再生医療と聞いてすぐに興味を持つ人は少ないかもしれません。
再生医療は今始まったばかりではなく、古くからあったものが研究の成果がすばらしく、大きな発展につながる要因となって注視されました。
私たちの身体は、必ず古くなり壊れるときが来ます。若くして難病を抱える人もいます。
そういう私たちに医療の光を見せてくれるかもしれません。
再生医療とはどんなことなのか、しっかりと意識付けしましょう。

私たちの身体は細胞から形成されています。その細胞の数およそ60兆。それらの細胞は１が２，２が４というように細胞分裂を繰り返して増え続け、日々古いものから新しい物へ返還されながら、身体を維持しています。細胞にも種類があり、それぞれの働きも違います。
同じ形や働きをする細胞が集まり組織というものを作り、これが私たちの身体をつくっていることになります。

人間の身体はトカゲのしっぽのように、一度切れてもまた生えてくるというような大きな再生能力は持ち合わせていません。
ケガや病気によって破損や欠陥を生じ、機能しなくなってしまった部分を、細胞や組織を使って再生させようとする医療のことを「再生医療」といいます。

ひと昔前のでは体の内臓が機能しなくなったら手立てはなく、そうなる前の段階で発見、薬、手術が最大の治療でしたが、次には医学の研究や進歩により臓器移植という方法が生まれました。しかし、それには他人の臓器を移植することになるので、拒絶反応などのリスクが大きくなります。

そこで現代では、患者自身の細胞や組織を用いて修復したものを本人に移植する方法に取り掛かるようになりました。
結果、何がどのような違いがあるかと疑問に思うことでしょう。
それは、根本治療となることに加え移植後の回復状況の質が良いということです。

医療領域に再生という言葉が方向付けのキーポイントとなって進められたのは最近のもではありません。
さまざまな国の研究者たちによって多くの歴史が作られています。

最近になってES細胞やiPS細胞の研究がすすみノーベル賞などで注目をあびたので耳慣れしていますが、再生医療はそれだけではありません。

再生医療として挙げるとすれば。臓器移植や義足などもその一つとされています。
再生医療を種類分けするならば、以下のようになります。

●臓器や組織を移植
　①臓器提供者(ドナー)からの移植
　②ES細胞やiPS細胞から臓器や組織を再生して移植

●細胞を移植
　③幹細胞を移植
　④免疫細胞を移植

再生医療の流れを柱として、それぞれの特徴を見てみましょう。

　①臓器提供者(ドナー)からの移植

　　肺、肝臓、腎臓、心臓、膵臓、腸、角膜などの損傷臓器を事故や病気で
　　亡くなった人の健康な臓器と交換するものです。


　②ES細胞やiPS細胞から臓器や組織を再生して移植

　　細胞は分裂し、身体の中の臓器を活かすために役割を持ちます。
　　この役割を持つことを分化といいますが、簡単な構造の生物ほどその細胞は
　　他の組織に分化できる性質を持っています。しかし、人間の構造は複雑なため
　　今までは不可能だとされてきました。この機能を利用した物がiPS細胞です。
　　分化し終わった細胞を取り出して、遺伝子を導入することで
　　一つの分化前の細胞をつくり、損傷した臓器に移植することで損傷した
　　臓器の再生をねらおうというものです。
　　骨、筋肉、皮膚、神経、血管、角膜などの損傷に有効とされています。

　
　③幹細胞を移植

　　パーキンソン病などのドーパミン不足を補うために、ドーパミンを作る前駆段階の
　　細胞を移植してドーパミンを増やすという再生を期待する療法です。


　④免疫細胞を移植

　　癌などの治療において用いられます。
　　癌細胞は誰しも持ちえますが、発症しないのは免疫システムがしっかりと
　　正常にはたらいているからです。
　　がん細胞が強力になり細胞分裂を繰り返すとがんの進行という形になりますので、
　　このがん細胞に勝てるように免疫システムである免疫細胞を移植して
　　防御するという特徴です。

さまざまな研究で再生医療の展望が大きく変わって明るくなってきました。
苦痛や痛みと闘いながら日々を送って来た方々には、希望ともいえる治療ですが、ES細胞やiPS細胞による再生医療はまだまだ研究段階です。

脊髄損傷の神経系を回復させたり、加齢黄斑変性症の網膜の臨床試験など行われていますが、一般診療になるまではかなり時間がかかると言われます。
他の再生医療では、インプラント療法がありますが、これは一般的に誰でも受けることができる治療です。

臓器移植や骨髄移植は、事前に登録が必要になり、ドナーが見つかった時点で適合の有無を確認した後での移植となります。
どんな病気を抱えた人でも、環境や年齢などによって対象となるかどうかは変わってきますので、病院もしくは現在関わっている医療関係の人に問い合わせることが良いでしょう。

再生医療とは広範囲な医療方式、または医療の方向性を総括した呼称です。
聞き慣なれなく、自分事ではないと考えるでしょうが、未来、それも近い未来に確実に実践化されるものです。
医療が発達しない大昔から少し昔までの医療の進歩はスローでしたが、最近では発展のスピードが加速化しました。その分、病気も増加しています。
これからの再生医療をしっかりと見つめて、治療の不可能を無くしたいものです。