・お灸女子ってなに?お灸女子とは

日本古来より存在するお灸、巷ではひそかに流行りを見せています。
そんなお灸の魅力にいち早く目をつけた女子達が、日々の体調のケアや管理のためにお灸をしており、それが、お灸女子の始まりです。

でも、お灸って聞いたことあるけど、お年寄りがご年配の方がやるものなんじゃないの?
というイメージもあるようです。

ところが、体を温めてあげることで体感できるメリットはたくさんあります。
体を冷やしてしまうのは、なんとなく悪いと思っていてもいざ改善してみよう思うとどうして良いのかわからないかもしれません。

そんな時の救世主として使えるのが、意外にも昔からあるお灸です。

最近では、熱くないお灸や、可愛いお灸、匂いの良いお灸、火を使わないお灸など、様々な商品が登場し人気を集めています。

冷えを取り除くことで実感できる変化は様々で、女性疾患にもよく効くことが人気の理由です。
症状として、冷え性はもちろんの事、むくみや肩こり、不眠症、内臓の動きや環境改善、免疫を高める、肩こり腰痛、などなど効果は多岐にわたります。

女子が普段抱える体の悩みに、とっておきのツボも紹介していきます。

この機会に自分の体質を知り、最適な体調管理方法を身につけましょう。
楽しいお灸ライフがあなたを待っています。

お灸って熱い?

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お灸は熱い、怖い!ってイメージがあるかもしれません。
また、人によっては「お灸をすえる」という言葉もあるように、お仕置きのイメージをされる方もいるかもしれません。

でも、大丈夫です。

実際にお灸をしてみると温泉に入っているような心地よさを感じます。

これを体験できたらあなたも今日からお灸女子の仲間入りです。
最近ではお灸を使った『お灸女子会』といった会まで存在します。

自分でやるには難しく感じるお灸も実はすごく簡単です。
ドラッグストアなどで売られている台座のついたお灸を使えば、火傷の心配もありませんし、両面テープが付いているので落ちたり、ずれたりする心配もありません。

お灸は安心、安全で心地良いのです。
しかも体の調子も整うとくればお灸女子の魅力にはまること間違いなしです。

お灸の魅力を感じたら、お灸女子会を企画してみるのも面白いかもしれません。

お灸ってどんな効果があるの?

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お灸女子たるもの、お灸にはどんな効果があるのか知っておきたいところです。

東洋医学では体の不調は1箇所の不調と捉えず、体全体のバランスで考えます。
体のめぐりを川の流れで例えると、川の流れを邪魔している岩をどかしたり、水が足りなくて勢いがない所を補ってあげることで、スムーズに流してあげたりなどです。

そんな全体のめぐりを良くすることで体そのものの治癒力を最大限に高めていきます。
その役割を果たしてくれるのがお灸です。

滞っていたり、冷えている場所は熱さを感じない場合もあります。
そんな時は、同じ場所へお灸を続けて何回か繰り返すことで、じわじわ熱が体の芯に入っていきます。免疫力アップ、代謝アップ、リラックス、血流増加、鎮痛効果、自律神経やホルモンの調整など良いことづくめです。

自分自身の調子のや体調の良し悪しを判断できるようになることも大切です。
風邪などへの対応も迅速になり、悪化を防げます。

お灸女子の魅力は懐が深く、続ければ続けるほどに効果が期待できます。

お灸って何で出来てるの?

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お灸女子としてはお灸についての知識もチェックしておきたいところです。

ちょっとした材質の違いでも成分の量や違いがあります。
また、お灸の質によって熱の入り方も変わるので知識が重要です。

そこで、こちらではお灸がなにで作られているのかを解説していきます。

お灸の中身は『艾(もぐさ)』といって、よもぎの葉の裏にびっしり生えている白い産毛だけを集めたもので作られています。

艾(もぐさ)の中にはチネオールという精油成分が含まれており、この香り成分がリラックス効果と緊張した筋肉を緩めて、自律神経のバランスを整えてくれます。

お灸は艾(もぐさ)という自然の力をうまく生かしているのです。

ツボってなに?

