はじめに

ホットクレンジングを知っていますか?

ホットクレンジングは普通の洗顔とはどんな違いがあるのでしょうか?

ホットクレンジングで美肌を目指したい方のために、今回はホットクレンジングの魅力、やり方、注意点についてまとめました。

メイク残りや皮脂が肌をくすませる

毛穴の目立たないキレイな肌って、女性の永遠のあこがれではないでしょうか?

ですが、毛穴には開いた毛穴に角栓が詰まったり、皮脂の黒ずみなど様々なトラブルが起こります。

その原因、多くはクレンジングにあるのをご存知でしたか?しっかりと落としきれなかったメイクや皮脂は、毛穴を詰まらせてしまいます。その結果、肌のくすみや毛穴の黒ずみを引き起こしてしまうのです。

ホットクレンジングとは

毛穴の中の汚れをよりキレイにしてくれるのが、ホットクレンジングというクレンジング剤です。
一般的なクレンジングとの違いをご紹介します。

温感効果のあるクレンジング剤

ホットクレンジングとは発熱する成分が配合されており、温感効果をもつクレンジング剤のことをいいます。使用すると暖かく感じるために、「ホット」という言葉が使用されているのです。

発熱成分の正体は?

肌に使用すると暖かさを感じるのが、ホットクレンジングの最大の特徴です。
一般的なクレンジング剤では、このようなことは起こりません。いったいどんな仕組みで「発熱」しているのでしょうか?

その成分の正体は「グリセリン」です。グリセリンとは、いわゆる油のこと。化粧品や薬品などにも使用される安全性の高いものです。実はグリセリンには水分と混ざると発熱する作用があり、これを利用したのがホットクレンジングなのです。

ゲルタイプが主流

市販されているクレンジングには、さまざまなタイプのものがありますね。
・オイル
・ミルク
・泡
・シートタイプ
・クリーム
などです。

ホットクレンジング剤では、ゲル(ジェル)タイプが主流です。ゲルタイプとは水分を多く含んだ素材のことです。ゲル状にすることで、グリセリンの発熱効果をより効果的に引き出してくれるのです。

ホットクレンジングの魅力

発熱効果をもつグリセリンが配合されているホットクレンジング剤。
ホットクレンジング剤ならではの魅力とはどこにあるのでしょうか?

魅力①熱でメイクや皮脂を柔らかく

ホットクレンジングの最大の強みは「熱」にあります。

基本的に、メイクや皮脂・角栓などは「油脂分」を多く含んでいます。油分の特徴として、「冷えると固まり、温めると溶ける」ことがあります。この原理をうまく取り入れたのがホットクレンジング剤。グリセリンの発熱効果によって、メイクや皮脂などが除けて柔らかくなります。その結果、キレイに落としやすくなるのです。

魅力②肌に弾力性を持たせる

私たちの肌の中にも、油脂分は含まれています。そこにホットクレンジング剤が触れることにより、肌自体に弾力性が生まれます。これによって、くすみの原因となる古い角質などを剥がしやすくしてくれるのです。

魅力③保湿性が高い

メイクなどの油分が硬いままだと、洗浄力を強くする必要があります。通常のクレンジングではその結果として、本来必要とされる皮脂や肌のバリア成分、保湿成分までも失われてしまうことにつながっていることもありました。

ですがホットクレンジングでは、メイクなどを溶かして柔らかくしてくれている状態です。短時間で不要なものをスルッと落としてくれるため、肌に必要なものまで一緒に奪ってしまうことはありません。ホットクレンジングでは、肌を乾燥から守ってくれる効果が高いのです。

魅力④肌への負担が少ない

肌に必要な潤い成分を残したまま、汚れだけを簡単に落としてくれるのがホットクレンジングのメリット。
また、ホットクレンジング剤はゲルタイプがほとんどなため、ゲルの滑らかな使用感によって肌との摩擦を低くしてくれているのです。ゴシゴシこすらなくても、潤いは残して汚れはキレイに落ちる。ホットクレンジング剤は、肌にとって負担が少ないのです。

