リップクリームの種類

リップクリームは大きく分けて3種類に分類することができます。
唇の状態によって使い分ける必要があるので、まずはリップクリームの種類をきちんと知っておきましょう。

1. 医薬品リップクリーム

医薬品リップクリームは、唇の荒れやひび割れを修復する効果があります。
医薬品なので、症状が出ているときに使うのが好ましく、症状が出ていない時に使うのは、おすすめできません。これは、医薬成分が強い分、効果発揮してくれますが、副作用が出ることがあるためです。

2. 医薬部外品リップクリーム

医薬部外品リップクリームは、医薬品リップクリームより効果が低いものです。
医薬成分が弱い分、副作用も少ないので、乾燥による唇の荒れなどがそれほどひどくないときには、おすすめです。
医薬品リップクリームとは違い、常に使い続けても安心です。

3. 化粧品リップクリーム

色のついたリップクリームやグロスタイプのリップクリームなどは、化粧品に分類されます。
医薬品や医薬部外品のように、唇の荒れやひび割れを修復する効果はありません。
しかし、唇に必要な油分を与えたり、保湿したりすることができるほか、紫外線をカットする効果を持っているものもあります。

リップクリームの選び方

様々なメーカーから、多くのリップクリームが発売されていますが、違いがわからず、どれを買っていいか迷ってしまいます。

リップクリームは、唇に出ている症状によってリップクリームを使い分ける必要があります。
それ以外にも、リップクリームを正しく選ぶポイントをいくつかご紹介します。

1. 使用する目的によって選ぶ

唇の荒れがさほどひどくない場合や、予防で使う場合は、医薬部外品や化粧品のリップクリームを選ぶようにしましょう。
逆に、唇がひび割れたり、皮が抜けてしまっている場合は、医薬品のリップクリームがおすすめです。

このように使用する目的によってリップクリームを選ぶことで、症状を改善できたり、予防することができます。それだけでなく、リップクリームの副作用によって症状を悪化させることも、少なくなります。

2. 保湿成分が配合されているものを選ぶ

唇が荒れてしまうのは、乾燥が原因になってることが多いです。せっかく、唇の荒れを治しても、そのまま放っておくと、また乾燥によって荒れてしまいます。

そうならないためには、リップクリームを塗って保湿する必要があります。
保湿目的でリップクリームを選ぶ際は、唇の保湿ケアに有効な成分が配合されているものを選びましょう。例えば、ホホバオイルやハチミツ、ビタミンE・B・Aなどが配合されているものがおすすめです。

3. UVカットのものを選ぶ

唇も肌と同じで、紫外線を浴びて日焼けをしてしまいます。
普通のリップを塗っても、UVカット加工のないものだと、日焼け対策にはなりません。

唇の日焼けが気になる方は、UVカット成分が配合されているものを選ぶようにしましょう。
ただし、UVカット成分が配合されているので、お肌に刺激があります。日中使うのには問題ありませんが、使い続けるのはよくありません。あくまでも、日焼け対策として使うようにしましょう。

4. 自分の体質に合ったものを選ぶ

リップクリームには、メントールが入っているものがよくありますが、刺激が強すぎるため、人によっては逆に唇が荒れてしまうことがあります。
また、リップクリームに配合されている成分が、使う人の体質によってアレルギー症状を引き起こすことがあります。

そのため、成分表示を確認し、自分の体質に合ったリップクリームを選びましょう。
使っていて違和感のある時は、すぐに使用をやめることも大切です。不安あれば、先にパッチテストをしてから使用しましょう。

正しいリップクリームの塗り方

リップクリームで乾燥を防ぎたいために、たくさん塗ったり、強く塗ったりしていませんか?塗り方を間違えると、逆に唇が荒れる原因になってしまいます。

ここでは、リップクリームの塗り方のポイントをご紹介します。

1. 唇の縦ジワに沿って塗る

リップクリームは、さっと横に引いて塗る方法が一般的ですが、これは間違いです。

リップクリームを唇に十分につけるためには、『縦ジワ』に沿って丁寧に塗ることが大切です。こうすることで、シワの間にも十分にリップクリームをつけることができます。
また、リップクリームを横に引いて塗ると、横に引っ張る力がかかってしまい、唇の表面が刺激を受け唇が荒れたり、皮がむけたりする原因になるので注意しましょう。

