歯の構造について
知覚過敏のメカニズムを知るためには、まず歯の構造を理解しておかなければなりません。
歯はエナメル質と象牙質でできています。
エナメル質とは、歯の最も外側の部分のことで、骨よりも硬い、つまり身体の中で最も硬い素材といえます。この硬さで、その内部にある象牙質を守っています。
エナメル質には、神経が通っていないので、エナメル質の部分を削っても痛みはありません。
虫歯ができても、エナメル質に留まっているうちは痛みを感ないということです。
では、歯の神経がどこにあるのかというと、象牙質の内部です。
象牙質はエナメル質ほどの強さがないので、エナメル質や歯肉、歯槽骨などの歯周組織で覆われ、外部からの刺激から守られています。
歯はエナメル質と象牙質でできています。
エナメル質とは、歯の最も外側の部分のことで、骨よりも硬い、つまり身体の中で最も硬い素材といえます。この硬さで、その内部にある象牙質を守っています。
エナメル質には、神経が通っていないので、エナメル質の部分を削っても痛みはありません。
虫歯ができても、エナメル質に留まっているうちは痛みを感ないということです。
では、歯の神経がどこにあるのかというと、象牙質の内部です。
象牙質はエナメル質ほどの強さがないので、エナメル質や歯肉、歯槽骨などの歯周組織で覆われ、外部からの刺激から守られています。
知覚過敏でせっかくの食事が台無し!原因や予防・治療法を説明します - 【ケアクル】
冷たい飲み物やアイスクリームなどを食べたときに、歯がキーンとしみた感じがして、あわてて歯をみてみたけれど、むし歯のような穴は見当たらない。そんなときは、知覚過敏になっているのかもしれません。そこで、今回は歯の知覚過敏について、その原因から症状、予防法までわかりやすく解説します。
知覚過敏のメカニズム
知覚過敏は正式には「象牙質知覚過敏症」といいます。
前述したようにエナメル質では感覚を感じることがないので、知覚過敏は象牙質で生じているわけです。
現在考えられている知覚過敏のメカニズムは、以下で説明する動水力学説という説が最有力です。
象牙質には歯の神経である歯髄につながる細い管、象牙細管が無数に走っています。
象牙細管には神経はないのですが、細管の内部には液体が入っています。
歯に冷たい刺激や温かい刺激が加わると、象牙細管内部の液体が膨張・収縮を起こして移動します。
この移動による刺激が歯の神経を刺激し、歯がしみると考えられます。
前述したようにエナメル質では感覚を感じることがないので、知覚過敏は象牙質で生じているわけです。
現在考えられている知覚過敏のメカニズムは、以下で説明する動水力学説という説が最有力です。
象牙質には歯の神経である歯髄につながる細い管、象牙細管が無数に走っています。
象牙細管には神経はないのですが、細管の内部には液体が入っています。
歯に冷たい刺激や温かい刺激が加わると、象牙細管内部の液体が膨張・収縮を起こして移動します。
この移動による刺激が歯の神経を刺激し、歯がしみると考えられます。
歯がしみる原因
正常な歯では冷たいものを口に含んでもしみることはありません。
知覚過敏というのは、「象牙質」の知覚過敏症ですから、あくまでも象牙質に冷たいものなどの刺激が加わらないと生じないのです。
通常、象牙質はエナメル質や歯周組織で覆われています。
外部に露出していないので、外から刺激を受けることはありません。
ところが、歯周病などによって歯肉が減ってくると、歯根の部分の象牙質が露出してきてしまいます。
そのため、冷たいものなどの刺激が象牙質にダイレクトに届くようになるので、知覚過敏を起こしてしまうのです。
知覚過敏の原因は、象牙質の露出にあるのです。
象牙質が露出する原因の一つに歯周病を挙げましたが、歯周病でなくても生理的に歯肉は下がってきます。健康な人でも、平均すると1年間に0.2mmほどのペースで歯肉が下がってくるという研究結果もあります。
