禁煙の準備

まずは、禁煙を始める日を決めましょう。

タバコをやめようと思っても、すぐにやめられるほど禁煙はあまいものではありません。
1~2週間程度の準備期間を設け、その上で禁煙を始める日を決めましょう。
誕生日や結婚記念日、年始めなど自分にとって特別な意味がある日がオススメです。

特別な日に禁煙を開始することによって、どれくらい禁煙を継続できているのかも把握しやすくなります。

副流煙の影響

喫煙をすることでの悪影響は自分自身だけにとどまりません。
周囲の健康状態にも悪い影響を与えている事を理解することも、禁煙の準備ともいえます。
まずは言葉の意味を正しく理解しましょう。

主流煙:喫煙者が吸う側の煙です。
副流煙:タバコに火をつけて燃え出た際に出る煙です。
呼出煙:喫煙者が吐き出した煙です。
※いずれもエアロゾル(液滴)の形状をなす「粒子相」と気体からなる「気相」に分けられます。各種有害物質の発生は主流煙より副流煙の方が多く、主流煙は酸性ですが、副流煙はアルカリ性で、目や鼻の粘膜を刺激します。

非喫煙者が吸い込んでしまう煙は、上記の副流煙と呼出煙になりますが、
この2つの煙は主流煙よりも害が大きいと言われています。

具体的にいうと、主流煙を「1」とした時、ニコチンは2.8倍にもなります。

時々、歩きタバコをしている方を現在でも見かけることがあると思いますが、害を振り撒いているといっても過言ではありません。

もしかしたら、小さなお子さんがいる方は、お子さんに大きな悪影響を与えているかもしれません。
妊婦への影響では、流産や早産、乳幼児突然死症候群、低体重化などの影響の可能性があります。

このように、きちんと周囲への悪影響も理解することも禁煙のポイントです。

禁煙理由を確認しましょう

禁煙を成功させるためには、禁煙への意欲を高めることが重要です。
その為に、禁煙したいと思う理由について考え、書きだしておきましょう。
最近、体調が優れてないということが理由であれば、具体的にどのような症状が現状であるのか言語化しておくことをオススメします。頭痛や肌荒れなど、具体的にどのような症状なのかを紙に書き残すことで、禁煙によって改善した事が明確になるようにしましょう。
禁煙を通じてその症状がなくなった場合は、禁煙を続ける大きなモチベーションになるはずです。

女性であれば、肌をきれいにすることをモチベーションにすることがお勧めです。
喫煙すると体内のビタミンCが破壊され、コラーゲンの生成も妨げられてしまいます。逆に禁煙するとビタミンCは壊されることなく、コラーゲンが作られるのを手助けしてくれます。
その結果、お肌はつるつるになる傾向にあります。
このように、ビタミンCはきれいなお肌と切っても切れない重要な栄養素です。
お肌のためには禁煙したほうがいいのは言うまでもありません。

また、タバコは体内に発生する活性酸素を増やす原因になるといわれています。
活性酸素は増えすぎると細胞を酸化させ老化を早めることにもつながります。

危機感をモチベーションにかえることも良いのではないでしょうか?

喫煙のパターンを知りましょう

自分の喫煙行動を観察し、記録すると自分の喫煙パターンがよくわかり、
禁煙するのにたいへん参考になります。

タバコが吸いたくなったときにどのように対処したらよいか、あらかじめ考えておきましょう。
起床時には必ずタバコを1本吸う習慣があるといったことや、食後のタバコはどんなに時間がなくても習慣なので辞められないであったり、仕事でストレスを抱えているときは仕事中でタバコ1箱分吸ってしまうなど、人によって喫煙パターンは異なるものです。

離脱症状(禁断症状)とその対処法

長い間、タバコを吸っている人は、多くの場合、身体的にも心理的にもニコチン依存になっています。

どれくらい身体的にニコチン依存になっているかを簡単に判定できるのが、
「簡易ニコチン依存度テスト」です。
「簡易ニコチン依存度テスト」で検索するといくつかのサイトで確認できますので、
チェックしてみてください。

禁煙すると、人によって程度の差はありますが、さまざまな離脱症状(いわゆる禁断症状)がでてきます。症状は禁煙2~3日間がピークで、徐々に消失します。

禁断症状としては、下記のようなものがあげられます。

・イライラする
・そわそわして落ちつかない
・頭痛
・からだがだるい
・極端に眠い
・眠れない
・便秘
・鬱傾向になる

今回、禁断症状への対処法として3点ご紹介します。
・喫煙と結びついている生活パターンを変更する。
例えば、朝コーヒーを飲んだ後に喫煙行為が習慣になっているのであれば、朝のコーヒーを止めてみることをオススメします。

・喫煙のきっかけになっている環境を改善する。
灰皿をみると何となくタバコをすいたくなるかもしれません。まずは、灰皿などの喫煙具を思い切って捨ててしまいましょう。また、環境という意味ではお酒の場を極力さけるということも大切です。特に居酒屋は喫煙者が多く、喫煙行為を助長する場所といっても過言ではありません。

・喫煙の代わりに他の行動を実践する
口元が寂しいということを言う喫煙者がいらっしゃいます。そのときは、ガムでカバーしましょう。
普段よく飲む飲み物を変えてみても良いと思います。
喫煙をしてカフェでくつろぐといった時間があるのであれば、適度な運動をすることがお勧めです。
運動をすることで、健康への意識も高まるので、喫煙へのモチベーションに変化がでることでしょう。

禁煙の継続

いくら今までご紹介したことを行っても、継続しなければ意味がありません。
「1本だけ」の誘惑はいろいろな場面でおそってきます。

上記の対処法も継続のポイントになりますが、お勧めしたいのは周囲に禁煙を公言することです。
特に社会人の方にお勧めするのは、会社のメンバーに公言することです。
会社の上司や部下に禁煙を公言して継続できなかったら「意思の弱い人間」と判断され、出世にも響くかもしれません。あえて、リスクの高い人に公言することで、禁煙を継続に必ずつながるはずなので、身近な上司・部下に公言をオススメします。

また、身近な家族や恋人にも公言してみましょう。
お子様がいらっしゃる方はお子様にも公言を!さすがに子供に嘘はつけない気持ちになるかと思いますので、オススメです。
家族や恋人にしても、1度約束をしたことを守らないという事は信頼を失う可能性があるため、頑張ろうという気持ちになるかと思いますので、こちらもオススメです。
1位 決断(2013年禁煙CMコンテスト第1位)

監修

・千葉大学医学部附属病院 宮山 友明

・千葉大学医学部附属病院 宮山 友明

専門分野 
循環器内科

経歴
1998年 千葉大学医学部医学科卒業。
2008年 千葉大学大学院医学薬学府環境健康科学を専攻し、医学博士号を取得。
現在 千葉大学医学部附属病院循環器内科医員として、心臓専門医として診療、研究。

資格
医師免許

活動:
日本抗加齢医学会専門医としてアンチエイジング医学、日本医師会認定健康スポーツ医としてスポーツ医学にも取り組み、各種メディアで活動中。

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