はじめに

目の下のたるみは老けている印象を与えてしまいがちです。

そのため、目の下のたるみをなんとかして改善したいと思っている人も多いのではないでしょうか?

実は、目のたるみは皮膚科で治療して貰えるのです。
目のたるみの原因、皮膚科でできる治療方法やその種類、費用や期間、痛みや副作用等を詳しく解説していきます。

目のたるみの原因

目の下にたるみができてしまうと顔が老けて見えてしまいます。

では、目のたるみができてしまう原因とは何なのでしょうか?
その原因は主に4つあります。

その原因を1つずつ見ていきましょう。

加齢

まず考えられる目の下のたるみの原因は老化です。

人の皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」で構成されています。
真皮には、コラーゲンやヒアルロン酸が含まれています。
若い肌がもちもちしているのは、コラーゲンとヒアルロン酸で真皮が満たされているからなのです。

しかし、加齢ともに肌の弾力は失われてしまいます。
コラーゲンとヒアルロン酸を生み出していた線維芽細胞(せんいがさいぼう)が衰え、これらを生成する力が弱くなってしまうためです。
また加齢とともに、線維芽細胞自体の数も減っていきます。

眼窩脂肪の飛び出し

眼球を保護している眼窩脂肪(がんかしぼう)という部位が飛び出ることも、目の下のたるみの原因です。目の下のたるみを押すと、ぶよぶよしていますね。

これは眼球を保護していている脂肪です。

年齢とともに眼球を支えている靭帯が緩んでしまうと、眼球が入っている眼窩の中で眼球の位置が下がってしまいます。
その結果、眼球の下に敷き詰められていた眼窩脂肪が前方に押し出され、下まぶたにたるみ状の袋を作ってしまいます。

これが目の下にたるみができる原因となります。

目の酷使や疲労

現代は便利になり、パソコンやスマホ、タブレット等、私達の生活に欠かせないアイテムが増えていますが、それらによって目を酷使すると目の下のたるみの原因になります。

疲労が蓄積すると目の周りの筋肉が硬くなり、目元全体の血流が悪くなるため、老廃物が蓄積します。
すると、老廃物によって下まぶたの皮膚の代謝を損ない、目の下のたるみが悪化します。

また、パソコンやスマホ、タブレット等によって目を酷使する事で交感神経優位になります。
緊張状態やストレスが続くと活性酸素が発生して血液がにごりやすくなります。
これが目の下のたるみやむくみ、クマにつながります。

紫外線

私達が日ごろ、何気なく外で浴びている紫外線も目の下のたるみの原因になります。
紫外線で肌に悪影響を与えるものは、主に紫外線A波(UVA)とB波(UVB)です。

紫外線は波長により種類がありますが、特に波長が長い紫外線A波(UVA)は、ガラスやカーテン等をしていても通り抜けてしまい、肌の奥深くまで達します。
真皮まで届いたUVAは線維芽細胞にダメージを与えます。

また紫外線B波(UVB)も皮膚に対して強いダメージを及ぼします。

紫外線B波は波長が短いため主に表皮に深刻な影響を与えます。

皮膚科での目の下のたるみの治療の種類と方法

目の下のたるみを改善する為には様々な方法があります。自分でできる方法としては、保湿をしっかり行う、日頃の生活習慣を見直す、マッサージをして血流を促す、浮腫みを解消する為のストレッチを行う等が挙げられます。

しかし、これでは解決しない方も多くいらっしゃいます。その場合、皮膚科で治療を行うという選択肢もあります。

皮膚科の治療では、目の下のたるみの原因に応じてさまざまな治療法があります。例えば、目元の皮膚が緩んでたるみを起こしているケースでは、気になる部分にヒアルロン酸を注入する事でたるみを改善する事ができます。また、皮膚がハリ不足でたるんでいる場合には、リフトアップレーザーの照射によってコラーゲンの産生を促し、たるみを改善するレーザー治療も効果的です。レーザー治療は大きな痛みや傷を伴わず、肌への負担も少ないため現在人気のある治療法です。

美容医療でたるみを治療する方法では、以前は突出して目立っている眼窩脂肪そのものを除去する手術が知られていました。しかし、現在は手術ほど身体への負担や完治までの期間を要しないレーザー治療やヒアルロン酸注入による治療が主流になりつつあります。

皮膚科での目の下のたるみの治療の費用と期間

目の下のたるみを解消する為の治療にも様々な種類がある事は説明した通りですが、その治療を受けた場合、どれくらい費用がかかるのかを調べてみました。

たるみを大幅に改善したい人は、外科手術の美容整形で費用は30万円前後が必要になります。
この手術を受けるメリットはかなり長期間持続できることです。

逆に一定期間でも消したい、お試しでやってみたい人はヒアルロン酸やボトックス注入などのプチ整形が3万~10万円以下でできます。

先ずは試してみたいという方はヒアルロン酸注射から初めてみる事をおすすめします。
ただし、この方法だと持続できる期間は数ヶ月程度と考えられます。

目の下のたるみの治療の痛みや副作用

目の下のたるみを除去する治療において、ヒアルロン酸注射等を行う場合、麻酔クリームを塗ってから施術するため、目元への注入ではあまり痛みを感じる方はいないようです。

ヒアルロン酸等を注入した後、腫れてしまったり、注射の跡に内出血を起こす場合がありますが、1週間程で消える方が多いです。
ただし、痛み、内出血共に体質によって個人差があるため一概には言えません。

そして外科的な治療を行う場合、術中は麻酔が効いていますので心配いりませんが、皮膚を切開しますので、手術後にどうしても痛みを伴います。

鎮痛剤が処方されますので、しっかり服用しましょう。
傷跡は最初は赤く、次第に白い線のようになります。

その傷跡が目立たなくなるまで3ヶ月程要すると思って下さい。

また、副作用ですが、手術ですので縫合不全等のリスクはどうしてもあります。

できれば、クリニックに行く前にそのクリニックの実績等を調べておき、実績の高い病院を選ぶようにしましょう。

まとめ

目の下のたるみは、どうしても老けて見えてしまいます。その場合、色々な対処法がありますが、根本的な解決をしたいのなら専門医によるたるみの改善を考えてみてはいかがでしょうか?ただ、たるみを改善すると顔がスッキリとしますので、キレイになれる事は間違いありません。

目の下のたるみをクリニックで改善する場合は、事前にしっかりと熟練した医師がいるクリニックを調べて受診するようにしましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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