はじめに

乾燥肌は女性にとって切実な悩みです。

肌が乾燥しているとお化粧の仕上がりも悪く、顔が粉をふいてしまったりと様々なトラブルにつながります。

毎日肌の悩みを抱えずに過ごすためにも正しいお手入れをして、乾燥肌を改善させましょう。

今回は、乾燥肌のスキンケア、乾燥肌におすすめのファンデーション、乾燥肌の改善に良い食事をご紹介します。

乾燥肌とは

皮膚の表面が乾燥して潤いがなくなり、柔軟性が低下してもろくなったり、白く粉をふいたりしている肌を乾燥肌と言います。

皮膚の水分は、発汗や不感蒸泄(ふかんじょうせつ)という皮膚や呼吸からの自然な水分の蒸発によって減少し、体内や大気中の水分により供給されます。

皮脂分泌量が低下したり、角層と角層の隙間を満たして、体内の水分の過剰な蒸散を防ぐ角質細胞間脂質や皮膚に元から備わっている保湿成分である天然保湿因子などが減少することによって角質の水分含有量が低下すると、肌が乾燥してしまいます。

角質の水分含有量が低下する原因は、年齢や性別、体質や住んでいる土地の気候、ライフスタイルなどが主ですが、ほかにも腎不全や栄養障害などの病気も原因となることがあるので注意が必要です。

乾燥肌のスキンケア

元々の体質ではなく、間違ったスキンケアによって乾燥肌になっている方もいます。
間違ったスキンケアは角質層を傷め、肌を乾燥させてしまうのです。

そのため、乾燥肌の予防や改善には正しいスキンケアが必要です。

1. クレンジング

スキンケアの中で乾燥肌を引き起こしやすいのがクレンジングです。

間違ったクレンジングは、肌を擦るときに起きる摩擦で肌の水分を保持する角質層を傷つけ、剥がしてしまいます。

また、クレンジング剤には多くの界面活性剤が含まれているため、メイクや汚れだけではなく、肌の角質部分の細胞の配列が乱れていると、保湿能力の大部分を担う細胞間脂質も洗い流してしまうことがあります。

メイクをしないで肌を休める日をつくるなど、クレンジング自体の使用頻度を減らすことが効果的です。

そうはいってもメイク必須な日が多い方は、極力ダメージの少ない自分にあったクレンジングを選びましょう。

上にも述べたように、クレンジングによるダメージの原因は摩擦と界面活性剤です。

界面活性剤の少ないマイルドなクレンジングを選んでも、メイクが落ちにくいからと擦ることが増えてしまっては意味がありません。

ですから、自分のメイクの程度や特徴を考え、なるべく擦らずにメイクを落とせるクレンジングの中で界面活性剤が少なく肌に優しいものを選ぶことが重要です。

場合によっては目元など、メイクの落ちにくい場所のみ強力なクレンジングを使用して、他の場所は肌に優しいものを使用するのもよいでしょう!

2. 洗顔

クレンジングよりはダメージが少ないものの、洗顔料も皮膚のバリアを洗い流してしまうため注意が必要です。

特に皮脂が多い人以外は、洗顔料を使用するのはメイクを落とす夜だけにして、朝はぬるま湯のみで顔を洗うことをおすすめします。

また洗顔料を使用する際は、摩擦を少なくするために洗顔料をしっかり泡立て、なるべく手が顔に触れず泡だけで肌に触れるように優しく洗いましょう。時間をかけすぎないことがポイントです。

汚れや皮脂を全て落とした方が良いと考えている方もいるかもしれませんが、ある程度の皮脂は肌を乾燥から守るために必要です。洗いすぎは逆効果になってしまうので気をつけましょう。

3.洗顔後のスキンケア

洗顔後は、肌の水分が急速に蒸発するため、なるべく早く化粧水をつけることが大切です。

また、化粧水は肌に水分を与える役割はしていますが、肌の水分が蒸発しないようにカバーする働きはありません。乾燥肌の方は化粧水を使用したあとに、乳液やクリームでしっかり潤いを保つ必要があります。

乾燥肌の方は肌が敏感なことが多いので、化粧水や乳液、クリームを選ぶ際、刺激成分が少ないものを選びましょう。アルコール、香料、着色料が入っていないものがよいです。

そのほかにもたくさん刺激となる成分はあるので、「無添加」や「敏感肌用」という言葉を過信せずに、しっかりと成分表示まで見て決めることをおすすめします。

乾燥肌におすすめのファンデーション

ファンデーションには、リキッドタイプやパウダータイプなど様々な種類があります。また、分類の仕方として油性か水性かという分け方もあります。

油性のファンデーションは水をはじき、水性のファンデーションは水で落ちやすいという特徴があります。乾燥肌の方に適しているのは、肌の水分を保ちやすい油性のファンデーションです。

