最初に

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皆さんこんにちは、ペルシャ猫八太郎の飼い主、獣医師の徳永です。
皆さんに前回の記事を読んでいただけたおかげで連載を続けることが出来ました。
本当にありがとうございます!
パソコンの画面に写った自分の顔を、八太郎も「にゃー!」と言っていました。
引き続き動物と人が互いに健康に与える影響について、今回は私自身も悩まされていたアレルギーに関してお話しさせていただきます。

アレルギーの代表格、アレルギー性鼻炎

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アレルギーと聞くと皆さんは何を最初に思いつかれるでしょうか?

多くの方はくしゃみや鼻水が出るアレルギー性鼻炎を考えられますよね。アレルギー性鼻炎はくしゃみや鼻水・鼻づまりを主な症状としています。それがひどくなると頭痛やだるくなったりして、しんどい思いをされている方も多いと思います。

アレルギーは身体の外にある異物に対する体内の反応です、私もシーズンになると出る花粉症もアレルギー性鼻炎の1種ですね。

これは身体の外の細菌等と戦う抗体のうちIgEという種類が関わっているⅠ型アレルギーと呼ばれるもので、すぐに身体が反応する事から即時型アレルギーとも呼ばれます。

身の回りに沢山原因あり?? 原因が複雑なアレルギー性鼻炎

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アレルギー性鼻炎と言っても原因は様々です。私たちの身の回りにも残念なことにたっっくさんあります!

アレルギーの原因にはそもそも遺伝性によるものと、生活環境・習慣による2種類があります。
遺伝性による原因は、ご家族やご親類にアレルギー性鼻炎にかかりやすい方がいらっしゃると起こる可能性があります。
生活環境・習慣による原因は、1年中起こる通年性の原因と、ある期間だけ起こる季節性の原因、大きく分けて2種類の原因があります。
通年性はハウスダスト、粉塵、カビ、ダニ等、
季節性はスギやヒノキなどの花粉がほとんどの原因です。
これらの原因により、ヒスタミン、ロンボキサン、ロイコトリエン等の物質が、身体の中に広がり様々な症状を起こしてしまいます。
ヒスタミンは鼻の神経を刺激してくしゃみを、ロンボキサンやロイコトリエンは血管刺激による鼻づまりを引き起こすと言われています。
生活環境・習慣による場合は、不規則な生活やストレスがたまって免疫が下がった場合にも非常にかかりやすくなります。

ペットもアレルギー性鼻炎の原因になってしまいますかにゃー?(八太郎) 猫の毛の形状も影響するかも?
ペットと暮らされる方は特に気にされていますが、残念ながらペットもアレルギー性鼻炎の原因になる場合もあります。俗にいう犬アレルギー、猫アレルギーなどがそうです。
これはペットの毛そのものや毛に付いたハウスダストや粉塵、ダニ、花粉などが原因となり、アレルギー性鼻炎になる場合を言います。
また特に猫ちゃんが毛づくろいをした時に毛に付く、唾液の成分も原因となる事もあります。

何ともお恥ずかしい話かもしれませんが、私は獣医師でありながら、猫アレルギーと言われてきました。
病院で飼い主様の猫ちゃんを診察した時は、ほぼ毎回くしゃみと鼻水が出てしまうのでマスクをして診察を行ったため、「マスクの先生」なる怪しげな愛称をつけられてしまった過去があります。。
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それではなぜ私は今八太郎さん(ペルシャ猫)と暮らせるかといいますと、くしゃみが出てしまう猫ちゃん達は、日本猫などの毛が固くシュっと芯のあるような毛並みの子たちで、八太郎さんはふわふわもっさもさの毛で、毛の形状が違っていたのです。
これは獣医療関係者の間では割と有名ですが、ワンちゃん猫ちゃんの毛の形状でもアレルギー反応を起こす事と起こさない事があります。
医学的な論文等は無かったと思いますが、試しにシャンプーをしっかりしてもらった毛の形状がシュっとした雑種猫のタマちゃん(6歳の人懐っこい女の子猫さん)と過ごしてみたところ、残念ながら鼻水とくしゃみが出てしまいました。
私の友人は私と逆で、一緒に暮らしている雑種の猫さんとはなんともないのに、八太郎さんと過ごしたら鼻水が止まらなくなっていました。

ここでお伝えしたいのは、芯のある毛の形状やふわふわ毛が原因になるから悪いとか言いたいのでは決してありません。
人それぞれアレルギー性鼻炎の原因は様々なため、原因を責めるよりも対策を行う事が大切であること。
また犬アレルギーや猫アレルギーなどとひとくくりにして、犬猫と暮らすことを諦めていただきたくないという事です。(現に猫アレルギーと言われている私も八太郎さんと暮らしています)
もちろん本当にどのワンちゃん猫ちゃんと過ごしてもアレルギー性鼻炎になってしまう場合もありますので、耳鼻科や内科の先生に事前検査をしていただく必要があります。

