はじめに

今年も花粉症の辛い時期がそろそろやってきました。目が痒かったり、鼻水や鼻づまり等、仕事や生活に支障をきたすことで苦しんでいる方も多いかと思います。
マスクや目、鼻の洗浄などの対策と市販や病院で処方される薬を飲んでいる方もいるのではないでしょうか?今回はそんなアレルギー薬の飲み薬を購入する際の選び方のポイントと服用の際の注意について解説します。

アレルギー性疾患の分類

アレルギー性疾患には花粉症の他にも様々な疾患が存在します。

・アレルギー性花粉症
・アレルギー性鼻炎
・気管支喘息
・アレルギー性結膜炎
・アレルギー性皮膚疾患

上記のうちアレルギー性花粉症とアレルギー性鼻炎は鼻水が出る鼻漏型と鼻づまりが出る鼻閉型に分類されます。
これらのアレルギー疾患に対してそれぞれ有効な第一選択薬が存在します。

アレルギー性鼻炎・花粉症の第一選択薬

鼻漏型の場合

鼻水がよく出るアレルギー性鼻炎・花粉症の鼻漏型の第一選択薬では以下の第二世代抗ヒスタミン薬が用いられます。
◎の付いているものはドラッグストアなど市販で購入出来るものです。

一般名(商品名)
◎ケトチフェン(ザジテン)
◎エピナスチン(アレジオン)
◎フェキソフェナジン(アレグラ)
◎アゼラスチン(アゼプチン)
オキサトミド(セルテクト)
◎エバスチン(エバステル)
◎セチリジン(ジルテック)
レボセチリジン(ザイザル)
ベポタスチン(タリオン)
エメダスチン(レミカット、ダレン)
オロパタジン(アレロック)
◎ロラタジン(クラリチン)

上記のうち市販薬で服用回数1回で済む商品は以下の通りです。
忙しい方や薬を飲み忘れやすい方には最適かもしれません。

アレジオン
エバステル
ジルテック
クラリチン

鼻閉型の場合

鼻が詰まってしまうアレルギー性鼻炎・花粉症の第一選択薬は体の中のアレルギー物質がアレルギー反応を起こす過程について抑制する作用のあるトロンボキサンA2阻害薬のラマトロバン(商品名:バイナス)、ロイコトリエン受容体阻害薬のプランルカスト(商品名:オノン)、モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)、ザフィルルカスト(商品名:アコレート)があります。

気管支喘息の第一選択アレルギー薬

息が苦しくなったり、咳が出てしまう喘息の症状はアレルギー反応が関係しています。
喘息では基本的に気管支を広げる貼り薬やひどい場合はステロイドの吸入薬や飲み薬が使用されますが、アレルギー反応を起こす原因物質で特に気管支を収縮させて、気道を狭くする過程を抑える作用がある以下のロイコトリエン受容体阻害薬が第一選択薬となります。

プランルカスト(商品名:オノン)
モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)
ザフィルルカスト(商品名:アコレート)

アレルギー性結膜炎の第一選択薬

目のかゆみが生じるアレルギー性結膜炎には以下のメディエーター遊離抑制薬や第二世代抗ヒスタミン薬の目薬が使われます。◎は市販されている成分です。

一般名(商品名)
◎クロモグリク酸ナトリウム(インタール)
アンレキノサノクス(エリックス)
◎ケトチフェンフマル酸塩(ザジテン)
ペミロラストカリウム(アレギノール、ペミラストン)
◎トラニラスト(リザベン、トラメラス)
イブジラスト(アイビナール、ケタス)
◎アシタザノラスト水和物(ゼペリン)
レボカバスチン塩酸塩(リボスチン)
オロパタジン塩酸塩(パタノール)
◎グリチルリチン酸ニカリウム(ノイボルミチン)

アレルギー性皮膚疾患の第一選択薬

蕁麻疹や皮膚炎、湿疹などかゆみを生じるアレルギー性皮膚疾患には鼻炎・花粉症と同じく以下の第二世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬として使用されます。


一般名(商品名)
ケトチフェン(ザジテン)
フェキソフェナジン(アレグラ)
アゼラスチン(アゼプチン)
オキサトミド(セルテクト)
エバスチン(エバステル)
セチリジン(ジルテック)
レボセチリジン(ザイザル)
ベポタスチン(タリオン)
エメダスチン(レミカット、ダレン)
オロパタジン(アレロック)
ロラタジン(クラリチン)

まとめ

アレルギーの薬について解説しました。鼻炎や花粉症、結膜炎や皮膚炎には様々な薬が販売されており、市販薬でも身近に購入することができるようになってきました、様々な商品が販売されているので症状や服用する回数、値段などを踏まえて自分にあったものを選ぶようにしましょう。市販薬でも改善しない場合は耳鼻科や皮膚科の受診をお勧めします。
気管支喘息に関しては医師による診察や処方薬が必要となってくるので日常生活において少しでも息苦しさや咳が止まらないなどの症状があれば受診しましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田 早苗

・総合診療医 院長 豊田 早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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