はじめに

デトックスという言葉をよく耳にすると思います。デトックスが実際どういうものなのかをご存知でしょうか?デトックスしたいと思っている方も多いと思いますが、デトックスは正しい方法で効率的に行わなくてはなりません。

今回はそのようなデトックスの効果や断食の正しいやり方について、お伝えしていきます。

デトックスとは

デトックスとは、身体の中に溜まってしまっている毒素を解かし、尿や汗とともに排出することです。
毒素というのは、身体にとって有害とされる物質をいいます。例えば、排気ガスなどに含まれる金属物質や、食事で過剰摂取した脂質や糖質などです。

毒素を身体に溜め込んだままにしていると、浮腫や肌荒れなどのトラブルを引き起こすだけではなく、病気を呼び込んでしまう恐れもあります。
デトックスは、見た目の美しさのためだけではなく、健康を保つために大切な習慣なのです。

断食でデトックスできるメカニズム

なぜ私達の身体は断食によってデトックスできるのでしょうか。

私達は普段、何気なく食事をしていますが、実は体の中ではその食事を消化吸収するために、膨大なエネルギーを必要としています。
1日3食しっかり食べた場合、その消化吸収に必要なエネルギーは、なんとフルマラソン1回分に相当すると言われています。つまり1日「食事を最低限に抑えること」によって、フルマラソン1回分のエネルギーを、健康維持や病気を治すことに利用できるといえるのです。

通常、3食きちんと食事をすることが健康への近道だと考えます。
しかし、食べ物があふれる現代では、食事に困ることは少なく、私達は栄養過多の状態になりがちです。
そのため、断食は健康的な身体を手に入れられると言われています。
3食必ず食べなければならないというのは、もう昔の話かもしれません。

断食で期待できる身体の変化

断食でのデトックスが身体によいと言われていますが、ここでは具体的に身体がどう変化するのかをお伝えします。デトックスをすると今まで身体に溜め込んでいた毒素や余分な老廃物、水分などを排出してくれます。その結果、以下のような変化が現れます。

胃腸が元気になる

1日3食、食事をするのが基本と言われていますが、現代人は食べ過ぎの傾向にあります。
胃や腸などの消化器は常にオーバーワークを強いられ、働きすぎの状態になっていることが多いです。
断食で胃腸を少し休ませると、胃腸が本来の働きを取り戻し、消化能力、吸収力などを高めることができます。

便秘改善

便秘で悩んでいる方も多いでしょう。胃腸本来の消化能力が落ちていたり、便を肛門へと運ぶ、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が麻痺していたりすることが便秘の原因といえます。
断食すると消化能力が改善するので、便通もよくなります。
また、空腹になると、モチリンという腸の蠕動運動を促す働きのある酵素が出て、蠕動運動が活発になり便秘が改善します。

美肌効果

便秘は肌荒れなどの肌トラブルにも大きく関係しています。
例えば、肉類を多く食べて便秘になると、肉が腸の中で溜まり、腐敗ガスによって腸の壁が荒らされてしまいます。
その結果、腸の壁から本来は吸収されないような老廃物も吸収され、皮膚に吹き出物ができたり炎症が起こることがあります。
また、身体からでる老廃物の8~9割は便で出ますが、便がしっかり出ていないと皮膚から出る老廃物の量が増えるため、吹き出物などになります。つまり、断食によって便秘が解消されれば、美肌の効果もあるのです。

免疫力のアップ

白血球の一種であるリンパ球が増えると、免疫力もアップすると言われています。このリンパ球の70~90%は小腸に存在しているので、腸内環境が悪いとリンパ球が常に刺激を受け、炎症が起こっている状態になってしまいます。断食によって腸内環境を改善させれば、リンパ球の働きもよくなり、免疫力もアップさせることができます。

精神的に安定し、脳が活性化

腸内環境が気分に影響すると言われています。精神を落ち着かせるセロトニンというホルモンは腸内で作られますので、腸内環境が改善すれば気持ちにも変化があると考えられるのです。さらに、断食すると消化のための血液の使用が少なくなるので、脳の血流が高い状態をキープでき、普段より脳が活性化するといえます。

ダイエット効果も

デトックスを行うことで身体に蓄積した余分な老廃物や水分を排出してくれます。
つまり、身体に溜め込んだ脂肪なども一緒に排泄されるのでダイエットに効果的といえます。
断食を行うと、普段、食事から補給しているエネルギーが身体に入ってこないので、溜め込んだ糖質や脂肪から栄養を取り込もうとして脂肪を燃焼してくれます。
よって断食をしてデトックスをしようと思うと、自然とダイエットやメタボ対策にもなるというわけです。

断食の注意点

デトックスやダイエット効果が期待できる断食ですが、身体に必要な栄養素が入れないことを考えると、自己流で始めると危険な方法でもあります。そこで、断食する上での注意点を以下にまとめました。

日数を決めよう

まず、何日間行うかを決めましょう。ただし、初めての方はいきなり何日も行うと身体に大きな負担がかかる可能性が高いです。初めての方は、1日でできるプチ断食をおすすめします。

また、デトックス目的の断食は長くても3日程で十分効果が期待できます。
仕事などで長期断食が難しい場合は、土日でできるプチ断食を試してみてもよいでしょう。
目安は自分に無理のない程度です。

種類を決めよう

自分で行う場合、水だけで過ごすのは非常に危険が伴います。
断食といっても、最低限の栄養補給は必要です。
1日3回の軽食プラス午前中と午後のおやつとして栄養を補給するのが丁度よいといえます。

栄養補給はスムージーや酵素ドリンク、果物など、自分に合ったものを選んで口にしましょう。
どうしても水で断食したい方は専門の断食道場などで行うことをおすすめします。

回復食が成功のカギ

断食期間が終わったら、それで終了ではありません。

大事なのは回復食なのです。

断食が終わったからといって、いきなり普段と同じような食事を摂ったり、脂っこいものをお腹に入れてしまうと、身体がビックリして体調を壊してしまう恐れがあります。
回復食は消化に良いおかゆやお味噌汁などから始め、少しずつ普段の食事に戻しましょう。

断食中は激しい運動をしない

断食中は激しい運動は避けましょう。断食中の1日の摂取カロリーが500キロカロリを目安とします。
つまり身体に必要なカロリーが圧倒的に足らない状態で過ごすことになります。

摂取カロリーが少ないと、身体は筋肉などのタンパク質を分解し、エネルギーにしようとします。
そうなると、筋力も低下します。
そのため、断食中には激しい運動をするべきではないのです。
運動をすると、心臓や脳にも負担がかかってしまいます。
断食によって血糖値が下がっている状態で有酸素運動をすると、動悸や震えといった症状が出ることがあります。

断食中はストレッチやヨガといったゆったりとした運動をおすすめします。
ストレッチやヨガは、身体だけではなくて、精神も安定させてくれるので、空腹が続く断食中にピッタリの方法といえます。

まとめ

身体をデトックスするのは非常によいことです。
断食を行ってデトックスをすると、胃腸が元気になり、便秘が改善されます。
便秘が改善することで、美肌効果や、免疫力アップが期待できます。
また、精神的にも安定し、脳が活性化されます。

ただ、断食を始めるには注意が必要です。
あらかじめ日数や食事に置き換える飲み物を決め、計画的に行いましょう。
また、断食でのデトックス成功のカギは回復食です。
断食中は激しい運動を控えて、ストレッチやヨガに留めましょう。

断食して身体の内側からキレイになって、健康的に過ごせるといいですね。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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