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お灸をするにあたって大切なのがツボと呼ばれる経穴(けいけつ)を知ることです。
経穴(けいけつ)とは体の中にある様々なエネルギーが出入りする場所と考えられており、
体に影響をもたらす反応点とされています。

世間ではこの経穴(けいけつ)のことを『ツボ』と呼んでいます。
お灸女子レベルを上げるにはこのツボを把握するのが大切です。

はじめは難しく感じることもありますが、慣れてくると自然と指がツボのポイントへ進むようになっていきます。
そうなってきたら、お灸女子レベルが徐々に上がってきた証拠です。
さらに、お灸を日々続けていくとツボの変化もわかるようになります。

これがわかれば、もう立派なお灸女子です。

ツボの部分は、どうなっているのか、むくんでないでないか、または、へこんでないか等、お灸をするたびに観察を心がけていきましょう。

体の不調はツボに反応が出る事も多く、押すと痛みがあったり、むくんでいたり、へこんでいたり状態は常に変化します。左右で比べてみたり、朝と夜で比べてみるのも違いがあることに気がつきます。

経穴(けいけつ)やツボの場所はエネルギーをスムーズに流してあげる事が重要です。
イメージは流れるプールです。流れるプールはよく流れているから面白いのです。
流れが止まっているのでは楽しいはずがありません。

お灸を進めていくと、お灸前とお灸後の違いもゆっくりわかるようになります。
無理なく続けてお灸女子レベルを上げましょう。

おのずと体調も良くなっていることに気がつくことができるはずです。

症状別に効くツボ

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お灸女子としては、症状や悩み事など、部位別にどこへお灸をしたら良いのか知りたいものです。
そんなあなたへ、ここでは女性によくあるお悩みにフォーカスしてツボを紹介します。

*太りやすい*

全身の流れを整え、基礎代謝を活性化させる組み合わせです。
体の余分なエネルギーを燃やし、停滞している水分や老廃物の排出を促します。
・中脘 ・水分 ・足三里 ・三陰交 ・合谷 ・承山 ・湧泉

*冷え症*

全身の血流を良くして、体を温めます。湧泉は足の冷えに速効性があります。
・中脘 ・天枢 ・三陰交 ・太渓 ・湧泉 ・腎兪 ・志室 ・八髎穴

*便秘*

腸の運動機能の低下や、水分不足などが原因で起こります。
エネルギーや水分のバランスを調整します。
・天枢 ・神門 ・足三里 ・脾兪 ・大腸兪 ・支溝 ・照海

*生理痛*

生理中は、エネルギーや血液が足りなくなり、不調になります。
不足しているエネルギーや血流を補い、冷えを改善してめぐりを良くします。
・気海 ・大巨 ・中極 ・血海 ・三陰交 ・厥陰兪 ・腎兪 ・八髎穴

*しみ、そばかす、肌荒れ*

内臓機能の低下やストレスが原因です。内臓機能を高め、バランスを調整します。
・中脘 ・曲池 ・三陰交 ・肺兪 ・合谷 ・三焦兪 ・腎兪 ・肩髃

*むくみ*

余分な水分を体の外へ排出させます。
・水分 ・水道 ・曲池 ・足三里 ・湧泉 ・腎兪 ・合谷 ・復溜 ・三陰交

*注意点

・初めのうちは、熱いと思ったら無理せず外して構いません。それでも十分効果は期待できます。
・具合が悪くなった場合はすぐに中止して下さい。湯当たりと同じように、”灸あたり”という、のぼせの症状が出る事があります。 その場合は出来れば首の後ろを冷やして、ゆっくり休養して頂ければ回復します。
・ご紹介している全てのツボをやらなければいけない訳ではありません。背中側のツボは他の方にやって頂くか、手足などの手の届くツボだけにして下さい。十分効果はあります。
・症状が重い、痛みが強い場合などは必ず病院を受診して下さい。
・煙が出ますので、換気は十分行って下さい。

<参考文献:TUBO BOOK セネファ株式会社 東洋医学 経絡・ツボの教科書 新星出版社>

上記にあるツボを見ていくとほとんどが、

『お腹』『手足の先端』『腰回り』に集中していることがわかります。

いかにこの部位が大切かがわかるかと思います。
お灸だけでなく、普段から冷やさないようにしましょう。

これもお灸女子にとっては大切な心がけになります。
それでは、健康で美しいお灸女子を目指して、楽しみましょう!

