はじめに

はじめに、未病という言葉を聞いたことがありますか?
未病と聞いても分からない方もいるかもしれません。
初めて聞く方も多いと思いますが、東洋医学では身近な存在として存在します。

東洋医学と聞くと難しいように感じるかもしれませんが、日本のあらゆる文化にも繋がっており、意外と理解しやすく日常に使いえる知識としても有効です。

ここでは、未病とは何かということと、それに対する対処法をわかりやすく解説していきます。

未病とは?

未病の考え方や解釈には諸説ありますが、病気を発症する一歩前の状態を『未病(みびょう)』といいます。

例えば、明らかに調子が悪いけれど、病院の検査ではどこが悪いのか判明しないなど、はっきりと何が起こっているのかわからない、というような事を経験される方もいます。

このような場合では、病名がつかない場合もあります。
明らかに症状や不調があったとしても、病名として診断されないことがあります。

そのようなことから、

健康な状態と完全に病気である状態の間に、未病というものがあると考えられています。

この未病という言葉は、中国で最も古いとされる東洋医学の文献『黄帝内経』という書物の中で登場します。医学やテクノロジーが進化する現代にありながら、このような伝統医学が注目されており、この文献の中では、「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」などと記されているように、未病の時点で病を治してしまうのが良いと考えられていたことがわかります。

既病(きびょう)とは、既に症状が出ている状態を示しています。
聖人(名人)は病気が発症する前の、未病の時点で治してしまうと書かれています。

病院に行って病気とは診断されなくとも、頭痛、腹痛、身体の重さだるさ、冷え、めまい、むくみ、食欲が出ない、よく眠れないなどの症状を体験したことがある方もいるのではないでしょうか?

病気がないから健康である。とは言い切れないのが人間の身体なのです。

未病の対処法は?

病気として表に出ていないとはいえ、調子が悪い場合には治療を必要とする場合があります。

胃腸や内臓の不調、冷え、食欲不振、などがあります。
健康診断や様々な検査で異常がなくても自覚症状がある場合は注意が必要です。

未病の改善方法を4つご紹介します。

①鍼灸治療

経絡やツボを鍼とお灸で刺激しながら治療を行います。
筋肉のコリや、自律神経、内臓機能、免疫系に作用し様々な身体の改善が見込めます。
治療中に質問などしながら、生活習慣を考えるヒントをもらえることもあります。
鍼灸・鍼治療についてさらに知りたい方はこちら

②漢方薬

自然に則した素材を使用し、服用することで身体の調子を整えます。
身体に優しく、副作用が少ないとされています。
鍼灸治療との相性も良いとされています。
用法用量は正しく使用し、専門家に相談することをお勧めします。

③ヨガ

身体を動かすことも健康のためには必要なことです。
ポーズをとりながら呼吸をすることで、心身ともに調和が生まれます。
また、自律神経にも作用するなど、リラックス効果も期待ができます。

④食事療法

せっかく運動をしても食事が偏っている場合や、暴飲暴食をしてしまっては台無しです。
様々な食事療法がありますが、バランスが大切なのは言うまでもありません。栄養素は不可欠なのでバランスの取れた食事が必要です。
季節の食材や、海や山の素材など幅広い品目を摂ることをお勧めします。
明らかな症状がある場合は病院の受診を必ず受けましょう。
未病はあくまで発症する前の段階です。

予防医学とは?

健康的な毎日を過ごすためには、心身ともに健康な状態が必要不可欠です。
病気にならないために、健康を損ねてしまうような要因を取り除くことで病気のリスクを減らしていきましょう。

病気になってしまった場合には、投薬や手術など治療を必要としますが、予防医学の考え方では生活習慣、食生活、運動など健康的な生活を実践することで病気にならない身体作りを目指します。
また、予防医学は広い意味を持っており、病気の予防だけではなく、病気の早期発見や、重症化の防止、合併症対策、または病気の再発防止も含むことがあります。

楽しみにしている趣味や、食事、旅行なども健康あってのことです。
これをきっかけに、自分に適した健康法を見つけてみてはいかがでしょうか?

先端テクノロジーと未病の関係?

現在、科学の進歩により多種多様な研究が行われております。
その中で、新しいフロンティアとして未病の発見を研究する組織も出てきているようです。

現代において、病気と診断されないと治療がスタートしなかったり、症状によっては通院や入院する病院を選択しなければならない場合もあります。

その時点では治療の選択肢が少ない場合も考えられます。

しかし、未病の段階では、病気が発症する前の段階と言えるので、先端テクノロジーにより早めに未病を見つけることで、多くの選択肢を持って治療を進められる可能性があります。
機械端末や各種センサーなどの精度が上がり、価格もかなり安くなってきたことから誰でも簡単に自分の体を知れるような世界がすぐそこまで来ています。

まとめ

古くからある伝統医学や東洋医学は、実は日本人のあらゆる生活の場面で活かされています。
このような背景から、東洋医学は現代にも応用できる概念だと言えます。

古めかしく、怪しいとされて来た部分もありますが、少しずつその有効性が証明されようとしています。
それが、最先端のテクノロジーでわかるとなればロマンがありますよ。
また先人の偉大さにも気がつくことができます。

病気は発症した後よりも、発症する前に解決してしまう方が体に悪影響を与えません。
不老長寿の時代は、まだまだ始まったばかりなのです。

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