はじめに

最近では、生活習慣病を予防する目的から会社などで健康診断を受ける機会が増えてきました。健康診断の結果、肥満と指摘された方もいるのではないでしょうか?仕事や日常生活など私たちの周りは常にストレスが多い環境です。

「ストレス太り」という言葉が存在しているように、この二つには密接な関係があります。なぜストレスから肥満に繋がるのでしょうか?

ストレスが肥満につながる理由

ストレスが溜まるとたくさん食べてしまうという方は多いのではないでしょうか。なぜストレスが溜まると太ってしまうのでしょう?

1、ホルモンバランスが崩れる

ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れます。ストレスと関係するホルモンのひとつにコルチゾールがあります。コルチゾールは別名ストレスホルモンと呼ばれ、ストレスを受けると分泌されるようになります。

2、血糖値が上がる

コルチゾールは、血糖値を上げる働きがあり、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。インスリンは、糖を脂肪に変えて蓄えることで血糖値を下げようとするため、脂肪が蓄積されていくようになります。

3、食欲増進

脳内には食欲を抑えるためのホルモンのセロトニンが存在しますが、ストレスでコルチゾールが多く分泌されるとセトロニンがきちんと働かず、食欲が増して肥満へと繋がります。

4、筋肉量が減少する

ストレスにより分泌されるコルチゾールには、筋肉を糖に変えて、血糖値を上げる働きがあります。ですが、血糖値が上がるとインスリンが分泌されて糖を脂肪へと変えてしまいます。つまり、ストレスが溜まると、筋肉が脂肪に変わってしまうのです。

ストレスが原因の肥満解消法

ストレスの強さは個人によっても異なりますが、ストレスで肥満になってしまったという方もいるはずです。ストレスと上手に付き合うことで肥満が解消されますが、ストレスが原因で肥満になってしまったという方はここで紹介する方法で解消してください。

散歩

近所を散歩するのは良い気分転換になります。散歩でなくてもスーパーなどに歩いて出かけたり、通勤の際に最寄り駅よりひと駅手前で降りて歩くのも良いでしょう。無理なく毎日続けることが大切です。

スポーツで汗を流す

好きなスポーツをしたり、スポーツジムで汗を流すのも良い運動になります。また運動をすることにより筋肉の量も増えて代謝が良くなり脂肪がつきにくくなります。但し、激しい運動や筋トレなどはストレスになりコルチゾールが分泌されてしまいます。ストレスにならない運動を選ぶようにしてください。

友達と会話をする

気心の知れた友達と話をすると気持ちが和み、楽しいひと時過ごすことができます。また友達と会った時に悩みを聞いてもらうことで気持ちが楽になります。

ストレスが原因の肥満の予防法

肥満の原因がストレスであることが分かったら、肥満にならない予防策が大切です。ストレスが原因の肥満の場合はどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

栄養バランスの摂れた食事

肥満になってしまった場合、多くの方はダイエットを実行しよう思うでしょう。ダイエットと言えば食事制限をしたり、極端に食べる量を減らしてしまう方もいるのではないでしょうか?

栄養の偏ったダイエットは筋肉が低下して痩せずらくなってしまいます。筋肉は脂肪を燃やすのに大切な組織で筋肉が低下すると代謝も悪くなり却って肥満へとつながります。

適度な運動

適度な運動は良いリフレッシュにもなり気持ちもリラックスできます。体に酸素を取り組む有酸素運動は肥満予防に効果的です。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などがあります。ウォーキングであれば、初心者でもはじめやすいので特におすすめです。

前向きに考える

物事を悪い方にばかり考えてしまうとストレスがたまり肥満へと繋がります。仕事や家庭生活など悩みは尽きませんが、あまりくよくよと考えてしまうとストレスがたまりコルチゾールが分泌され肥満になってしまいます。悩みは誰にもあまりますが、深く悩まず1日寝たら忘れようという気持ちで乗り切りましょう。

たっぷりの睡眠

ストレスにはコルチゾールというホルモンが関係していると説明しましたが、睡眠が十分でない場合、ストレスからコルチゾールが増えやすくなります。睡眠時間は6時間以上が理想と言われています。できるだけ夜更かしをせず睡眠時間はたっぷりとるようにしてください。

アルコールは控えめにする

ストレス解消にお酒を多く飲むという方は多いのではないでしょうか?適度なお酒ならリラックスでき楽しい気分にさせてくれますが、飲み過ぎはカロリーの摂り過ぎで肥満になる確率が高くなります。

朝日を浴びる

ストレスがたまるとコルチゾールが分泌されますが、朝日を浴びることにより脳内の神経伝達物質であるセロトニンが気持ちを明るくさせてくれます。セロトニンは、脳の働きが高めてストレスを解消するのに役立つ物質です。朝日を毎日浴びることでストレスに強くなり肥満を防ぐことができます。

おわりに

ストレスと肥満の関係についてまとめました。ストレスを受けるとコルチゾールという物質が分泌されて肥満になってしまいます。ストレスをためないためには規則正しい生活やたっぷりの睡眠をとることが大切です。ここで紹介した方法でストレスを解消しましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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