・セルフお灸をする際の必要なもの

セルフでお灸をする際にはあらかじめ必要なものを整えてから始めましょう。
お灸は一部の商品を除いて火を使うのが一般的です。
セルフでお灸をしていると、お灸の最中にはすぐに身動きが取れない状態になります。
そんな時に備えて、準備をしてからお灸を行いましょう。

・お灸

セルフで行う時に大切なのは安全にお灸を行うことです。
台座や土台のついたお灸を選びましょう。
台座にシールのついたお灸が便利です。
お灸を置く場所や部位によっては角度がきつくて斜面になっている場合があるので、お灸時に落下の恐れがあります。
シールのついたお灸だとこの落下防止に役立ちます。

・ライター、チャッカマン

お灸を始める際に使用するのがライターです。
気温や湿度によってお灸が点火するまで時間がかかる場合があります。
その時に指をやけどしてしまっては元も子もありません。
手元から点火する部分までが遠いものを選ぶようにすると良いです。
やけどを未然に防ぎましょう。

・お皿、もしくは灰皿

お灸を置いておく皿と、使用したお灸を置く皿と2枚用意しましょう。
使用したお灸を置く皿はお水を張っておくのも良いです。
熱くならない素材の皿を選ぶのもポイントです。

・使い古したバスタオル

注意を払いながらお灸をしていても、灰が少しだけ落ちてしまうことがあります。
お部屋の絨毯やお布団を焦がしてしまうこともあるので、未然に防ぐことが重要です。
お灸をする場合にはあらかじめ用意しておいてバスタオルなどを下に敷いて行いましょう。
また、濡らしたタオルも横に置いておくとすぐに鎮火できるので安心です。

・カットバン、絆創膏

お灸が熱すぎる場合に緩和剤として使用できます。
できれば紙の素材が良いです。
あらかじめ貼っておけばお灸をするときの目印にもなります。

・色えんぴつ

お灸を点火してからどこに置こうか意外と迷うものです。
そんな時にあらかじめ、しるしをつけておくと迷わずお灸が置けるので便利です。
また、洗ったり濡れタオルで拭けばすぐに取れるので後も残らず効果的です。

せっかくなのでお灸女子らしく、お灸以外のアイテムを可愛く揃えてあげるのも楽しみのひとつになるかもしれません。
お気に入りのもので日々のお灸女子ライフを演出しましょう。

・お灸をする時の注意点

セルフのお灸をする場合には、安心安全に進めたいものです。
ここではお灸を行う時の注意点についてご説明します。

・熱さをガマンしない。

お灸は暖かく心地良いものですが、火を使うので熱く感じる時もあります。
熱ければ熱いほど効果が高いというわけでもありません。
じんわりと心地よくツボや部位を温めてあげるのが良いです。
またその時の体調、気温、湿度、お天気やお部屋の環境などでも感じかたが変わるものです。
無理はしないように心がけましょう。

・奥に火が残っているかも

火を使うお灸は見た目には火が消えたように見えても中で火がまだまだ残っていることがあります。
土台や台座のついたお灸を使用する場合でも奥に火が残っていることがあるので、少し時間をおいて、土台や台座が熱くなってから取るようにしましょう。

・やけどを防ぎましょう

お灸は火を使うのでやり方を間違えてしまうとやけどをしてしまうことがあります。
熱いと感じた時はすぐにお灸を取り除きましょう。
皮膚に水分がある時は要注意です。
特に運動後やお風呂上がりの時には、汗をかいていたり濡れていることがあるので、少し時間をおいてから行うと良いです。

・お灸をしてはいけない人

お灸にもしてはいけない人や注意が必要な場合があります。
お灸は体にとっては熱による刺激と考えます。
この温かい刺激を利用して体の調子を整える治療法ですが、
同じく体を刺激するものがあるので、同時に使用するのは注意が必要です。
また刺激に対して、敏感になっている時や体が弱っている時にはこの刺激によって、かえって体調を悪化させてしまうことがあります。
そんな良かれと思って行ったお灸で失敗しないように、ここではお灸の禁忌を紹介します。

・妊娠中は要注意

妊娠中は様々な治療や刺激に対して敏感になっているときです。
絶対にやってはいけないという訳でもないですが、心も体も繊細な状態になっているので専門家に相談しましょう。
また妊娠の時期によっても異なります。妊娠中期から後期にかけては産前産後の赤ちゃんやお母さんのためにお灸をすることも沢山あります。
体の状態や時期を確認しながらお灸をしましょう。

