はじめに

普段の生活では日々繰り返し行っている呼吸について、気にも留めない方が多いのではないでしょうか?

風邪を引いたら、「呼吸が苦しいな。」、緊張している時に「呼吸が浅くなっている。」と気付く程度ではないでしょうか?

しかし、ピラティスという方法を通し、“正しい呼吸”を学ぶと、生活の質が大きく上がるかもしれません!今回は、その内容をご紹介させていただきます。

ピラティス氏の言葉

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1930年頃ドイツ人ジョセフ・H・ピラティス氏により考案されたエクササイズ・プログラムが、現在のピラティスと呼ばれるものです。

彼は、2冊の本を書き遺しており、そこには心身の健康を真剣に考え、啓蒙する貴重な内容が綴られています。

その中から、呼吸について考えるためにこちらの言葉をご紹介します。
Breathing is the first act of life and the last. Our very life depends on it. Since we cannot live without breathing it is tragically deplorable to contemplate the millions and millions who have never mastered the art of correct breathing.
人生は、呼吸で始まり呼吸で終わる。私たちの人生は、それに依存している。呼吸なしでは生きることはできないのに、正しい呼吸の技術を習得したことのない人が何百万といると考えると、なんと悲劇的で嘆かわしいことなのでしょう。
あなたは今、正しい呼吸をしていますか?
そもそも正しい呼吸とは何か知っていますか?


ピラティスなどを通して、「正しい呼吸とは?」を学ぶことが出来ます。そして、正しい呼吸をすることによって心身ともに健康になることができるのです。

呼吸とは

生物が生命維持に必要なエネルギーを得るために、酸素を取り入れて養分を分解し、その際に生じた二酸化炭素を排出する現象。体外とガス交換を行う外呼吸と、それにより運ばれた酸素による細胞内での内呼吸(細胞呼吸)とがあり、一般には外呼吸をさす。また、酸素を必要としない無気呼吸もある。
正しい呼吸を行うこと、

・身体の隅々まで酸素を行き渡り、細胞が活性化する
・深くゆっくりとした呼吸により、身体の余分な緊張が取れ、筋肉をリラックスさせることが出来る
・心も気持ちも静まり、集中力も高まる
・運動をする上では、体幹と呼ばれる身体の柱となる胴体部分の内側の筋肉(インナーマッスル)の活動を高める

と言った様々な良い効果が得られます。

忙しい毎日の中でも、一瞬目を閉じ、外界からの情報を遮断し、呼吸に意識を向ける時間を作ってください。自分の心身を健康にすることが出来ます。

では、実践していきましょう。

呼吸の質を高める3つの方法

①仰向けになって深い呼吸をする

写真のように、仰向けになれる場所を見つけ、仰向けになりましょう。仰向けは、最もリラックスしやすいポジションであるとも言われています。家に、フォームローラー(ストレッチポール)をお持ちの方は、その上に寝るのもお勧めです。

鼻から吸い、口もしくは鼻から吐き出します。
深くゆっくりと呼吸を行うとよいでしょう。

目を閉じて、外からの情報を遮断し、呼吸に意識を向けることがポイントです。様々な呼吸法がありますが、ここではゆったりと吸う吐くに集中する呼吸を推奨します。

上手く吸えない、吐けないという方もいるのではないでしょうか?
それこそが、素晴らしい気づきです。肺の中から全部空気を出す(スポンジから残らず水を絞り出すようにする)ことが、心地よく“吸う”為のポイントです。

②背中にある肩甲骨を上下/左右(広げたり寄せたり)に動かす

これは、仰向けでも、立って座っても行うことが出来ます。胸郭と言われる肺を守っている肋骨付近をはじめ、呼吸に関わる胸や首付近の筋肉の緊張を、肩甲骨の動きによって緩和していきます。

そうすることで、深い呼吸が行いやすくなります。

③背中を壁に付けて立ち、深い呼吸を行う

踵とヒップ、肩甲骨と後頭部の4点が壁に触れるように立ちます。

呼吸するときのポイントは、①と同じです。

※私達の生活は、立って座ってと、床に対して身体が垂直の面での作業が多い為、壁に沿って立つことで美しい姿勢を見つけること出来ます。

また、頭部が正しい位置にあることでも、質の良い呼吸を行うことが出来るので、是非壁を上手く利用して下さい。

正しい姿勢は良い呼吸を、また良い呼吸は美しい姿勢を作り上げます。

呼吸は素晴らしいコミュニケーションツール

日本語には、
呼吸に関わる表現が沢山あります。

「肩で息をする」「呼吸を整える」
「二人の呼吸が合う」「吐息」「息使い」
「阿吽(あうん)の呼吸」「呼吸を覚える」
「ひと呼吸おいて」等。

それだけ、人の姿勢や心の状態を表すのに、呼吸が関わっているということではないでしょうか?


また、こんな例もあります。
赤ちゃん連れでピラティスを受けに来て下さったママ。子供に合わせて生活しているので、呼吸がとても浅く、赤ちゃんも新しい環境とママの緊張を感じ、大泣き。そんな中、ゆったり呼吸ができるよう、筋肉の緊張を取り除いていくと、子供も落ち着いてパタッと泣き止みました。

まとめ

今回は、ピラティス氏の言葉と、呼吸とは何か、呼吸の質を高める方法などについてご紹介しました。

呼吸を意識することで集中力が高まったり、インナーマッスルを活性化させることができます。

正しい呼吸を行ってより良い生活を送りましょう!

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