はじめに

日常、唇が荒れるとリップクリームを使うときはないでしょうか。
このリップクリームという言葉、実は英語ではなく和製英語になり、海外では、一般的にリップバームと呼ばれています。

日本では、馴染みのある「リップクリーム」は乾燥から唇を守ってくれてとても役立ち、実は乾燥以外にも口角炎防止といった効果もあります。
それにリップクリームにはいくつか種類があって、本来使い分ける方が良いです。

今回は、身近にあるのに意外と知らなかったリップクリームについてお話しします。

リップクリームの種類と特徴

唇荒れのとき役立つリップクリームは一種類だけか思われるのですが、実はいろいろな種類があります。また、リップクリームの特徴についても知っているようでイマイチよくわからない人のために、ここでは、リップクリームの特徴と種類について解説します。

●リップクリームの特徴

唇は粘膜が外にむき出しとなっているため乾燥しやすいですが、リップクリームを塗ることで、唇に薄い油膜を張ることができ、乾燥を防いでくれます。

また、唇が乾燥するのを防いでくれるリップクリームですが、それだけではなく、例えば医薬品のリップクリームは口角炎・口唇炎などの治療にも効果的です。

●リップクリームの種類

意外と知らないのが、リップクリームには種類がいくつかあり、その種類によって使い方も変わってきます。種類別の使い方について解説します。

○医薬品のリップクリーム

医薬部外品のものと比べて有効成分が配合されているため、皮向け・ヒビ割れ・乾燥に効果的です。
唇荒れが酷い人は第3類医薬品が表記されているリップクリームを選ぶと良いです。ただし、医薬品は薬になるため使用法や使用上の注意を良く読み正しく使いましょう。

○医薬部外品のリップクリーム

医薬部外品のリップクリームは保湿がメインのリップクリームになります。唇の荒れ・乾燥・ひび割れを防ぎ唇のきめを整えます。

○化粧品のリップクリーム

化粧品のリップクリームは唇の表面をカバーし、乾燥を防いでくれます。色・香・UVカット効果があるもの、口紅の下地として使えるものなどさまざまです。

他のタイプのリップクリームと違い、UVカットや色付きのリップクリームは寝る前に落としておいた方が良いでしょう。その理由として、寝ている間にUVカットの成分によって唇が乾燥したり、色付のものだと色素沈着してしまう可能性があるためです。

ただし、化粧品のリップクリームの中には美容液として夜使用できるものもあります。
使用法や使用上の注意を良く読み正しく使用しましょう。

このように、リップクリームと言っても医薬品・医薬部外品・化粧品のタイプがあります。
あなたが普段使っているリップクリームはどれでしょうか?分からず使っていた方は、確認してみましょう。

リップクリームの正しい塗り方

リップクリームは、塗れば塗るだけ効果があると思う人もいるかもしれませんが、ベタベタに塗ってもダメです。きちんと正しい塗り方をしないと、反対に乾燥してしまいます。

1.唇の縦じわに沿って塗る

化粧品・医薬部外品のリップクリームは唇の表面を油分でカバーして潤いを与えてくれます。
しかし、唇の横に引いて使うだけだと潤いの効果が十分ではないため、唇の皺(しわ)に対して縦に引いて使用してください。
※横方向にだけ引っ張ると荒れや皮が剥ける原因となってしまいます。ご注意ください。

また、リップクリームを塗るときは唇が清潔な状態で、温まっているときに塗ると良いため、お風呂上がりに塗るのがおすすめです。

リップクリームを塗る頻度、効果的なタイミング、使用期限は?

次に、使用頻度・効果的なタイミング・使用期限についてを説明します。

リップクリームは一日に何回くらいなら塗っても良いのか、ご存知でしょうか?
約5回までが良いです。それ以上は、唇に刺激や摩擦を与えすぎてしまう原因となり逆効果となります。

●唇が荒れやすい方の傾向

1.一日に10回以上も塗る

唇は粘膜に近いつくりになっているため、摩擦・刺激に弱いです。
そのために、一日に何回もリップクリームを塗ると摩擦で荒れてしまうことがあります。

唇が荒れたらリップクリームを塗り、また唇が荒れてきたらリップクリームを塗るというように何度も何度も塗るというような悪循環に陥らないように気をつけましょう。

2.水分補給をしない

冬の時期、暖を取るためにエアコンを一日中つけていると、体の水分はかなり減り、唇はカサカサに乾燥してしまいます。
喉が渇いていなくても、水分はこまめに取るようにしましょう。

3.唇を舐めたり噛む癖がある

せっかくリップクリームでカバーしても、唇を舐める癖があるとすぐに油分は取れてしまいます。
なるべく舐めないように意識的に気をつけましょう。

4.辛い物がすき

刺激から乾燥が促されてしまうことがあります。
もし辛い物を食べるなら、事前にリップクリームを塗って保護しておくとよいでしょう。

自分にあったリップクリームの選び方

リップクリームには3種類あることについて説明しましたが、ここでは、どういう人にどの種類が向いているか説明します。

○乾燥予防・日常的に使用したい人
化粧品・医薬部外品のリップクリームを使用してください。

○荒れ・皮向け・ひび割れがひどく改善したい人
医薬品のリップクリームを使用してください。

まとめ

今まで何気なく使っていたリップクリームには種類や使い方があることを知らなかった人もいるのではないでしょうか?

リップクリームは毎日使うものです。
塗り過ぎてかえって荒れてしまうようでは意味がありません。

自分にあったものを選び、一日多くても5回までとして正しい使い方をしましょう。

監修

・薬剤師&食生活アドバイザー 藤沢 淳司

・薬剤師&食生活アドバイザー 藤沢 淳司

専門分野 
薬、食生活、生活習慣病予防・治療

経歴
平成23年 大阪薬科大学大学院 卒業

資格
薬剤師免許、食生活アドバイザー、FP技能士2級

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