ホワイトニングの特徴と効果

『ホワイトニング』とは、元々の自分の歯を漂白し、より白く明るくすることです。
歯は食生活やタバコ、加齢などによって段々と黄ばんでしまいますが、ホワイトニングをすることで、白い歯を取り戻すことができます。
また、白く美しい歯には清潔感があり、爽やかな印象を持ってもらえます。

ホワイトニングには専用の道具を使って自宅で行うものや、歯科で行うものがあります。
保険が適用されないため、費用は自費負担になります。

よく混同されやすいものに歯のクリーニングがありますが、これは歯に付着した歯垢や歯石、着色汚れを取り除き、歯を本来の状態に戻すことを言います。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングは、歯科で行う『オフィスホワイトニング』と、自宅で行う『ホームホワイトニング』、その2種類を組み合わせた『デュアルホワイトニング』に分けられます。

以下、それぞれの特徴や効果、費用、メリット・デメリットをご説明します。

オフィスホワイトニングの特徴

オフィスホワイトニングとは

オフィスホワイトニングは、歯科に通院して歯科医師の管理のもとに行う方法です。
歯の表面に薬剤を塗り、光を当てて薬剤を活性化させ、歯を白くしていきます。
最近では、光を当てる必要のない薬剤もあります。

オフィスホワイトニングの費用

処置費用は保険適用外のため、金額の設定も歯科医院によって異なります。歯をブロックに分けたり、歯の本数で分けたりして料金が設定されています。

ホワイトニングには一般的に1回~数回の通院が必要になりますが、薬剤の種類や効果、通院回数によっても、費用が大きく変わってきます。
金額の目安は、だいたい1回の処置で数千円~1万円程度でしょう。

オフィスホワイトニングのメリット・デメリット

オフィスホワイトニングのメリットとしては、短期間で効果が期待できることと、プロの歯科医に任せられることがあげられます。
何かトラブルがあったとしても、すぐに相談でき、安心して施術を受けられます。

一方、デメリットとしては、色の戻りが起きやすいことと、通院しなければならないことがあげられます。通院の度に数千円から数万円かかるため、経済的な余裕が必要です。

ホームホワイトニングの特徴

ホームホワイトニングとは

ホームホワイトニングは、自宅でホワイトニングを行う方法です。
自宅で行うといっても、最初に歯科医院で歯型をとってマースピースを作り、専用の薬剤を処方してもらう必要があります。型をとったマースピースに自分で薬剤を入れ、歯を徐々に白くしていきます。

ホームホワイトニングの費用

初期費用の相場は、だいたい2万5千円~5万円程度ですが、必要に応じて薬剤の追加購入が必要になります。

ホームホワイトニングのメリット・デメリット

ホームホワイトニングのメリットは、初期段階と薬剤を購入する時のみ通院すれば良いので、通院回数が少なくて済むことです。その分、費用も抑えられます。
また、色戻りもオフィスホワイトニングより少ないので、効果が持続されます。

デメリットとしては、効果が現れるまでに時間がかかることです。
また、マウスピースで喉のあたりが刺激され、吐き気をもよおしたり、嘔吐したりしまう方は、実施が困難なことがあります。

デュアルホワイトニングの特徴

デュアルホワイトニングとは

デュアルホワイトニングとは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法です。
黄ばんでしまった歯を白く美しく戻す方法として、短期間で大きな成果が期待できます。

デュアルホワイトニングのメリット・デメリット

デュアルホワイトニングのメリットは、歯科医院と自宅でホワイトニングを行うため、実施期間が短くて済むことです。
また、ホームホワイトニングを定期的に行うことで、オフィスホワイトニング後の色戻りを防ぎ、白い歯を長期間持続できます。

デメリットとしては、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを同時に行うので、やはり金額が高くなってしまうことがあげられます。
また、効果に個人差が大きいため、人によっては治療が長期化してしまいます。

ホワイトニングの注意点

ホワイトニングを効果的に行うために、注意しておきたいことがいくつかあるので、ご紹介します。

知覚過敏に要注意

歯は表面を覆う『エナメル質』と、内側にある『象牙質』でできています。その中心には『歯髄』という神経が走っており、熱さや冷たさなどの知覚を感じています。
象牙質が何らかの形で表面に出てしまっていると、冷たい物や甘いものを食べたり、風に当たった時に一過性のしみるような痛みを感じます。これを『知覚過敏』といいます。

ホワイトニングする薬剤は、漂白効果の『過酸化尿素』や『過酸化水素』でできているため、知覚過敏のある方は、痛みを感じたり、症状が悪化してしまうことがあります。
特に、濃度が高い薬剤を使うと、健康な歯を持っている方でも、このような症状が出ることがあるため、注意が必要です。

着色しやすい飲食物はNG

ホワイトニング剤の持続時間は8~10時間程ですが、ホワイトニングをしていても、歯の表面には汚れが付着します。
ホワイトニングのマウスピースをしている間や、薬剤の持続時間は、着色の原因となる物を口にしてしまうと、適切な効果が得られなくなってしまします。
この間はコーヒーやワイン、カレーといった着色しやすい飲食物は避けましょう。

汚れがついてしまった場合は、専用の器具を使ってキレイに落とすようにしてください。

できれば禁煙する

歯の黄ばみの原因になるタバコは、ホワイトニング中は禁物です。喫煙習慣のある方には大変ですが、できれば禁煙しましょう。
タバコは黄ばみの原因にもなりますが、呼吸器官の障害や発癌のリスクを高めてしまうなど、身体の他の部分にも悪影響を及ぼします。そのため、やはり禁煙するのが望ましいでしょう。

おわりに

ホワイトニングの種類や特徴、費用、注意点などについて解説しました。

オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングの3種類がありますが、ライフスタイルや予算を考慮し、自分に合った方法を選びましょう。

また、ホワイトニング中は、歯の変色の原因となる飲食物やタバコは避けるようにしましょう。
実施後も、一過性の知覚過敏になりやすいので、注意が必要です。

ホワイトニングにはやや費用がががりますが、白く美しい歯が手に入れたい方、歯の黄ばみや変色が気になる方は、一度歯科医に相談してみててはいかがでしょうか。

監修

・日本口腔外科学会専門医、日本口腔科学会認定医 見立英史

・日本口腔外科学会専門医、日本口腔科学会認定医 見立英史

専門分野
歯科、口腔外科

経歴
九州大学歯学部卒業。2003年歯科医師免許取得。2009年博士号(歯学)取得。九州大学病院顎口腔外科医員。2011年医療法人仁慈会西原歯科勤務。2013年九州大学病院顎口腔外科助教。2016年福岡歯科大学口腔外科助教。2018年長崎大学病院 顎口腔再生外科

資格
歯科医師免許
日本口腔外科学会専門医
日本口腔科学会認定医

所属学会
日本口腔科学会
日本口腔外科学会
日本口腔腫瘍学会

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