また、強過ぎる不適切な歯磨きによっても歯肉は下がってきます。
いずれの場合も、象牙質が露出することは、残念ながら避けられないといえるかもしれません。
知覚過敏というのは、「象牙質」の知覚過敏症ですから、あくまでも象牙質に冷たいものなどの刺激が加わらないと生じないのです。
通常、象牙質はエナメル質や歯周組織で覆われています。
外部に露出していないので、外から刺激を受けることはありません。
ところが、歯周病などによって歯肉が減ってくると、歯根の部分の象牙質が露出してきてしまいます。
そのため、冷たいものなどの刺激が象牙質にダイレクトに届くようになるので、知覚過敏を起こしてしまうのです。
知覚過敏の原因は、象牙質の露出にあるのです。
象牙質が露出する原因の一つに歯周病を挙げましたが、歯周病でなくても生理的に歯肉は下がってきます。健康な人でも、平均すると1年間に0.2mmほどのペースで歯肉が下がってくるという研究結果もあります。
また、強過ぎる不適切な歯磨きによっても歯肉は下がってきます。
いずれの場合も、象牙質が露出することは、残念ながら避けられないといえるかもしれません。
歯がしみるときの治療
知覚過敏の治療は、歯科医院で受けることができます。歯科医院では、動水力学説に基づいて知覚過敏の治療を行ないます。
薬物治療
硝酸カリウムという薬を知覚過敏を起こした部位に作用させると、歯の神経が鈍くなり、知覚過敏を起こしにくくなります。
硝酸カリウムを配合した知覚過敏治療薬を歯に塗って、知覚過敏を治す治療が一般的によく行なわれています。薬を塗るだけなので簡単で、一度で効果が現れますが、知覚過敏がすぐに完治するというわけではありません。
多くの場合、薬を塗るために歯科医院を何回か受診する必要があります。
硝酸カリウムを配合した知覚過敏治療薬を歯に塗って、知覚過敏を治す治療が一般的によく行なわれています。薬を塗るだけなので簡単で、一度で効果が現れますが、知覚過敏がすぐに完治するというわけではありません。
多くの場合、薬を塗るために歯科医院を何回か受診する必要があります。
充填による治療
象牙質が露出することで知覚過敏を生じると前述しました。露出した象牙質の部分をコンポジットレジンと呼ばれるプラスチックや、グラスアイオノマーセメントというセメントで覆い、刺激を伝わりにくくする治療も行なわれます。
レーザー治療
レーザーの熱によって、象牙細管を封鎖します。封鎖されると、冷たいものなどの刺激が伝わりにくくなるので、知覚過敏を生じなくさせることができます。
抜髄(ばつずい)治療
抜髄とは、歯の髄とともに神経を取り除いて痛みを感じなくするということです。
歯の神経を取り除くと、知覚過敏を感じることはなくなります。
しかし、歯髄には歯に栄養を供給するという大切な役割があります。歯髄を取り除いてしまうことは、つまり、歯に酸素や栄養が送り届けられなくなることを意味します。
ですので、なるべくなら抜髄は避けたいところです。知覚過敏で抜髄をするのは、他に手段がなく、痛みが強くて日常生活に支障を来しているような場合に限られます。
歯の神経を取り除くと、知覚過敏を感じることはなくなります。
しかし、歯髄には歯に栄養を供給するという大切な役割があります。歯髄を取り除いてしまうことは、つまり、歯に酸素や栄養が送り届けられなくなることを意味します。
ですので、なるべくなら抜髄は避けたいところです。知覚過敏で抜髄をするのは、他に手段がなく、痛みが強くて日常生活に支障を来しているような場合に限られます。
歯がしみる前の予防
知覚過敏が起こらないようにするにはどうすればいいのでしょうか。ポイントをいくつか紹介します。
歯磨き
強過ぎる、そして当て方がよくない歯磨きをしていると、その刺激で歯肉が減ってしまいます。