油性のファンデーションはさらに2つの種類に分かれます。

1. 油性ファンデーション

油性のファンデーションは耐水性に優れているため化粧崩れしにくく、肌の乾燥も防ぎやすいです。ただし、厚塗りになりやすく、使用感が重くなってしまうというデメリットもあります。

2. 油性乳化型ファンデーション

乳液やクリームに色素顔料を混ぜて作られたファンデーションで、油性ファンデーション同様乾燥を防ぐことに優れています。

油性ファンデーションに比べて使用感が多少軽く感じるため、乾燥肌で軽めの使用感を好む方にはおすすめです。ただし、乳化型のファンデーションは添加物や防腐剤を多く配合しているものが多いため、敏感肌の方は注意が必要です。

エマルジョンファンデーション

上の二つのほかに、乾燥肌の方におすすめのファンデーションとして、『エマルジョンファンデーション』があります。

これは、リキッドファンデーションやクリームファンデーションを押し固めて作られた練り上のファンデーションです。

油分や保湿成分が豊富に含まれているものが多い上に、パウダーファンデーションのようにさっと塗れることやコンパクトに持ち運びできるところが魅力です。

これまで、ファンデーションの種類として乾燥肌の方におすすめのものを紹介してきましたが、それぞれの商品にコラーゲンやセラミド、スクワラン、レシチンといった保湿成分が含まれているかどうかもチェックしましょう。

乾燥肌にいい食事

乾燥肌を改善するためには食事の改善も大切です。ここでは、乾燥肌を防ぐ栄養素と食品をご紹介します。

1. セラミド

セラミドは水分を保持する働きがあり、肌の角質層から水分が蒸発してしまうことを防ぐほか、紫外線など外部からの刺激から肌を守り、肌荒れを防止する働きがあります。

若者の肌にはセラミドが多く含まれていますが、年齢とともに量が減り、肌が乾燥しやすくなります。

そんなセラミドを多く含む食品の代表が「こんにゃく」です。ただし、こんにゃくを食べる際に、しっかりと噛まなければセラミドの吸収率が悪くなるので、しっかり噛んで食べましょう。

その他にも、大豆、小麦、ほうれん草、ヨーグルト、黒ゴマ、黒豆、ひじき、ごぼうなどがセラミドを多く含んでいます。

2. ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜の潤いを保持する働きがあり、肌のターンオーバーも促進させます。

ニンジン、カボチャ、ほうれん草、にらなどの緑黄色野菜や卵黄、ウナギ、レバー、牛乳やチーズなどの乳製品に多く含まれます。

ただし、乾燥肌予防にと食べすぎるのはよくありません。特にビタミンAは胎児に影響を与えるので、1日の規定量以上を妊娠初期に食べると悪影響があります。バランスのよい食事を心がけましょう!

3. ビタミンB

ビタミンBの中でも、肌の健康に直接かかわっているのが、ビタミンB2とビタミンB6です。

ビタミンB2は健康な肌や髪を作り、粘膜を保護します。ビタミンB2はレバー、卵、乳製品、ほうれん草、さつまいも、大豆に多く含まれています。

ビタミンB6は、脂質の分解を促進する働きがあるので、余分な皮脂が原因となっている肌の水分不足や、ニキビの予防に効果があります。ビタミンB6はカツオやマグロ、レバーに多く含まれています。

4. ビタミンC

ビタミンCには、コラーゲンの生成を助ける働きがあるので、肌のハリやきめを整えます。ビタミンCを多く含む食品は、柑橘類、イチゴ、ピーマン、ブロッコリーなどがあります。

5. 脂質

体内の脂質が不足すると、皮膚のかさつきにつながるので、適度な脂質は肌のために必要です。

肉、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれる飽和脂肪酸は、摂りすぎるとコレステロールが高くなるなど生活習慣病の元になるので、保湿効果が高く、不飽和脂肪酸を多く含む魚類、ごま、ナッツ類を摂りましょう。

6. たんぱく質

たんぱく質は皮膚の角質細胞を形成するのに必要であるため、良質なたんぱく質の摂取も大切です。

たんぱく質は豆乳、肉類、卵、牛乳、魚類、大豆製品などに多く含まれますが、肉類などはコレステロールを高める作用もあるので、摂りすぎに注意しましょう。

まとめ

乾燥肌を改善するためにはどうしたらよいのか理解していただけたでしょうか?

乾燥肌の対策としてスキンケア、食事など細かく解説してきましたが、肌の健康にはストレスをためないことなど精神的な要素も大きく関与しています。

スキンケアも食事も基本を理解したうえで、あまり神経質になりすぎず、できることから少しずつ行動に移しましょう!

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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