・飲酒時

飲酒時のお灸は控えましょう。
飲酒によってすでに血行が促進していたり、お灸の刺激が悪い方向へ向いてしまう場合があります。
すでにお酒を飲んでいる状態でも体にとっては刺激が入ってる状態なので、そこへお灸をしてしまうと余計に刺激が加わり刺激過多になる恐れがあります。
これからお酒を飲む、という方も飲酒時の酔いが早くなるなどの影響が考えられるので注意が必要です。

・発熱時

お灸は効果的な熱を体に加えて健康にする治療法です。
すでに体に熱がある状態のところへお灸をする必要はありません。
余計に悪化させてしまうことがあるのでお灸の使用を控えましょう。

・入浴をする前、もしくは入浴後

体にとってはお風呂もお灸も熱の刺激になります。
お風呂とお灸を連続で同時に行ってしまうと刺激過多になり、気持ち悪くなったり、極度なだるさが出てきたりします。
体にとって適度な刺激量がわかりにくい場面ではお灸をするのは控えましょう。

・高血圧や疾患を持っている方

高血圧や他に病気がある方には特に注意が必要です。
上記にもあるように熱による刺激が思わぬ方向に傾いてしまうことがあります。
かかりつけの医師や専門家に相談しましょう。

お灸のポイントは無理をしないこと、そして生活や体のリズムによって調整してあげることが重要です。
継続は力なり、無理のないお灸ライフを実現しましょう。

・自分にあったセルフお灸の選び方

自分にあったお灸ってどんなものだろう?と気になる方もいるかもしれません。
そんなあなたにオススメのお灸を紹介します。

・台座灸が一般的

セルフで行うお灸ではやはり台座灸と呼ばれる、土台とシールのついたお灸を使用するのが一般的です。特別な技術を必要とすることなく、安心安全かつ簡単に使用できます。

熱の刺激量を調整しやすいように、熱さなども選べるようになっているので、ツボの場所やシチュエーションによって選べるのも人気の理由です。

また最近では香りのついたお灸も登場しているので、リラックスできる香りを自分で選びながらお灸をするのも可能です。
よりリラックスできるお灸を選びましょう。

・番外編 隔物灸 〜かくぶつきゅう〜

お灸の仲間にはユニークなものがあり、その昔はいろんなお灸が存在しました。
現代でもその効果や心地良さなど魅力が見つめなおされて鍼灸院でも使用されているものが沢山あります。

ここではそんな番外編で面白お灸の種類をご紹介します。
塩灸、びわの葉灸、にんにく灸、生姜灸、みそ灸など様々な素材を使用したお灸が存在します。

生活に密接したものが使われていたことを考えると、生活に根ざしたお灸が行われてきたのがわかります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ちょっとした女子会もお灸を持ち込めばお灸女子会の出来上がりです!
みんなでお気に入りのお灸を持ち寄って、はまっているツボを話したり、悩み事を話してみるのも面白いかもしれません。

お灸は知識さえあれば、誰でも安心安全に行えます。
簡単でも継続して行うことで思いもよらぬ高い効果が期待できます。
エステや美容ではサービスを受けることはできるものの、効果は一時的なものが多いです。
しかしながら、自分の時間にセルフで行えるお灸はリーズナブルで毎日継続可能です。

続けることが何よりも大切なことです。

また、自分で行うと今の体の状態を知るきっかけになるのも嬉しいところです。
この機会にみんなでお灸ライフを試してみてはいかがでしょうか?

最高のお灸女子、お灸ライフを楽しみましょう!

監修

・整骨院 院長 柔道整復師 岩井 隆浩

・整骨院 院長 柔道整復師 岩井 隆浩

専門分野 
鍼灸・マッサージ・生活習慣病予防・ダンス

経歴
平成18年日本体育大学卒業
平成21年東京医療専門学校柔道整復科卒業
平成24年東京医療専門学校鍼灸マッサージ科卒業
平成25年麻布十番ループル治療院開業(整骨院、マッサージ鍼灸院併設)

資格
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
教員免許(保健体育)

http://www.loople.jp/

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