歯磨きの適切な方法は、各人で異なります。適した磨き方を歯科医院で説明してもらい、歯肉が減らないように注意して歯磨きをするようにしてください。
歯磨きの適切な方法は、各人で異なります。適した磨き方を歯科医院で説明してもらい、歯肉が減らないように注意して歯磨きをするようにしてください。
歯磨き剤
歯磨き剤には、歯の汚れを取り除くために研磨剤が配合されています。
この研磨剤は、汚れを取り除くのにはとてもいいのですが、歯を削ってしまう側面も持っています。
なるべくなら研磨剤の少ない歯磨き剤を選ぶようにしましょう。
また、知覚過敏に効果のある薬効成分を配合した歯磨き剤を使うのもいいでしょう。
この研磨剤は、汚れを取り除くのにはとてもいいのですが、歯を削ってしまう側面も持っています。
なるべくなら研磨剤の少ない歯磨き剤を選ぶようにしましょう。
また、知覚過敏に効果のある薬効成分を配合した歯磨き剤を使うのもいいでしょう。
歯周病治療
歯周病が進行すると、歯肉や歯槽骨(しそうこつ)という歯を支える骨が減ってきます。
歯周病治療の基本は、プラークコントロールです。プラークとは、歯の表面についた白いカスのようなもののことです。歯周病の原因である歯周病菌は、このプラークの中にいます。プラークを取り除く、つまりプラークコントロールが大切である理由は、ここにあるのです。
毎食後ていねいに歯を磨くことで、プラークを取り除くようにしましょう。
さらに、歯磨きでは取りきることが難しいプラークや、歯ブラシでは除去できない歯石を歯科医院で定期的に取り除き、歯を清潔な状態に保つことが必要です。
歯周病を適切に予防しておくことで、歯肉を減りにくくし、知覚過敏を防ぎましょう。
歯周病治療の基本は、プラークコントロールです。プラークとは、歯の表面についた白いカスのようなもののことです。歯周病の原因である歯周病菌は、このプラークの中にいます。プラークを取り除く、つまりプラークコントロールが大切である理由は、ここにあるのです。
毎食後ていねいに歯を磨くことで、プラークを取り除くようにしましょう。
さらに、歯磨きでは取りきることが難しいプラークや、歯ブラシでは除去できない歯石を歯科医院で定期的に取り除き、歯を清潔な状態に保つことが必要です。
歯周病を適切に予防しておくことで、歯肉を減りにくくし、知覚過敏を防ぎましょう。
おわりに
虫歯でもないのに歯がしみてくるのが、知覚過敏です。
多くの場合歯茎が下がって象牙質が露出することが原因で起こります。加齢でも歯茎は下がってくるのですが、それ以上に不適切な歯みがきや歯周病など病的な原因で下がります。
知覚過敏にならないようにするためには、歯茎が下がらないようにするのが一番です。そこで、歯みがきの方法を適切にしたり、歯周病治療を受けたりすることがすすめられます。
こうした点に気をつけて知覚過敏を予防するようにしましょう。
多くの場合歯茎が下がって象牙質が露出することが原因で起こります。加齢でも歯茎は下がってくるのですが、それ以上に不適切な歯みがきや歯周病など病的な原因で下がります。
知覚過敏にならないようにするためには、歯茎が下がらないようにするのが一番です。そこで、歯みがきの方法を適切にしたり、歯周病治療を受けたりすることがすすめられます。
こうした点に気をつけて知覚過敏を予防するようにしましょう。
歯科、口腔外科
経歴
九州大学歯学部卒業。2003年歯科医師免許取得。2009年博士号(歯学)取得。九州大学病院顎口腔外科医員。2011年医療法人仁慈会西原歯科勤務。2013年九州大学病院顎口腔外科助教。2016年福岡歯科大学口腔外科助教。2018年長崎大学病院 顎口腔再生外科
資格
歯科医師免許
日本口腔外科学会専門医
日本口腔科学会認定医
所属学会
日本口腔科学会
日本口腔外科学会
日本口腔腫瘍学会