どうすれば分かるのか、治療法は? アレルギー性鼻炎にならないために

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それではアレルギー性鼻炎はどうすれば分かるのか?
検査方法についてお話しします。
アレルギー性鼻炎は、主に耳鼻科や内科のお医者さんで検査することが出来ます。
症状を調べ、重症度も診断する問診の他、
・鼻水の性状を調べる鼻汁検査 (こちらでも好酸球を調べます)
・鼻の粘膜の状態を調べる鼻鏡検査
・アレルギーになると多くなる好酸球を主に調べる血液検査
・アレルギーの原因を専門の検査機関で検査してもらうアレルゲン検査
などから総合的に判断し、治療方針を考えていくのが一般的です。

次は気になる治療法ですが、症状や原因や治療するドクターの方針にもよりますが、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、抗ロイコトリエン薬などの薬物による治療が一般的です。
花粉症の方が飲むお薬もこれらの種類が多いですね。

少しずつアレルギーの原因エキスを注射したり、症状が出ない程度にアレルギーの原因物質と触れ合い身体を慣れさせる減感作療法という数年にわたる治療法もあります。
賛否両論ありますが、赤ちゃんがペットと暮らすことによって、将来アレルギーになりにくい身体になるという研究や話を聞きますが、おそらくこの減感作療法と同じ様な働きがあるのでしょうね。
赤ちゃんとペットが暮らすことで与える影響は、また別の機会に。

アレルギー性鼻炎にかからないために日頃気をつける事、動物と過ごす事での可能性

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一番は原因物質を取り除くことと、免疫力を低くしない・高める事です!
室内のハウスダストはダニであることが多いので、こまめに掃除をすること、布団を干した後には掃除機をかけて表面のやっつけたダニを吸い取ると良いですね。
吸い取る時はゆっくりほこりを立てないように気をつけてくださいね。
花粉症の季節には鼻のうがいをすることも効果的です、マスクも忘れず、部屋に入る前には服をよくはたくと花粉を落とせるでしょう。

また免疫力を低くしない・高めるためには、乾燥した特に冬は喉や鼻の粘膜を乾燥させないよう部屋は加湿して、外出時にはマスクをしっかりしましょう。粘膜が乾燥していると免疫力の低下につながるほか、花粉やウイルスがその場に留まることを助けてしまい、良いことがありません。

ストレスをためると免疫力が下がることは皆さんご存知だと思います、動物と触れ合うことでストレス解消になったり、幸せホルモンオキシトシンの分泌を増やすことが出来て、免疫力を低下せずに済みます。
※動物とオキシトシンについては、前回の記事を参照ください。

小さい子供のころから少しずつ動物と触れ合うことで、オキシトシンの分泌や減感作療法の様な効果を期待できるため、動物との触れ合いを教育に推奨する場所も増えているといいます。
ペットと過ごすことは残念ながらアレルギーの原因となってしまう事もありますが、ワンちゃん猫ちゃんと過ごす場合はシャンプーをするなど原因を出来るだけ除き、アレルギーの原因をしっかり特定し、沢山触れ合うことでストレス解消、オキシトシンを分泌して、健康な毎日を送れるようにしたいですね。
長文で医学的な内容が多くて退屈されたかもしれませんが、今回はアレルギーをテーマに動物が人に与える良い影響、悪い影響についてお話しさせていただきました。

今回もお付き合いいただきありがとうございました、次回は「小さな兄と大きな妹 兄妹逆転の宿命」でまたお会いしましょう。

今回の八太郎
おいらの毛がもさもさなにゃので、サマーカットになりそうですにゃ(八太郎)

プロフィール

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獣医師:徳永秀さん
 
マハロ・ペットワークス 代表獣医師
リライフアニマルクリニック 院長
 
ペット栄養管理士(ペット栄養学会認定)
ペットフード販売士(一般社団法人ペットフード協会認定)
 
動物病院で獣医師として三年半で1万頭以上の犬猫と向き合い、 全国の動物病院やペットオーナー向けの専門商社や事業会社にて、数々の新商品や新規サービスを開発する。

現在は独立し獣医師、ペルシャ猫八太郎の1飼い主としての両方の視点から、 複数の企業の動く顧問として動物病院やペットオーナーにより良い商品やサービスを提供するために奮闘中。

動物系の大学や専門学校にて外部講師をつとめ、学生時代に子供に対するホースセラピーボランティアをきっかけに、動物が与えてくれる人への影響について独自に研究中。

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