療が必要になります。
しかし、糸の刺激でコラーゲンが増加するので、糸が溶けた後でも3年程度リフトアップ効果がやや持続するのが特徴です。

・フェイスリフト

フェイスリフトは抜糸をするまでに約1週間かかりますが、一度施術を受けるとご紹介した方法の中では最も効果が持続します。
ただし、個人差や施術する医師の実力にも左右されるので注意が必要です。

ほうれい線手術の費用と期間

ほうれい線の治療や手術は病気ではないので保険適応外になってしまいます。
そこで、それぞれの治療や手術にどれくらいの費用がかかるのかをご紹介します。

ヒアルロン酸を注入した時の費用と期間

ヒアルロン酸の目安は0.1cc4500円からになります。
自然な状態に戻すなら、ほうれい線への注入は左右1ccずつの合計2ccが目安なので、合計9万円程度です。

注入の目安は元に戻ってしまう半年に一度です。

高周波治療の費用と期間

高周波治療の中でも、特に効果が高いとされる「サーマクール」の費用は、15万円程度といわれています 。
効果を持続させるには定期的な治療が必要で、半年に1回程度受けるのが望ましいとされています。

スレッドリフトの期間と費用

スレッドリフトの治療期間は1年半から2年に一度位が望ましいようです。
その費用は1本9万円程度です。

フェイスリフトの費用と期間

フェイスリフトは一度、手術を行えば、その後効果が長く続くことが最大のメリットでしょう。
ただし、手術の費用は大体、100万円程度かかります。

ほうれい線手術の痛みと副作用

それぞれの痛みや副作用について説明していきます。

・ヒアルロン酸

ヒアルロン酸を注入してから起こるリスクは主に2つです。
・注射による色素沈着が起こる場合がある。
・毛細血管の多い鼻の周りは内出血を起こす場合もある。
痛みは注入する時に麻酔を導入してくれますので、施術中は心配ありません。

・高周波治療

施術直後は赤みが出ることがありますが、最新式の高周波であれば、チクッとする程度の痛みです。

・スレッドリフト

スレッドリフトの副作用としては、術後腫れることがあります。
ただ、痛みは殆ど無い治療になります。

・フェイスリフト

手術なのでやり直しがききません。
クリニックや医師選びは慎重に行い、経験の多いクリニックを選ぶ事をお勧めします。
痛みについては、手術中は麻酔を使うので痛みを感じずに施術を受けられます。

手術後は1週間程で痛みは消失します。

まとめ

年齢とともに気になるほうれい線を消す方法を4つご紹介しました。

どれも費用や治療期間に大きなばらつきがありますので、慎重に検討しましょう。

ほうれい線を除去して、素敵な笑顔で毎日を過ごしましょう!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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