2. 入浴後や洗顔後に塗る

入浴後や洗顔後は、肌だけでなく、唇も乾燥しやすい状態になっています。
そのまま放っておくと、乾燥して荒れやひび割れの原因になってしまいます。

こうならないためにも、入浴後や洗顔後のタイミングでリップクリームを塗り、乾燥させないようにしましょう。
また、寝ている間にしっかり唇のケアをしたい方は、夜用のリップクリームを塗ると良いでしょう。昼間に使う通常のリップクリームには、UVケア成分などが入っていることがあるので、しっかりと表示を確認しましょう。

3. 塗りすぎない

リップクリームを塗りすぎてしまうと、唇への摩擦が刺激になり、荒れやひび割れの原因になってしまいます。
また、リップクリームの種類によっては、逆に症状を悪化させてしまうこともあります。

リップクリームは1日5回を目安にを塗るようにしましょう。適度に塗ることで、唇が荒れたり、ひび割れたりする可能性が低くなります。
ただ、どうしても塗りたいと思う方は、唇に塗っている感じを味わいやすいリップクリームやリップバームを使うようにし、塗る回数を減らしましょう。

リップクリームの意外な活用法

リップクリームの消費期限は意外と早く、開封したら、半年を目安に使い終える必要があります。
しかし、唇に塗っているだけでは、半年で使い切ることができない場合もあります。
そこで、リップクリームの意外な活用法をいくつかお教えしたいと思います。

活用法1 まつ毛に使う

リップクリームには、油膜を作って保護する役割があります。
そのため、まつ毛に塗ることで、まつげを保護して丈夫に成長させることができます。

ただし、リップクリームは直接塗るのではなく、指や綿棒に取ってから塗るようにしましょう。
また、メントールの成分が入っているものは、刺激があるため、使わないようにしましょう。

活用法2 指先やネイルのケアに使う

乾燥すると指先にささくれができたり、爪が割れてしまったりします。

リップクリームには、肌を乾燥から保護する役割があるので、その役割を生かして指先や爪に塗ることもできます。
少量のリップクリームを手に取り、マッサージするように指先やネイルに塗り込みましょう。

活用法3 花粉対策に使う

メントール配合のリップクリームを鼻の下に塗ると、メントールの爽快感で花粉症の鼻詰まりの症状を和らげることができます。

ただし、鼻のかみ過ぎで鼻の下がひりひりと炎症を起こしているときは、症状を悪化させてしまうことがあるので、使用しないようにしましょう。

活用法4 傷や虫刺されの応急処置に使う

出先で虫に刺されたり、転んで傷ができてしまったりすることがありますが、消毒液を常備している方は少ないのではないでしょうか。
リップクリームは、虫刺されやちょっとしたすり傷などの応急措置にも、活用することができます。外部の刺激から幹部を保護するのに使うと良いでしょう。

ただし、あくまで、手当を受けるまでの応急処置として使ってください。使用する前によく患部を洗い流し、違和感や痛みがあれば、すぐに使用をやめましょう。
また、メントールなどの刺激の強い成分が含まれているものは、使用しないでください。

おわりに

リップクリームの種類、選び方、正しい塗り方と活用法についてお伝えしました。

どのリップクリームも同じだと思っていた方は、当記事をご覧になって、違いがおわかりいただけたと思います。
使う目的や体質、種類によって使い分けることで、きちんとした効果を発揮してくれます。唇は特に乾燥しやすい場所なので、正しい使い方で唇をきちんと保護しましょう。

また、余りがちなリップクリームの活用法も、試してみてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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