ホットクレンジングのやり方

では、ホットクレンジングの具体的な方法を紹介します。商品によって多少異なる点はあるかと思いますので、基本的には商品に記載の方法を優先してください。

①クレンジング剤を手にのせる

乾いた手に適量のクレンジング剤をのせます。

このとき手や顔に水分がついていると、クレンジング剤の効果がなくなってしまいます。濡れているときはタオルなどで拭いてからにしてください。

②顔にのばす

手のひらにクレンジング剤をなじませたら、顔にのばしていきます。
やさしくなでるように行いましょう。

③優しくクレンジング

ホットクレンジング剤では、ゴシゴシこすらなくてもメイクをしっかり落とすことができます。クレンジング中も「滑らせる」ように使用することを心がけてください。クレンジングの目安は1~2分程度です。

④お湯でしっかり洗い流す

せっかくメイクや汚れを肌から浮かせたとしても、それをしっかり洗い流さなければ意味がありません。最低でもぬるま湯以上の温度でしっかりすすいでください。冷たい水では油分が固まってしまい、肌に残ってしまう恐れがあります。とくに、あごやおでこの生え際などは、クレンジング剤が残り安い場所なので注意しましょう。

ホットクレンジングの注意点

肌に負担が少なくて済むホットクレンジングですが、それは正しく使ってこそ。間違った使い方をしては、逆に肌にダメージを与えてしまいます。

ホットクレンジングを使用する際に特に注意したい点を紹介します。

①乾いた手で

クレンジング剤がその機能を発揮してくれるためには、手や顔が乾いていることが重要です。クレンジング剤と肌の間に水分があると、しっかりとなじんでくれません。ホットクレンジングを行う際は、入浴前などがおすすめです。

②ゴシゴシこすらない

肌にダメージを与えてしまう最大の要因が摩擦。つまりゴシゴシこすることです。しっかりメイクを落としたいあまり、ついつい手に力が入ってしまいがちですが、これでは肌表面を傷つけるだけです。

肌の一番上にある角質層は、さまざまな刺激から肌を守る重要なバリアです。これも一緒に落としてしまう要因が「ゴシゴシこする」こと。ホットクレンジングは、やさしく肌表面をなでるだけでも十分に効果が期待できます。

③適量を守る

ホットクレンジング剤だけに限った話ではありませんが、何事も「ほどほど」が大切。通常のクレンジング剤よりもややお高いのがホットクレンジングです。大切に使いたい気持ちもわかります。ですが、少なすぎる量のクレンジング剤では、メイクを十分に落としきることはできません。せっかくのホットクレンジングであっても、そのメリットを活かせないほうが勿体ないです。

また、しっかり落とそうとして多めに使うのもよくありません。肌にクレンジング剤が残りやすく、結果的にすすぎ残しや「擦る」ことにつながるからです。適量は商品によって多少異なりますが、規定量を守って使用するようにしてください。

④長時間使用しない

これもやりがちなNG例です。

クレンジングの目安は1~2分程度。それ以上の使用は逆効果になりかねません。肌に必要な成分までも落としてしまい、肌の乾燥やシミの原因になることもあります。短時間で肌に負担をかけずキレイにメイクを落とせるのが、ホットクレンジングのウリです。それを活かす使い方をしましょう。

⑤しっかりすすぐ

メイクや汚れ・皮脂となじんだクレンジング剤は、ややヌルっとしています。すすぎ残しがないようにしっかり洗い流しましょう。

その際の注意点は2つ。
・ぬるま湯以上のお湯を使用すること
・ゴシゴシこすらないこと
です。

終わりに

グリセリンの持つ温熱効果を利用しているホットクレンジング。メイクをキレイに落とせるだけでなく、肌にとってもダメージが少なくて済むのがメリットです。ですが、その効果を最大限引き出すためには、正しく使うことが重要。

「やさしく丁寧に」を心がけ、美肌を目指しましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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