はじめに

岩盤浴はダイエットに効果がある事が広く知られるようになりました。

岩盤浴を行う事で身体の内側から温まり、大量に汗をかくことができるので、定期的に通っている方もいるのではないでしょうか?

岩盤浴は入浴するだけで身体が軽くなり、体調も整えることができます。

では、岩盤浴はどうしてダイエットやデトックスに効果があるのでしょうか?

岩盤浴とは

岩盤浴とは温めた天然石や岩石を加工したベッドの上に横になり、汗をかくサウナ式のお風呂の事です。

浴室の温度は40度前後と低温に設定されているので、女性や高齢者でも安心して入れるメリットがあります。

岩盤浴とサウナの特徴と違い

岩盤浴とサウナはどちらも汗を流す事で、美容や健康に良い効果があります。

では、この2つの違いをみていきましょう。

岩盤浴の特徴

岩盤浴はサラサラした汗をかけるのが最大の特徴の1つです。その理由として、岩盤浴が遠赤外線によって体の深部から温めますので、皮脂腺が開くからです。

この皮脂腺が注目すべきポイントになります。そもそも皮脂腺というものは、ちょっと運動したり、入浴したからというだけでは開いてくれません。皮脂腺が開くのは、例えば、マラソンであれば30kmもの距離を走ったときです。

この皮脂腺から酸化してしまった古い油や老廃物、化学物質が排出されます。皮脂腺が開くことによって身体に溜め込んでしまって、なかなか出せない物質も排出出来るのです。その為、皮脂腺を開くという事は疲労回復やデトックス効果が高いと言えます。

サウナの特徴

サウナは主にスチーム等を使うフィンランドの蒸し風呂の事を言います。その室温は80~100度と高温で、一般的にはサウナに入り、水風呂で身体を冷やすという行為を繰り返します。サウナに入ると大量の汗をかく事で、毛穴や汗腺をきれいにしたり、細胞の働きを活性化したり、血液の流れを良好にするといった効果があります。そして、その後に入る水風呂は肌を引き締め、美肌に効果があります。

ただ、かなりの高温の室内に長時間入ると、身体に負担がかかってしまうというデメリットもあります。また、食後や疲労感のある時、体調が優れない時は身体への負担が大きいので控える事をお勧めします。

岩盤浴とサウナの違い

岩盤浴とサウナの違いは身体の温め方にあります。

岩盤浴は身体の深部から温めるのに対し、サウナは身体の表面から温めます。

岩盤浴では、皮脂腺から汗が出ている為、体内に溜まった毒素を排出しますが、サウナは汗腺から汗を出しますので、デトックス効果は岩盤浴の方が大きいです。

岩盤浴もサウナも大量に汗をかきますので、新陳代謝が上がり、ダイエットに適しているのは同じです。

これはどちらが良いとは一概に言えませんので、自分の好きな方に入るのが一番良いでしょう。

ただ、岩盤浴は室温が比較的低温に保たれていますので、サウナが苦手な方にも入りやすいです。

岩盤浴のデトックス効果

身体の中には、体内毒素と体外毒素と、大きく分けて2種類の毒素があり、排出する経路も異なります。

体内毒素は体内で代謝された老廃物の事を指し、乳酸や尿素が挙げられます。これらはリンパによって運ばれ、肝臓や腎臓で分解、ろ過され、尿によって排出されます。岩盤浴をすると、代謝が高まり、血行もよくなるので、血液によって毒素が腎臓まで運ばれます。そして、その毒素は尿として排出されるのです。

一方、体外毒素は口から摂取した飲食物等に混ざっていた水銀等の金属類、大量のリンの他、タバコに多く含まれているニコチン等の事を指します。これらは汗に混じって汗腺や皮脂腺から少しずつ排出されます。岩盤浴はかなり汗をかくので体外毒素の排出もできます。

それゆえ、岩盤浴はデトックス効果が高いと言えます。

また、岩盤浴は岩盤を温める事で遠赤外線とマイナスイオンを発生します。この2つには水の粒を細くする作用があるため、血流がサラサラになり、新陳代謝が活発になって老廃物が尿から排泄されます。

岩盤浴では皮脂腺が開き、分泌が活発になるので、通常よりも大量に汗をかいて体外毒素を出します。つまり、岩盤浴は体内毒素と体外毒素の両方を排出する作用があり、デトックス効果と高いと言えます。

