はじめに

中高生のころの思春期ニキビと違って、大人になってからできるニキビには「治りにくい」という厄介な性質があります。それは、ニキビができる原因が思春期ニキビと大人ニキビでは異なっているためです。治りにくい大人ニキビへの一番の対策は「ニキビをつくらないこと」なのです。
大人ニキビは予防を主眼に置いた対策が重要です。

ニキビの原因

思春期ニキビと大人ニキビでは、できる原因が全く異なっています。
まずは、大人ニキビができてしまう原因を知ることから始めましょう。

大人ニキビの原因①ホルモンバランス

大人ニキビの原因のひとつとして、ホルモンバランスの乱れがあります。ニキビは毛穴から分泌される皮脂をエサにして細菌が繁殖することが原因で起こります。その皮脂の分泌をコントロールしているうちのひとつが性ホルモンです。ホルモンバランスは、生活習慣やストレスなどの影響を受けやすく、簡単に乱れてしまいます。

女性の体には、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモン、それにアンドロゲンという微量の男性ホルモンが存在しています。これらのバランスが崩れ、男性ホルモンが優勢になってしまうと、皮脂の分泌量や肌の水分量に異常が現れてしまうのです。これが大人ニキビの原因のひとつです。

大人ニキビの原因②肌の乾燥

大人ニキビと思春期ニキビを比較してみましょう。その最大の違いはニキビができる場所にあります。思春期ニキビができるのは、Tゾーンと呼ばれる皮脂の分泌が盛んな部位です。いっぽう、大人ニキビではUゾーンという肌が乾燥しがちな部分ができやすい部位です。

これらのことからのことから考えると、大人ニキビの原因は「肌の乾燥」と深い関係があることがわかります。

肌の乾燥とニキビの関係

ニキビの根本的な原因は、皮脂の過剰分泌にあります。そう考えると、乾燥している肌にはニキビはできにくいように思えます。しかし、肌の乾燥は皮脂の過剰分泌の原因になるのです!

皮脂は肌の水分を保護するための膜の役割をしています。水分量がすくなっている肌は、十分な機能を果たすことができません。ですから体は、これ以上肌が乾燥しないように皮脂をたくさん分泌しようと考えます。その結果起こるのが、大人ニキビです。つまり、肌の乾燥は大人ニキビを引き起こします。

ニキビ予防におすすめの化粧水

肌の乾燥、つまり水分不足が原因で起こっている大人ニキビ。ニキビの予防・対策のためのいちばんのポイントはズバリ「保湿」です。保湿にとって重要な役割を占めているのが化粧水です。

ニキビ予防に効果的な化粧水とはどんなものなのでしょうか?

ポイント①低刺激で肌に優しい

基礎化粧品にはさまざまな成分が配合されています。しかし、乾燥している肌にとっては、刺激の強い成分は逆効果。できるだけ添加物の少ないものを選ぶのが得策です。特に、大人ニキビにとっては、「ニキビケア」をウリにしている製品はかえって悪影響を与えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。

ポイント②消炎効果がある

ニキビとは、毛穴が炎症を起こしている状態のことをいいます。つまり、抗炎症作用をもつ成分が配合されていると、よりニキビに対する効果が期待できます。

おすすめなのが「グリチルリチン酸2K」という成分。薬品のような強い作用はないので、乾燥した肌でも安心して使用することができます。

ポイント③たっぷり使っても安心な価格設定

後述しますが、大人ニキビ対策では、化粧水をたっぷり使用することがひとつのポイントになってきます。
そのためには、価格設定も重要なポイントです。お財布を気にすることなく十分な量を使用できることは、ケアを継続するうえで意外と大切なことです。

ハトムギ化粧水が最強!

さて、上で上げた3つのポイントをすべて満たしてくれる化粧水があります。

それは「ハトムギ化粧水」です!
ハトムギ化粧水はさまざまなメーカーから発売されています。

ハトムギ化粧水は、その名の通りハトムギエキスを主成分とする化粧水です。ハトムギ化粧水には、ビタミン類や消炎成分であるグリチルリチン酸2K、各種アミノ酸なども含まれています。ニキビケアや肌のターンオーバーを促す効果が高いのです。そしてお値段もとってもプチプラ。数百円で500mlなどの大容量ボトルを購入することができます。

化粧水の使い方

化粧水でニキビ予防を行う際、正しい使い方をすることがなによりも肝心です。たとえニキビに対する効果の高い化粧水を使用したとしても、ただ漫然と塗っているだけではあまり効果が得られません。正しい化粧水の使い方をマスターしましょう。

洗顔後すぐに

洗顔直後は肌の皮脂が洗い落とされてしまっている状態にあります。つまり、肌は無防備状態。放っておくと、どんどん水分が失われていってしまいます。洗顔後はできるだけすぐにスキンケアを行うようにしてください。最低でも、洗顔後30分以内には保湿を行うことが鉄則です。

適量を使う

いくら保湿効果の高い化粧水であっても、ケチってチビチビ使っているのでは、十分な保湿効果を得ることはできません。しかし、つけすぎも禁物です。商品ごとの適量を守って使いましょう!

しっかり浸透させる

化粧水は、しっかりと肌に浸透させることで保湿効果を発揮してくれます。そのためにもコットンや手のひらなどで十分に肌にしみこませるようにしてください。その際のコツは、パタパタとパッティングするのではなく、優しく肌を覆うように押さえること。こうすることで、肌の表面を傷つけることなく化粧水をつけることができます。

化粧水を使うときの注意点

化粧水の効果を損なわないためには、少し注意しなければいけないこともあります。どんなことなのでしょうか?

油分も一緒に補う

せっかく補給した水分も、フタをしなければ再び失われていってしまいます。これでは化粧水の効果はほとんど得られません。せっかくの化粧水を無駄にしないためにも、油分でしっかりと肌に膜を作ってあげましょう。化粧水の後に、乳液やクリームなどを追加で使用してください。特に、就寝前や外出前などは重要です。

ゴシゴシこすらない

化粧水や乳液を塗るとき、すりこむようにゴシゴシと行うのはよくありません。洗顔後の肌はとってもデリケート。こするようにしてしまうと、肌表面の必要な角質層が剥がれ落ちてしまいます。やさしく押し当てるように浸透させていきましょう。

終わりに

化粧水で行うニキビ予防法はいかがでしたか?

実はこの方法はニキビにだけ効果を発揮するのではありません。

そもそも、大人ニキビの原因は肌の乾燥によるところが大きいもの。そしてオイリー肌も根本にあるのは肌の乾燥です。十分な保湿を行うことで、肌の乾燥だけでなく、乾燥が原因で起こるオイリー肌やニキビに対しても改善効果が見込めます。

高級化粧品は全く必要ないニキビ予防法。ぜひ実践してニキビとさよならをしましょう!

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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