デトックス効果が出やすい岩盤浴の入り方

岩盤浴に入ったらまずうつ伏せの状態で10分程汗をかき、今度は仰向けになってもう10分程過ごしたら、5分程の休憩を挟みましょう。これを1セットとして60~90分程、入りましょう。ただ、慣れていない方がいきなり60分も入るのはしんどいかもしれません。よって最初は自分の身体に無理のない長さから始められると良いでしょう。

そして、この休憩を挟む事が大切です。休憩を挟まないと脱水症状を起こしてしまう危険があります。岩盤浴に入る頻度としては、週に2~3回位入るのが理想的です。毎日入ると身体に疲れが溜まってしまいますし、心臓等にも負担がかかるので、これくらいのペースがベストです。ただ、そんなに頻繁に行けないという方は週に1~2回でも十分効果がありますので、無理はせずに自分のペースで、自分が通える時に通うようにしましょう。

また岩盤浴では大量の汗をかきますので、休憩の時に必ず水分補給をしましょう。飲む量の目安は、1回の水分補給につき、500~800ml程度です。多いと思うかもしれませんが、汗をかいたらその分は補給しないと身体に負担をかけてしまいますし、しっかり水分を補給しないと、効率的に汗をかけなくなってしまい、デトックス効果も半減してしまいます。水分補給のポイントとしては、水を一気に飲むのではなく、ゆっくりとこまめに飲む事です。出来れば冷たいお水ではなく、白湯等、温かい飲み物を飲みましょう。温かい飲み物を飲む事で、身体への負担も少ないですし、脂肪を燃焼させる時に冷たいお水を飲むと、脂肪の燃焼効率が下がってしまいます。

また岩盤浴に入ったら、あまり身体を動かさないようにしましょう。これは岩盤浴の放射効果を身体に行き渡せ、効果を高める為のポイントです。

岩盤浴ダイエットする時の注意点

岩盤浴に入っている時に水分補給の必要性は前述しましたが、その他にもいくつか注意して欲しい点があります。

1.冷え性の場合はうつ伏せの時間を多くしよう

女性に多い末端冷え性ですが、冷えているのは末端だけではなく、内臓も冷えています。その為、うつ伏せ寝の時間を多くする事で、内臓もしっかりと温まりますので、弱っていた内蔵機能も改善され、効果的なダイエットに繋がります。

2.呼吸は深くゆっくりと

呼吸を深く、ゆっくり行うと、自律神経の乱れを整える効果があり、さらにリラックスも出来ます。

3.食後、2時間は空けて入浴しよう

脂肪の燃焼は胃に何も入っていない状態の方が、効率良く行われます。ダイエット効果を狙うなら、最低でも食後2時間以上経ってから入る事をお勧めします。ただし、お腹が空き過ぎている場合、または食直後の場合は、気分が悪くなってしまう可能性がありますので注意しましょう。

4.岩盤浴後の食事に注意

岩盤浴をした後は、激しい運動をした後と同じで身体が疲労しているので、入浴後、1時間はしっかりと休憩し、水分のみ口にしましょう。この間は甘い物、炭水化物、高カロリーな飲食物は避けて下さい。

また、その後に食事をする場合、運動した後と同じだからとドカ食いしないように意識して下さい。岩盤浴をした後は身体がエネルギーを欲していて、食べ過ぎてしまうと、必要以上に栄養を吸収してしまうので、折角、岩盤浴で身体の中を掃除したぶんが無駄になってしまいます。

まとめ

岩盤浴は身体の深部から温め、デトックス効果やダイエット効果に効果の高い入浴法です。

岩盤浴に入る事で開きにくい皮脂腺が開いて、普段、なかなか排出できない金属類やリン、ニコチン等を排出してくれます。

岩盤浴の効果的な入り方は、うつ伏せで10分、仰向けで10分入ったら、5分の休憩を挟み、これを60分~90分程、繰り返しましょう。

この時、汗が出た分だけの水分補給を行って脱水症状を防ぎましょう。

岩盤浴は身体に優しい入浴法です。

ダイエットをしたい方やデトックス効果が欲しい方は是非、お試し下さい。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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